表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を好きって本当ですか? ~自己肯定感の低い私が結婚したら幸せすぎでした~  作者: 吉沢月見


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/126

72

 しばらくして金山へ嫁いだベルダ姉様から手紙が届いた。


『前歯を二本、抜かれました。

 金を採掘するために山に爆薬を仕掛け幾人もの人が死んでおります。ドカーンドカーンと不穏な音が響き、眠れません。

 頭領は前妃が亡くなったために私を娶ったようです。愛人は多いようですが、私を血筋だけで選んだと申してます』


 世の中って、不公平だ。私の幸せをわけてあげたい。


 コットには話せなかった。それでも夜中に私の寝返りが増えるから、

「リンネット、心配事か?」

 と抱き締めてくれる。


「あなたと結婚できてよかったわ」

「俺もだ」

 夢の中でも抱き合っていることさえある。まだコットの妻になって一年にも満たないのに。

 そのうち、蒼山にいた時間よりもここで暮らす方が長くなるのだろう。コットを好きな時間が増えてゆく。私が生きるということはそういうこと。


 たぶん他の夫婦よりも仲がいいのは私の足のせいかもしれない。頼らざるを得ない。

 寒くなってきたからトイレが近くなる。杖で移動するにもカトに乗るのも時間がかかるから、

「コット、トイレ」

 と運んでくれるようお願いする。


 さすがに放尿シーンまでは見ないで戸を隔てて待ってくれる。

 普通ではないのだろう。まして王と王妃だ。


「寒いからベッドに戻ってもう少し寝よう、リンネット」

「うん」

 私は足の指先が冷たいけど、コットは体全体が熱い。


「あなたのおかげでアンカいらずだわ」

「アンカ?」

「石を温めて布に包むの」

 コットは知らないようだった。雪が少ないということは蒼山よりも寒くないのかもしれない。いや、気温はこっちのほうが下がると聞いているから暑がりのコットが単に知らないのだろう。こんなに温かければアンカの必要がないのだ。


 コットと同時に欠伸をして、二人でくすっと笑って、特に会話もせずにそのまま眠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ