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二日目の婚儀も滞りなく行われた。
異国のフルーツがおいしい。
「海を渡ってくるそうよ」
とサイカ姉様が教えてくれた。
こういう行事があると、私はたいてい父様の脇にいたのだけれど、もう紅山の来賓として招かれているから末席だ。お山としては力があっても私が末娘だから仕方ない。コットも気にしていないようでよかった。
ベルダ姉様の旦那様は歳が上だからそういうことが気になるみたい。サイカ姉様とアレック様が上座にいることが気に入らないご様子。
かわいい女の子が私たちの席にやって来て、コットにダンスを申し込む。
「戴冠式の際、私と踊ってくれたことお忘れですか?」
「覚えているよ」
コットが困り顔になるから、
「いってらして」
と私は答えた。
「私の妹です」
とサイカ姉様の旦那様のリュール様が言った。
そしてもう一人の妹の手を取って、踊りに行った。
「リンネットの旦那様と踊ってるのがウスでリュールと一緒にいるのがスメ」
とサイカ姉様が教えてくれる。
「二人とも美人ね」
「顔だけいい家系なのよ。顔だけね」
とサイカ姉様が強調する。
父様が若い女性を連れ立っている。よく見たら、いとこのハサだった。父様の弟の娘で、まだ二十歳にはなっていない。
「フレディが結婚となれば、もううちで結婚できるのは彼女だけだもの」
とベルダ姉様がやってきて言った。ベルダ姉様の旦那様の姿はない。
私はコットを見つめてしまうのに。
いいな。軽やかに踊れることではない。コットと踊れることが羨ましい。コットが他の女に人の手を取るだけで嫉妬してしまう。どうして姉様方は平気なのだろう。
フレディも。この席の主役を気取って笑っていられる根性を知らぬ間に身につけていた。見習わなくては。
エリー姉様も私の席に来て、義母たちへのお土産を思案中。
「大変ね。うちはそれがないからよかったわ」
とベルダ姉様が言う。
「リュールのおばあ様がまだ生きているけれど、ボケてしまって大変だからって隔離されているわ。もう自分のこともわからないみたい。訪ねるたびに何かくれるのだけれど、次のときにそれをつけて行ったら泥棒呼ばわり。だからもう誰もおばあさまに会いたがらないわ」
サイカ姉様も桃山の家族に苦労している。




