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私を好きって本当ですか? ~自己肯定感の低い私が結婚したら幸せすぎでした~  作者: 吉沢月見


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 蒼山の父には宰相がいて、政治のことは右大臣と左大臣もいた。コットは全部やっている。すごいなって思ってるわ。確か桃山には閣僚なる頭のいい人たちが集まっているのよね。エリー姉様が嫁いだ霧山はわからないけれど、ベルダ姉様の金山には政府という機関があるらしい。


 コットは偉いわ。


 私は書物を読むのは嫌いじゃないけど、長い小説とか歴史は苦手。花の名前を一番知っているのはサイカ姉様だった。ベルダ姉様は走るのが速くて、エリー姉様は巨乳。私に特技なんてあるのかしら。

 王妃だから掃除も洗濯もさせてくれない。蒼山のときはサシャが手伝わせてくれたのに、こっちでは料理くらい。


 暇だから空を見上げながらコットのことばかり考えちゃう。私にもあった、得意なこと。コットを手なずけることだった。

 だってコットは簡単なんだもの。私が笑っていれば機嫌がいい。


 仕事で出かけているはずなのに単独で馬を走らせて帰ってくる。

「リンネットが見つめてくれるなんてお昼に戻って来たかいがあったな」


 コットが体も大きいからコット用の馬も大きくて、王様なのに一人で帰ってきてしまったらしい。

「遠出だったの?」

「ああ、彦山まで。特産のハチミツだよ」


 彦山は紅山より北の小国。珍しいものがたくさんある面白いお山だ。楽器をたくさん作っているのに他国には輸出したことがないからコットに間に入ってほしいようだった。

 私以外にも信頼されているのね。


 私は外で昼食の予定だったから、慌ててコットの分が用意される。

「ありがとう。もらったばかりだけどこのパンにつけていい?」


 ハチミツは私が知っているものより色が濃い。

「もちろん」

「蒼山ではね、もらったものをその場で開けるのは不作法とされたわ」

「そうなのか? もっと早く言ってくれ。うちはすぐに開けたほうが相手方が喜ぶと思っているからベルダ様にもらったものを出してしまったぞ」

「ベルダ姉様は気にしないタイプよ」


 ハチミツって一度垂らすとやめ時がわからない。

「妻のために夫が出先で買ってきたものだ。どうぞ、お食べなさい」


 馬小屋のほうが騒がしいから今頃コットの護衛たちも戻ってきたのね。

「コットも食べるでしょう? うーん、色だけじゃなくて味も濃いわ」


 コットも最近はキュリナに髪を切ってもらっている。ツンツン頭なのよね。嫌いじゃないけど、王様なのだからこうぐるんとカールしたり、フレディみたいにいかにも王子も悪くないわね。

 私って、比較対象が家族しかいない。


 コットの護衛たちが私に気づいて手を振ってくれる。私は振り返すけれどコットが顔を出すとみんなそそくさと逃げていった。

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