バカップルの日常
たまにはこう言う馬鹿みたいな話も良いよね!!
「ねえ、今日も好きなんだけど、どうする?」
「……今日もって、昨日もその前も言ってたじゃん」
「うん。でも今日は昨日よりも“すき”が5%増量してる!」
「何その微妙なパーセンテージ!?」
「つまり、もう手遅れってことだよ」
「手遅れって何!? 私まだ死なないよね!?」
そんな朝のやりとりから、私たちの一日ははじまる。
私は朝比奈結衣、
隣にいるのは、私の彼女――水瀬なつき(みなせなつき)。
バカップルです。
自覚あります。
でも、楽しいからいいんです。
「なつきー、これプリント」
「ありがとー。ゆいちゃんの指、かわいい〜。指ごと保管したい〜」
「やめて!? 指はこれからも使う予定があるからやめて!!」
「じゃあせめて小指だけ……」
「一番ラブに使う指じゃん! もっとだめ!!」
朝のHR前の会話がこれ。
もちろん周りの子たちは慣れてる。
「またやってるよ、バカップル劇場」
「むしろあのふたり、いつ付き合い始めたんだっけ?」
「いや、入学前からだよ。中学の卒アルにラブレター挟まってたって噂」
「それマジ?」
マジです。
中学三年の卒業式、下駄箱に入ってたラブレターは、
「好きです。これからも一緒にバカやってください」って書いてあった。
あれから三年。
今も一緒にバカやってます。
昼休み。
「ゆいちゃーん! お弁当交換して!」
「ちょっと、なつきの方が豪華なんだから損じゃん!」
「いいの。私の唐揚げとゆいちゃんの卵焼き、愛の交換だから!」
「何その言葉の魔法! 卵焼きだけじゃなくて心まで持ってくつもり!?」
「もちろん!」
「ちくしょう可愛いな!!」
「ゆいちゃんも可愛いぞ!!」
「最高か!? お互いしか褒めてないけど最高か!?」
「世界で一番可愛いふたりだよ!!」
「あ〜〜!! もう好き!!!」
唐揚げと卵焼きを交換しながら、ふたりで机に突っ伏して悶絶する。
周囲からはため息と笑い声が聞こえるけど、気にしない。
だって私たちは、お互いの存在が青春の最強チートなんだから。
放課後。
「なつき、今日はどうする? 勉強? カラオケ? それともイチャイチャ?」
「うーん、全部やりたいけど、時間は有限だからね。
まずはゆいちゃんのほっぺにちゅーしてから考える?」
「いやいや、駅前でいきなりスキンシップはちょっと!」
「じゃあ人のいない路地で!」
「逆に危険!!」
「じゃあ帰り道、手繋ぎながら“すき”100回言い合おう?」
「はいもう採用。神案すぎる」
「でしょ?」
帰り道、手を繋ぎながら言い合った。
「すき」
「すき!」
「だいすき!!」
「宇宙一すき!!」
「むり〜〜!! しあわせ〜〜!!」
最後はふたりで公園のベンチに座って、
たわいもない話をして、アイスを半分こして、
見上げた空がピンクに染まる頃――
「ねえ、ゆいちゃん」
「ん?」
「明日も、すきって言わせてね」
「うん、毎日言わせる」
「じゃあ、来世も言わせて?」
「よし、じゃあ今から1000年分の“すき”貯金しよっか」
「一生分じゃ足りない〜〜!!」
たぶん私たち、
恋愛の神様から見たらアホなカップルだと思う。
でもこのアホさが、たまらなく愛しい。
だってなつきがいてくれるだけで、
毎日が100点超えだから。
そして明日もまた、教室で。
「ねえ、今日もすきなんだけど、どうする?」
「はいはい、逮捕しま〜す。バカップル罪で〜」
「でも一緒に牢屋入ってくれる?」
「当たり前でしょ、バカップルだから」
「すき!!!」
「私も!!!」
こうして私たちは、
世界でいちばん幸せなふたりを更新し続けるのでした。
やっぱり今日から朝7時投稿心掛けます




