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私を好きって本当ですか? ~自己肯定感の低い私が結婚したら幸せすぎでした~  作者: 吉沢月見


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 蒼山の婚姻式は一週間、歌って踊って食べるが繰り返されるが、イリハさんが後家ということもあって二日に短縮。あからさますぎて、先方はいい顔しないのではないだろうか。


 それでも既に妻の実家に長居するのはうんざりという顔を姉様の旦那様たちはしている。

 退屈なのだろう。ベルダ姉様の旦那様には愛人がたくさんいて、サイカ姉様の旦那様には妻がいる。


 エリー姉様の旦那様は薄い顔。薄い顔のことを塩顔と例えるらしいけれど、塩ってしょっぱい。夫婦仲は良さそう。というよりも、エリー姉様が甲斐甲斐しく料理を取ったり、尽くしている。


 ベルダ姉様は今日も口元に扇を当てている。歯を抜かれるなんて痛かっただろう。きっと間抜けな顔をして妻が浮気をしないようにという考えなのだろうが、夫は今も他の若い女の子ばかりに目を向けている。


 サイカ姉様の旦那様は美男子。でも二人はちっとも会話をしない。お互いにそっぽを向いている。


 他のお山の男の人もたくさんいるけれど、かっこいい人は確かにいるけれど、やっぱり一番好きなのはコットだなと思う。コットはどうなのかしら。姉様のことは舞踏会で見ているが、他のお山のきれいな衣装の女の子をかわいいって思うのかしら。嫌だな。お髭をひっぱってしまいたい。


「パードリア4世、パタでもしにいきませんか?」

 とエリー姉様の旦那様に誘われる。


「行ってらして」

「うん。なにかあったら呼ぶんだよ、リンネット」

「はい」

 アレックさまとコットは棒を持って、玉を決められた穴に入れる遊びをしに表に出て行った。


 フレディと奥さんは座っているだけ。父は挨拶に追われている。


「ごめんねリンネット、うちの人じっとしていられない性分だから」

 とエリー姉さまがいなくなったコットの席に座る。

「いいのよ。コットもパタ好きなの。お城でもよくやってるわ」


「アレックは遊び自体は好きじゃないの。早くうちに帰って畑に藁を敷きたいと思っているはずよ」

「当主自ら率先して動くなんて立派です」

 真面目な一族だとコットも話していた。


「でもケチケチよ。夏なんて川で水浴びばかりでちゃんとしたお風呂は週に一回だった。苦痛だったわ」

 青のドレスがエリー姉様に似合っている。そういうところにはお金をかけるのだろう。宝飾品も古そうだが、値が張りそう。涙型の薄紫の首飾りが一番高そう。


 いや、違う。

「素敵な腕輪ですね」

 宝石よりも細工に目が行く。

「うちは指輪じゃなくて腕輪なんですって。邪魔だからこういうときにしかつけないけど」


「桃山はこの指輪。亡くなった前皇后のものらしいけど、これをつけてからろくなことがない。呪われてるんじゃないかしら」

 とサイカ姉様が旦那様に聞こえそうな声で会話に加わる。旦那様のリュール様はどこかのお山の女の人に誘われてダンスに行ってしまわれた。


「まあ私らの結婚だって誰かの陰謀だったりするわけだからね」

 ベルダ姉様は酒ばかり飲んでいる。

「そうよね」


 この中で幸せなのは私だけ? そんなことはない。幸せの見つけ方が違うだけ。

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