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掃き溜めに鶴

 チェルトーザの紹介により、アリストたちは考えられないような豪華な宿屋に宿泊する。

 従者役の三人も今回ばかりはそれなりの部屋となり、食事もそれなりのものを口にできた。

 そのため、三人のチェルトーザに評価は爆上がりである。

 曰く、あの無礼者の集まりであるアリターナの爵位持ちの貴族とは思えぬ立派な見識を持つ素晴らしい男。

 もっとも、チェルトーザが敬意を払ったのはブリターニャ王国第一王子であるアリストに対してであり、賓客の従者にも気を配る度量を見せるために三人に対してもそれなりの部屋を用意するよう宿屋に指示を出してだけである。


 いつもどおり三人一室ではあるが、快適な部屋でひと休みしたところで、ファーブたちはアリストやフィーネとともに勇んで宿屋に併設された食堂に出かけた。

 だが、さすが一流の宿屋に併設された食堂。

 彼らが出入りする食堂とは客層がいつもとまったく違う。

 当然きれいとは言い難い服を身に着けた三人の場違い感は否めない。

 もちろんそれは他の客たちの冷たい視線として彼らのもとに無言の声としてやってくる。

 多少なりとも羞恥心がある年長者ふたりはそれに気づき、目の前のものを腹の中に詰め込んだところでもうひとりと酒瓶を抱え大急ぎで部屋に戻る。

 このような場にふさわしい服を用意しないアリストに対する不満を大声で申し立てながら。


 そして、持ち込んだ大量の酒瓶、その半分ほどをカラにしたところで、ようやく戻ってきたアリストとフィーネに三人は尋ねる。

 これからどうするのかと。

 それに対して、アリストはこう答えた。


「もう何日か休養を取った後に向かうのはアグリニオン国」


「せっかくアリターナまでやってきたのです。アグリニオンの状況も確かめておきましょう。まあ、できることなら、この前の答え合わせが出来るだけのもの手に入れたいですし」

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