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2-05

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 「いや正直ムリだって、中佐だぜ中佐。艦長と同格だし…」

 「お前アルミナ中佐のこと『すっげぇ可愛い』って言ってたじゃねーか。」

 「そうだけどよ、あのひとの胸みたらアックだって変わるぜ?」

 「え?、でけぇのか?すげぇのか?」

 「ちげーよ、ここんとこに縫い付けてある、ほら、何て言うんだっけ。」

 「徽章きしょうだろ、2人とも何こそこそ話してんだよ。」

 「イリが居ないうちにと思ってよ。まーいいじゃねぇか。」

 「マイコはいいよなー、憧れのハマーノン先輩がメイド服で一緒に訓練。」

 「やめろよ、そういうのじゃないんだってば。」

 「で、可愛い子もうひとりいるんだろ?」

 「ああ、キャシー主任な。」

 「どんななんだよ。」

 「年は2コ下かな、ハマーノン先輩と同じ。でもすげぇできる人だってさ。」

 「そりゃ主任っつーぐらいだからな。」

 「トオルはいろいろ教わってたよね。鼻の下伸びてたよ?」

 「中佐がムリだからそっちってか?、おい。ははは」

 「ばっ、ちげーって、ツインテの可愛いが上目使いで話しかけて

  来るって状況が新鮮だったってだけだって!」

 「トオルがでけぇだけだろ?、あっはは」

 「でけーって言うなよ!」

 「ちょっと、何騒いでんのよ。」


 遅れて士官食堂にやって来たシジョウ・アイリ研修生(通称:イリ)だ。

 彼女は今日出された課題のことで担当官に呼ばれたので、同僚のヨイマチ・アッカーマン(通称:アック)に先に行っててと伝えてこうしてやや遅れてやって来た次第だ。


 「戦技の女の子が可愛いって話してたみたいだよ。」

 「まったく、まぁ分からなくないけどね。」

 「だろ?、イリだってカッコイイ男性の話とかしてたし。」

 「学校にいた頃はね。今は話す相手がいないもん。」

 「で、今日は課題出されたんだって?」

 「ああ、航法計算の課題だった。イリは何で呼ばれたんだ?」

 「課題の想定が甘いんじゃないかって思って、補給や支援を想定して

  いくつかパターンを考えて出したのよ。そしたら呼ばれちゃった。」

 「あんなもん学校の課題と変わんねーんだから言われたとこだけで

  ふつーに書いて出しときゃいいんじゃねーの?」

 「そうなんだけどね。納得行かないっていうか…。」

 「ま、それがイリのいい所なんだからさ。」

 「そうだな。ははは」

 「何よそれ、貶してんの?」

 「とんでもない、褒めてるんだよ。」

 「ほんとかなぁ…、ま、いいわ。それで戦技側そっちは?、

  どっさり出されたマニュアルは読めたの?」

 「イヤな言い方だなぁ、こっちは今日からシミュレーター訓練だったよ。」

 「午前中、第四惑星リスーマに降りたけどな。」

 「「ええっ!」」

 「なんだよ、地上に行くから昼飯に行けねぇって連絡したろ?」

 「アイトーカ市のことだと思ったんだもん…」

 「ああ、まさかリスーマに降りるなんてなぁ…」

 「うん…」

 「降りたってったって艦載機から出なかったからね…」

 「でも来週レポート出せってんだし降りたには違いねーだろ?」

 「おい、戦技ってそんなことすんのか?」

 「わかんねーけど、中佐が降りる用事あるってんで、ヴィクス中尉が

  反対して、護衛がどうのって、それでなぜか俺達までついてく事に

  なったんだよ。」

 「へー…」

 「なんかもうすごいのね、戦技って。」

 「でも僕たち外に出ずに艦載機の中でシミュレーター訓練してたんだよ。」

 「艦載機の中で?、艦載機ってそんなに大きいんだっけ?」

 「ここのはでけぇんだよ。でけぇ家が敷地ごとすっぽり入るぐらい。」

 「シャトルの大きいのみたいな?」

 「いや、黒くて丸かった。」

 「なにそれ…。ぷっ、あははは」

 「おい、子供じゃねーんだからよ。あははは、黒くて丸いって。」

 「アック笑いすぎ。あはは」

 「だってそれしか言いようがねーじゃねーか、格納庫に並んでたのも

  黒くて丸い、しか言えねーぞ?ありゃぁ。」

 「そういえば僕たちが便乗させてもらった、輸送艦バラクーダも

  黒かったよね、大きすぎて全体像はよくわからなかったけど。」

 「そういえばそうだったな、泊まったのも普通のホテルの部屋みたいだったし。」

 「食事も豪華だったわねー、美味しかった。輸送艦とは思えなかったわ。

  部屋も良かったし、もう一度泊まりたいわ、あのホテル。」

 「そうだ、そろそろメシにしようぜ。」


 食事と言われて思い出したのか、そう言うと4人は立ち上がり、券売機のほうに行った。



 彼らは気づいていないが、艦載機のみならずこのD8608型駆逐艦も輸送艦バラクーダも艦載輸送艦も、新型艦は皆同様のカプセル状円筒形をしている。つまり、みんな『黒くて丸い』のだ。


 これには設計思想的な理由がちゃんと存在する。

 アルミナ博士曰く、

   ・目視して前後左右上下がわかる形はそれだけ相手への情報を

    与えることとなり、それには弱点がどこか、どちらから攻略

    すればよいかのヒントとなる。

   ・艦の重要部位を外側に面した部分にしつらえる意味はない。

    よって外壁に窓など不要。外が見たいなら投影すればいい。

   ・複雑な形状だとそれだけ多様な部材が必要となる。

   ・外壁形状が単純になればコストや強度の面で有利。

    その意味でも窓をつける意味はない。

 という事なのだ。


 戦艦ミズイリは旧型艦艇を改装・改造したものなので旧来の形状のままだし、他にもたくさんの旧型形状のまま運用されている新型艦も存在する。但し、艦橋は見かけ上はそのままだが別の場所に移されたりしているものが多い。

 同じ『新型艦』に含めて呼ばれるが、後ろに『改』がつくこれら改造艦は厳密には『新型艦』ではない。型式は旧来のままなのだから。


 『黒くて丸い』新型艦は、D8608型駆逐艦を筆頭に系統が整理されたもので、これより大型のコロニーがつくE8700番台の巡洋艦、F8800番台の重巡洋艦、G8900番台の戦艦、H9000番台の要塞艦がある。いくつかは製造中でいくつかは内部設計中である。

 小さい方は、A8300番台の艦載機、B8400番台の艦載輸送艦、C8500番台の輸送艦であり、駆逐艦より小さいものは型式がこれらABCがつく種別に含まれることになっている。

 つまり大規模な居住区のないタイプは搭載する思考結晶のサイズに関わらず全てC以下となるわけだ。


 それで言うとカンイチくんはA8309型艦載機プロトタイプであり、輸送艦バラクーダはC8502型輸送艦である。末尾の番号はただのバージョン情報のようなものだ。なのでカンイチくん以外の艦載機はA8310型となる。艦載輸送艦はA型からの派生であるのでB8401型だ。


 話を研修生たちの夕食に戻すとする。



 それぞれが購入した食事の乗ったトレイを前に、研修生の4人が話していた。


 「戦技側そっちは2日目にしてもうそんなイベントがあったのね、

  いいなー、司令室側こっちは面白くもなんともない司令室で

  課題やらされて詰まんなかったわ。」

 「そんでアラ探しされ文句言われケチつけられるんだからなぁ…」

 「そうよ、さっきの呼び出しだってネチネチとイヤミ言われたわ。」

 「そりゃお疲れさん。俺達は昨日は難解なマニュアル読まされて

  量あるしゲーって思ったけど、シミュレーター訓練やっべぇぞあれ。」

 「訓練だらけだーって2人ともゲンナリしてたけどね、実際やって

  みたらもう楽しくってびっくりだよね。」

 「楽しい?!、訓練が?」

 「やべぇってどんなのだよ。」

 「それがな、ゲームみたいな作りになっててよ、今日はまだ一通りしか

  やらせてもらえなかったんだけどな、点数が出んだよ。」

 「うん、それで分析結果が出てさ、どこがどうダメだったか、

  どうすれば良くなるか、ってちゃんと指導してもらえるんだ。」

 「おう、それがまた的確でよ、気づいたら2人ともハマってて

  汗だくになって真剣にやってたよな、すげぇ楽しかった、ヤバすぎ。」

 「ホロのほうの訓練すごかったよね、ハマーノン先輩。」

 「おーおー、狙撃のやつな、あれキツすぎだろ何だよあれ。

  メイド先輩鬼すげぇの。ランキング1位だったぜ?、見たか?」

 「見た見た。ランキングって戦技の人たちだけだったけど、

  2位以下を大きく離してトップだった。さすがだよね。」

 「あのひと見かけはああなのにな、すげぇよな星系1位って。」

 「見かけはああだけどね、あはは。」

 「ちょ、おい、お前ら俺らを置いてくなよ。」

 「ああごめんごめん」

 「ねぇそれって『訓練』なのよね?、シミュレーターの?」

 「学校にもあったろ?、ホロ訓練のやつ。」

 「うん、あったけど…」

 「あれのすげぇのだよ。」

 「すげぇじゃ分かんねぇって。」

 「学校のも演習で雑なストーリーあったろ?、あれがゲームみたいに

  なってて臨場感も話の内容もばっちり揃っててな、んで登場キャラが

  ちゃんと喋るし、まるでホロ映画みたいなんだよ。」

 「それでそれで?」

 「あー、えーっと、マイコ頼む。」

 「あはは、えっとね、こっちの動き次第でその登場キャラたちの動きも

  変わってくるんだ。狙撃だったら敵味方の動きを理解してこそ点数が

  とれるようになってるって説明されたよ。」

 「でもそれなら普通に訓練よね?、ちょっと想像つきにくいんだけど。」

 「そうじゃねーんだよ、臨場感がハンパねぇんだ、だからハマる。

  だからヤベぇんだ。なんつーかこう、『燃える』んだよ。」

 「そんなヤベぇのか!?、いいなーちくしょー俺もやりてー」

 「私もそんなに燃える訓練ならちょっとやってみたいかも。

  早く後半にならないかなー」

 「あー、後半になったら俺らそっちいくんだったー!

  できればずっとこっちでやってたいよ、研修。」

 「そりゃだってずっとゲームやってるんじゃダメだからじゃないの?」

 「いや、それがなー、あのゲームみたいな訓練な、

  艦載機訓練なら基本操作のとこしかまだやれてないけど、

  真剣にやるしアドバイスも分析もあるからメキメキ上達するんだぜ?

  今日1日しかやってないけど実機動かしてみたくなったわ俺。」

 「あ、それ僕も。明日今朝のログもらえるらしいけど、楽しみだよ。」

 「へー」

 「楽しそうでいいなぁ…」

 「おお中佐が言ってたログかー、あれすんげーんだろうな、

  キャシー主任っていちばん上手いって言ってたし。」

 「そうだよね、それに中佐がモニタに出したりしてた情報も、

  あれあの場で操作してたんだよね、キャシーさんが言ってたよ。」

 「すげぇな、お前ら2人がそんなになるなんてよ。」

 「そうよね、昨日とはえらい違いだわ。」

 「もうな、学校でやってた訓練や教科って何だったんだ?、って

  思えるぐらいのレベルなんだよ。とにかくすごすぎる。」

 「どう凄いんだよ?」

 「内容もだけどね、学校で習った動きじゃダメなんだよ、

  実戦に即してて、んーそういうんじゃないね、学校で覚えたことを

  しっかり知識にしていてその上で、実戦ではこうすべきなんだって

  叩き込まれるんだ、ゲームで。」

 「訓練だろ?」

 「そう、訓練なんだ。ゲームみたいだけど学校の訓練なんかより

  上達するんだ。」

 「さっきも言ったが、ストーリーがよくできてんだよ、感動ものだぜ?

  失敗したら同僚が死ぬし、それがまたリアルでさ。泣けるんだ。

  んでそのあとやり直してミッションクリアしたらそいつ生きてんだぜ?

  ホロルームで雄叫び上げちまったぜ、ははは。」

 「そんなに凄いんだ…」

 「うおー俺もやりてー!」

 「ちょっと大きな声出さないでよ!」

 「すまん…」

 「「あっはは」」

 「自分の行動の微妙な違いで得点が変わるんだ、レーダーチャートも

  表示されてて、行動や選択でステータスが変化してって、

  それも得点に反映されてるらしいよ。」

 「得点って…さっきちょっと点数が出るって言ってたけど、

  ほんとにゲームみたいね。」

 「それで、どの時点の行動がダメだったか、どうすればもっと点数が

  上がるとか、味方はこういう場合なら、こう動くからその事をちゃんと

  考えろとか、アドバイスがいちいち正確でさー。」

 「あと、直前の他人の成績も出るよね。」

 「ああ!、あのせいでお前に負けたくねーって思って余計に燃えたぜ。」

 「俺も俺も、あっははは」

 「ほんっと、楽しそうね…」

 「ちぇ、羨ましいぜ…、みてろ?、後半は俺達が楽しむ番だぜ。」

 「あーずっとやりてーなーこの訓練。なんとかならねーかなー…」

 「アルミナ中佐に直談判してみたら?」

 「それがさー、アルミナ中佐忙しいみたいで、あまりいねーのなー

  他の人に言っても、それは中佐に言わないと、って言われたしなー…」

 「でもそのシミュレーターに司令室の操作って無いんでしょ?」

 「ないね。」

 「なら司令室のほうも研修項目なんだから、結局やらなくちゃ

  いけないんじゃない?」

 「そっか、そうだよなー、あー、憂鬱だー」

 「憂鬱ったってまだ2日目じゃないか。」

 「ねぇ、その訓練メニューって戦技のひとなんでしょ?、作ったの。」

 「え?、ああうん、たぶん。」

 「中佐と主任らでつくったんだって聞いたよ。」

 「んじゃさ、司令室のメニューも作ってもらえば?」

 「そんなすぐに作れるもんじゃないんじゃないか?」

 「ダメ元できいてみるのも手よ?」

 「でも俺らにゃ遅ぇよ、もう司令室のほうなんだし。」

 「でも間に合えば儲けものよ?」

 「うーん…」

 「とにかく中佐に会わないとだなー」

 「そうだなー」

 「よっしゃー!中佐に話そうぜ!、俺達の研修はまだ始まったばかりだぜ!」

 「ヘンなフラグ立てないでよね…」



   *  *  *



 「副長!、あのガキから個人端末に!」

 「マイネル大尉、少しは気持ちも分かりますがもうお認めになったらどうですか?」

 「そのうち直すさ。それよりこれだ、見てくれ。」

 「それなら私の端末にも来ましたよ。」

 「そうじゃねーんだ、アルミナ中佐はこの惑星にまだ居るのか?」

 「むっ、そういえばそうですね。隊長に連絡を。」


 そう言って通信室へと行く大尉2人。

 このリスーマ地上基地はあとから何度か増改築されたが、どうにも当時の都合とやらで通信室が不便な所にあり、しかも狭いのだ。

 不意に訪れた大尉2人を見て、雑誌を読んでだらけていた通信担当官は持っていた雑誌を放り投げて直立敬礼した。


 「ああいい、楽にしてくれ。少し外してくれると助かる。」

 「わかりましたっ!」


 飲み物や食べかけの合成食品や雑に積んである雑誌もそのままに、そそくさとその担当官は通信室を出て行った。

 マイネル大尉が何も言わないところからすると、いつもこういう状態なのだろうか。


 彼が通信機を操作してからややあって、アルマローズ中佐が通信機のモニタに現れた。


 「隊長、ご多忙中恐れ入ります!」

 『用件というのはアルミナ中佐から送られてきた文書のことか?』

 「はい。っということは隊長の所にも?」

 『そうだ。個人端末に送られてきた。』

 「一体どういうことなんでしょうか?」

 「失礼、それについて小官に考えがあるのですが。」

 『なんだ?』


 そう言うと副長と呼ばれたヘルマン大尉が個人端末を操作した。

 するとすぐにモニタの向こう側で呼び出し音がした。


 『!…、なにっ?!』

 「隊長、お出になってみて下さい。」

 『ああ。(ぴ)もしもし?』

 「隊長、どうですか。こちらの声が聞こえますか?」

 『ああ、聞こえる。この通信機よりもはっきりと、しかし微妙に遅れるな。』


 そうなのだ。この基地間通信は旧式ではあるが亜空間通信方式なのだ。

 個人端末はもちろん中継器なり中継所なりを介しているが電波なので、本来出力的に届くわけがないが、仮に届くとすると数分かかる計算になってしまう。

 ところが基地間通信よりほんの少し遅れるだけで個人端末で声が聞こえるということは、どこか近くに亜空間通信を介して中継する設備があるということだ。遅れからすると例えば衛星軌道上などに。


 「いつの間にそんなものを設置したのやら分かりませんが、個人端末で

  リスーマ地上からそちらに連絡が可能になっているようですね。」

 「そんな、バカな…」

 『こうして現に通信できているではないか。』

 「むぅ……。」

 「む!、もしかするとラスタラ地上も同様かもしれませんぞ!」

 『!…、するとラスタラに送った調査隊にも連絡がつけられる?!』

 「はい、それだけではありません、ラスタラ地上基地の者たちにも…!」

 『そうかもしれん!、早速やってみる!』


 そう言うが早いかアルマローズ中佐は通信を切った。

 ヘルマン大尉は、そう言えば何のために隊長に連絡を取ったのだったかと思い、ちらりとまだ理解が追いついていないのかもしくは理解したくないのか、呆然としているマイネル大尉を見た。

 この後副長としてアルミナ中佐からの文書に関して、この意固地な同僚をなだめすかして動かさなくてはならないのだろうなと小さな溜息をついた。



   *  *  *



 一般食堂で夕食を摂り、今日はあとすることって何かあったかな、などと考えながら戦技情報室へと戻ってくると、室長席斜め向かいに設置した研修生の席のところに研修生2名と一緒に同じ肩章の2名が立っていた。こちらを見ている。


 「(あの人がアルミナ中佐?)」

 「(そう。)」

 「(な?すっげぇ可愛いだろ?)」

 「(ほんと、お人形さんみたい。びっくり)」

 「(2人とも、聞こえちゃうよ)」


 何かひそひそやっていたが、室長席に近づくと姿勢を正した。


 ――何かしら?、用事あるのかな?


 小首をかしげながら通り過ぎようとすると声をかけられた。


 「アルミナ中佐、少々お時間よろしいでしょうか?」


 トオル研修生が少し緊張した面持ちでそう言った。


 「なぁに?、大事な話?」

 「は、はい!」

 「じゃぁ室長室で聞くわ。ついてきて。」


 ステラ中尉が席を立ってついて来ようとしたのを手で制して、室長室へ入る。

 デスクを回り込む前に振り向いて、尋ねてみる。4人ともぞろぞろとついてきているようだ。。


 「長くなるの?」

 「それほどでも」

 「じゃ、こっちでいいわね。」

 「はい。」


 ちらっと応接セットのほうを見ると、なんとリリィ少尉がまたソファーで居眠りしていた。あのあれこれ開きっぱなしのあられもない寝姿はどうにかならないものかと思うが、面白いのでそのままにしておく。

 こちらの視線につられて2人ほどがその姿を見て目を見開いていた。

 そっちは放っておいて席に着く。デスクの向かい側に4人が並んだ。


 「何かしら?」

 「はい。僭越せんえつながらアルミナ中佐にお願いがあって、あるのであります。」

 「少し落ち着きなさい。何か飲む?」

 「いえ、あ、きょ、恐縮です。」


 ――そんなに怖い顔してるかしら?、あたし。


 マイコ研修生と女性の研修生がトオル研修生の両側からくっついて、身体の両脇に伸ばした腕を少し曲げて肘でつついている。しっかり、とでも励ましている感じなのだろう。いつもの微笑で彼が落ち着くのを待つことにした。

 ソファーのほうからリリィが小さく、

 「か~…、クヵ…」

 と寝息を立てたのが聞こえたので手を口元にあててくすっと笑うと、彼らも可笑しかったのか笑顔になり、場が和んで緊張が緩んだようだ。


 ――あの面白い居眠りも役に立つのね。


 そんなことを思っていたらトオル研修生が話し始めた。


 「あのですね、訓練メニューに司令室側でやっているようなことを

  追加して頂くというのは可能でしょうか?」

 「可能よ。」

 「ではそれを追加して頂くというわけには…」

 「それには艦長とそちら側の監督官の許可が必要ね。」

 「…そうですか。」

 「士官学校にもあったでしょ?、司令室側でやっているような内容の

  ホロ訓練やシミュレーター訓練が。」

 「はい、ありましたがあれはそれほど大したものではありませんでした。」

 「そうね。部分部分がばらばらだし訓練自体に重きを置いたものであって、

  評価は教導官が行うものだからここの訓練とは印象がかなり違うでしょう。」

 「はい。」

 「あなたたちの要求というのは、ここの訓練方式にそれらの内容を組み込んだ

  メニューを追加してほしい、ということね?」

 「はい、仰る通りです。」

 「資料の閲覧許可を出すわ。艦長らの許可ももらってあげる。その上で、

  あなたたち4人で見積りをしなさい。どれぐらいの費用がかかるのか、

  全ての指導要綱・訓練要綱を満たすにはどのポイントで何を評価すべきか、

  それを資料を調べて知りなさい。いい勉強になるわよ?、これも訓練ね。」

 「え、えっ…」


 訓練生たち4名は戸惑ったような表情で言葉が出ないようだった。

 その様子を見ると、どうやらもう少し説明をする必要がありそうだ。


 「あのね、司令室のほうでやっている訓練というのは、操艦操作・索敵・

  機関調整・航路計画でしょう?」

 「はい。そうです。」

 「砲術訓練というのもあったはずだけれど、それはこの艦には無いものだし、

  新型艦は旧型艦とは概念も異なるから省いているはずね。」

 「はい。」

 「1から全部作るのは大変なの。だから旧来のを組み直したり補完したり

  することになるわ。それで小型艦から大型艦まで編を分けて整理する

  必要があるの。

  小型は偵察艦・小型輸送艦・小型戦闘艦、

  中型は駆逐艦・巡洋艦、

  大型は戦艦・大型輸送艦。

  それぞれこれらの艦種ごと、さらにパートごとに分かれている

  ストーリーがあるのよ。ホロ用なのは士官学校にあったのだから

  分かるでしょ?」

 「はい、全部は受けませんでしたが、あることは。」

 「これらはね、作り込まれている部分とそうでない部分の差があって、

  あとで作られた部分と元の部分で整合性がとれていない個所がちらほら

  あるのよ。不人気な理由ね。」

 「……。」

 「それをホロ用のままでいいので評価方式やレーダーチャートなどの

  戦技情報室ここの訓練設備でやっているような方式に直す必要が

  あるのよ。ここまでは理解できた?」

 「なるほど、はい。」

 「何もあなたたちにコンバート作業をしろなんて言ってるのではないわ。

  まず、小中大に分類してストーリーのコースをある程度繋げること。

  次に、指導要綱・訓練要綱との整合性をとること。

  そして評価するためにはどういうポイントで何を加点すればいいか

  を考えること。最後に、最終的に費用はどれぐらいかかるのかを

  見積もること。ここまでやってみなさい、と言っているの。」

 「仰ることはよくわかりました。ですが私たちには少々、」

 「手に余るかしら?、本当にそう思うの?」

 「……。」

 「さっきも言ったけれども、艦長たちの許可はとってあげる。

  そして4人とも訓練予定を7日間延期するわ。戦技にあるものは自由に

  使っていいわ、訓練メニューの資料も閲覧許可を出すし。

  何も完璧を求めているのではないのよ。

  やれるところまででいいからやってみなさい。

  それで得るものも多いはずよ。」

 「はい、わかりました。やってみます。」

 「それと、」

 「はい?」

 「司令室のひとたちでも戦技のひとたちでもこの件ではあれこれ尋ねたり

  動いてもらったりしなくてはいけないはず。

  恐れることなく動きなさい。とくに司令室のひとたちの経歴を見れば

  誰に何を尋ねるべきかわかるはずよ。」

 「「はい!」」

 「あたしに直談判できたのだから、もうこの艦に怖いものは無いはずでしょ?」

 「…はは…はひ。」


 そう言って微笑んだアルミナ中佐を見て4人は少し引きつった笑みを返した。


 「明日の午前中には指示書を出すわ。それで、ん?」


 デスク上の少し脇に突然パンが浮いて中佐のほうに顔を出しパクパクと話しだしたのだ。4人には見えないが、ウィンドウが開いてそこに中佐にだけ見えるメッセージが表示されている。

 第147辺境警備隊いちよんななのアルマローズ中佐からの通信だということだ。中佐の個人端末も震えている。


 アルミナ中佐の個人端末は一般のものとは異なり、中佐の腕に装着されている端末のフロントエンドの役割をしている。見かけ上普通の個人端末を操作していると偽装するためでもある。そしてその腕の端末はこの艦の思考結晶コッペパンとリンクしている。

 中佐への通信は、通常の通信網の上位にあたるコッペパンの中枢を介するので、こういった『大事な話』の最中には気を利かせて(?)か、このようなことが起きる。


 しかしそんなものがいきなり出てきたのだから、さぞかし向かいの4名は驚いただろう。彼らの側から見ればいきなりデスク上にパンにしか見えない物体が浮き、その下にウィンドウが表示されているのだから。


 「とにかく指示書を出すわ、通信が入ったの。居ても構わないけれど、

  たぶん聞かない方がいいと思うわよ。」


 と、中佐が真顔で言ったため、4人は顔を見合わせ挨拶もそこそこに軽くお辞儀をして退室していった。


 ――さて、こちらはこちらでやっと動き出したようね。ふふ。


 何やら人の悪い笑みでそうつぶやいた。

 リリィは全く起きる様子もなく、例の姿勢のまま眠り続けていて「…か~」と小さな寝息を立てていた。



   *  *  *



 リスーマ地上基地からの基地間通信を切ったアルマローズ中佐は、急いでまずは調査隊のメンバーの個人端末へ連絡をとってみた。やはりというかなるほどというか、すぐにつながった。


 『アルマローズ司令ですか?、本当に?』


 通信に出た調査隊のひとりは驚いた様子も隠さずに確認の声を送ってきた。


 「そうだ私だ。よかった。無事なようだな。心配したぞ。」

 『司令も地上に降りられたんですか!、いつです、いや、今どちらですか!』

 「そう慌てるな。私は第一辺境防衛基地に居る。」

 『え?、ではこの通信は一体…』

 「ここから地上に個人端末で通信できるようになったのだ。」

 『そうなんですか、そりゃすごい。』

 「で、そちらはどうだ?、地上基地の士官らは?」

 『まず地上基地ですが、やはりスネアの連中に占領されたようです。』

 「そうか。」

 『基地の士官らは…、一部が抵抗したらしく、残念ですが…』

 「そうか…、残りは合流できたんだな?」

 『はい、現在63名が我ら調査隊と共にホラ市の地上軍倉庫に居ります。』

 「ホラ市の倉庫、というと昔の湾岸のものか。」

 『はい。彼らに連絡をとったところ、ほとんどがホラ市出身だったようで、

  メルキ市からこちらに移動したときに、古参の者がこの倉庫の存在を

  思い出したらしく、とりあえずはここを拠点にと。』

 「なるほど、よくやってくれた。」

 『いえ、司令への連絡をどうしたものかと思っていたところでした。』

 「そうか、何か困ったことはないか?」

 『そうですね、さしあたっては食糧でしょうか。

  入手のあてはなんとかなりそうなんですが、金がないんで。

  彼らを上に連れて行くにも我らの乗ってきたのは小型艇ですので

  乗せられませんし、彼らも望まないでしょう。』

 「金か。そうだな。」

 『それにこの人数で基地を奪還なんて無茶もいいところですし、

  今後どうすればいいのか、少し話し合ってみる必要がありそうです。』

 「うむ。個人端末で連絡がとれると分かったし、何かあれば連絡をくれ。

  こちらも状況が変わり次第連絡をする。」

 『わかりました。』

 「食糧の件は何とか考えてみる。」

 『ありがとうございます。』

 「亡くなった者らはわかるか?」

 『はい、こちらに持参した名簿に記載しました。』

 「ではそれを送ってくれ。よろしく頼む。」

 『わかりました。では。』


 ラスタラ地上には4つの市街があり、それぞれ平野部にあるメルキ市、沿岸部にあるホラ市、キド市、カム市と言う。

 軍の地上基地はメルキ市にあり、企業団地もその周囲に展開されていて、元からある部分も合わせてメルキ市はかなり大きな都市になっている。


 メルキ市が一番大きく、ホラ市はメルキ市から沿岸部にかけて発達した部分である。

 キド市とカム市はそれぞれホラ市から沿岸沿いを逆方向にたどった先にある。


 話に出てきたホラ市にある地上軍の倉庫というのは、ホラ市の港湾警備隊が市によって発足するまで地上軍が沿岸警備を行っていた頃に使っていたものだ。当時の小型艇や装備などが処分されることなく残されているが、もちろん誰もメンテナンスをしていたわけではないので、骨董品以下のものでしかない。


 ちなみに、ホラ市のは港湾警備隊。キド市、カム市にあるのは沿岸警備隊という。

 それぞれの市内の警察組織と共に、公務員として市に所属しており、どちらも自警団のような側面もある組織で、地上軍とは協調関係にある。

 地上軍は彼らに沿岸部を任せ、地上軍は平野部を担っている。と言えば聞こえはいいが、普通に警察組織がある以上は平野部で地上軍がすることはほとんど無いと言える。


 だが警察組織はスネア派も多い。そもそもメルキ市とホラ市がほとんど、スネア派の市長と議員ばかりなので、警察組織もそうなってしまった。

 しかし港湾警備隊はスネアに染まっていない。水産関係の企業にスネアの手があまり伸びていないためである。


 それはさておき。


 しかしまぁなんと便利になったものだとアルマローズ中佐は感心しながら、地上の彼らについて今後どうすればいいか、食糧が必要ということなら速やかに送らなければならないだろう、どうするか、と考えた。


 かと言って第147辺境警備隊いちよんななで使える艦艇など数隻ほどしかなく、宙域でそのような食糧輸送などできる人材も食糧の当てもない。リスーマのプラントから合成食品を入手して送るにしても、そこだってそんな急に増産などできようはずもない。仮に彼らの備蓄を分けてもらったとしても、それをどうやって持って行くというのか。

 ラスタラ地上へ降下するこちらの艦艇など、地上基地を押さえられている以上、いい的だろう。まさか宇宙軍を相手にするなんて無茶を地上基地を占拠している連中がやらかすとは思えないが、現状、地上基地を占拠するという行為自体に加え、たとえ反抗したにせよ士官らを殺害したという事実があるのだ、降下中の艦艇を攻撃しないとは言い切れない。

 である以上、うかつにただでさえ少ない人員と降下可能な艦艇をそのような任務に就けることはできない。


 またあの小娘に頭を下げるのか、と一瞬思ったが、もうそんな事を言っている場合ではない。それにこの基地を海賊から守ってくれたのも隣接宇宙港の管制室を反乱者たちから奪還してくれたのもあの小娘、いやもう小娘などとは言うまい、アルミナ中佐とその部下たちなのだから。


 アルマローズ中佐はちらと個人端末の時刻表示を見てから、アルミナ中佐に個人端末で連絡をしてみた。呼び出し音がしばらく鳴り、少し焦れてきた頃彼女が出た。


 『はぁい、何かしら?』

 「いま、お時間はよろしいか?」

 『長くなるお話なの?、ここは副艦長室だから問題ないわ。』

 「そうか。ラスタラ地上に送った調査員と連絡がついた。」

 『そう。それで?』

 「地上基地を追い出された63名と調査員たちは合流し、ホラ市の港湾にある

  軍の倉庫に避難したらしいのだ。」

 『そう。』

 「そこで彼らに支援したいんだが、何か方法はないかと相談したいと思って

  連絡をした。申し訳ないが手を貸してほしい。」

 『ふぅん。支援というのは喫緊きっきんに彼らが危機にあるという事なの?』

 「まずは食糧を買う金がないらしい。」

 『それなら第147辺境警備隊いちよんななから振り込めばいいじゃないの。』

 「振り込む?、そうか個人端末か。」

 『ところで第147辺境警備隊いちよんななはお金あるの?』

 「それを訊かれると辛いものがあるな。」

 『彼らにどれぐらいの期間、食べさせるつもりなの?、その後の彼らに

  稼ぎのあてはあるの?、地上基地の問題もあるんでしょ?、

  ラスタラ政府、と言っていいのか微妙だけれども、そこと切り離されて

  しまうと収入が見込めないわよね?、どうするの?』

 「待ってくれ、そう矢継ぎ早に言われてもだな…」

 『つまり当面の彼らの食糧をなんとかするぐらいしか無くて、その後は

  未定で何も予定が立たないというわけね。』

 「…くっ…、その通りだ。しかし!」

 『彼らを見捨てるわけには行かないからなけなしのお金を147のお財布から

  出すんだ、って?』

 「……。」


 アルマローズ中佐は渋い顔をしてうつむき黙ってしまった。

 言われたように当面はなんとか凌げるだろう、だがこの先の手がないのだ。アルミナ中佐はおそらく第147辺境警備隊いちよんななの財政を把握している事だろう、第一辺境防衛基地の設備を増設・改装するときに金銭面の話もした覚えがある。


 『そりゃあ見捨てるわけには行かない。それは分かるわよ。でもね、

  それを相談するくらいなら最初から全部任せるからなんとかしてくれと

  言えばいいじゃないの。』


 まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。彼らへの支援について相談に乗ってもらえればと思い、それだけで連絡をしたのだ。

 情けないがなんとかしてもらえるものなら正直なところすがりたい気持ちもある。


 「なんとかできるのか?」

 『そのために連絡してきたのではないの?』

 「そこまでは考えていなかった。」

 『当座を凌ぐだけでいいと?』

 「面目ない。」

 『あたしの仕事はね、この星系の平定なの。そこからはあなた方の仕事なの。

  その第147辺境警備隊いちよんななの長たるあなたがそんなことでは

  後のアスパラギン(この)星系を託せないじゃないの。

  顔をあげなさい、アルマローズ・マデッタ中佐。

  今のあなたの立場で言う事はひとつよ。』

 「わかった。万事よろしく頼む。」


 年少で同階級のアルミナ中佐に偉そうに言われたことなど気にならなかった。この者なら本当になんとかしてくれるのではないか、そんな気がして言われるまま頭を下げた。

 思えば最初に出会ったときにも頭を下げたが、あのときはそれほど大した心持ちではなかった。今はそうではない、縋る気持ちで心から頭を下げたのだ。


 『それでいいの。後は任せて。基地の運用管理訓練頑張ってね。』


 アルミナ中佐はそう言い残すと通信を切った。

 肩の荷が下りた気分がしたが、言われたように訓練に専念しなければならない。

 それだけではない、彼女の言う『平定後に託される』ということを思えばこの基地や地上基地の事だけではないと容易に想像がつく。今まで海賊スネア任せにしてきたツケがまとめてやってくるのかもしれない。

 そんなことを思い、すこし身震いがした。


 ふと卓上を見ると愛用のゼンマイ式置時計が止まっていた。


 ――毎日ゼンマイを巻いていたのに、忙しくて余裕がなくなっていたんだな。


 それほどここのところいろいろあり過ぎて、心の余裕を失っていたのだとようやく自覚した。



   *  *  *



 ゼンマイを巻いていると個人端末に着信があった。

 アルミナ中佐からの書面だった。

 『D8608型駆逐艦戦闘技術情報室より第147辺境警備隊へ一時金として貸し付けます。書類にサインして返送すれば即入金されます。入金先はアルマローズ中佐の個人端末です。これは第一辺境防衛基地改装の経費と共に、平定後合算して返却方法の相談に応じます。尚、地上との貨幣価値の格差については別途考慮致します。』と書かれていた。


 ――なんと手続きの早いことか。


 感心しつつ結構な金額の書かれた書面にサインして送付すると即、端末に入金された。

 そして調査隊のリーダーへそのまま一部を送金処理しておいた。

 すぐに彼からお礼の電文が返ってきた。


 ――まずはひと安心といった所だな…。

   あとは任せたぞ、アルミナ中佐殿。


 そう呟くと置時計のゼンマイの残りを巻いた。



 余談であるが、個人端末で基地間や惑星内外をやりとりするのは、もちろん亜空間通信を介するので当然それ相応の費用がかかる。通常の使用範囲でならば定額でしかも安く設定されているので通信費など一般的には気にもしないものだが、これはきっちり別枠として請求される。しかもかなり高い。アルミナ中佐はおそらく気にしたことは無いだろうが、アルマローズ中佐にとってはこの月の請求はあとで見て相当驚くことになるだろう。

 元海賊ラゴニア首領で現パラギニア宙域警備社のベンデルマンも、こちらはアルマローズ中佐より経済的にやや苦しい立場であるので尚更だが、かなり驚くことになる。


 彼らが、そうそう気軽に個人が使えるような遠距離通信ではないという事を知るのは少し後の話だ。もちろん所属団体でそれら費用を持つのだが、あくまで請求は個人端末の所有者に来るのだから。



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読んで下さってる方、いらっしゃるんでしょうか…?


201502092340 当面→当座 訂正しました。

20150211---- 一部の語尾を修正しました。

201502131617 いい勉強なる→いい勉強になる 訂正しました。うぅ…。

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