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私を好きって本当ですか? ~自己肯定感の低い私が結婚したら幸せすぎでした~  作者: 吉沢月見


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 コットと一緒にお風呂に入ったときに、

「実はサイカ姉様どころかその夫らしき人も見なかった」

 と言った。


「なぜ?」

「戴冠式だから女王が主役なんだろうけど、その兄弟までもその場にいないっていうのはおかしい」

「反乱?」

 と私は口走っていた。


「そういう感じでもなかった」

 兵の動きや配置でコットにはわかるのだろう。


 父は私が生まれたときから王だった。コットも出会ったときから王だった。フレディが王になるとき、私は疑問を抱くのだろうか。


 父様も宰相のゲイローから報告を受けているのかしら。王になりたい人ばかりではない。しかし殺戮の話は幼少の私の耳にも届いていた。王位とは、人を惑わすものではないはずだ。この足だからなりたくないのではない。私には荷が重い。その運命ではなかっただけのこと。



 お風呂上がりに廊下で父様と出くわしたら振り返って、声もかけずに行ってしまった。

「うちには夫婦が一緒にお風呂に入る風習ないから」

 夫に抱きかかえている娘を見たくないのだろうか。父親心はわからんから無視。


「謝罪したほうがいいのか?」

 コットは私の部屋に戻ってもオロオロ。


「父様のことなんて気にしなくていいわ」

 私は顔にいろいろ塗りたぐるけれどコットはなにもしない。


「しかし…」

「いいのよ。私の幸せが父様の幸せでもあるの。だから父様はあなたに私を託したのよ。それよりコット、抱いてほしい」

「え?」

 と躊躇するくせに、私が夜着を脱いだら触らずにはいられないらしい。


「あんまり声を出さないようにするから」

 あなたに満たされたい。あなたを幸せにしたい。


「わかった」

 寂しい私を一掃してくれる。孤独と幸福は正反対のようで近しいのかもしれない。


「コット、どうしよう。体が動いちゃう」

 過去の私、がんばってくれてありがとう。あなたが死にたいって思った数以上に幸せだなって思いたいから、こうやってコットにたくさん抱いてもらう。


 これって上手になったりするのかな。

「リンネット、泣いておるのか?」

「ええ。もう少しそのまま、止まらないでコット」

 気持ち良すぎても女は泣くの。幸せすぎても。

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