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次の日は少し熱っぽくて、そのまま寝ていた。
コットが金山から帰ってきたのは夕方。
「リンネット、遅くなってすまない。具合が悪いそうだね」
と額をくっつける。
「だめよ、コット。変な病気だったらうつってしまうわ。あなた王様なんだから、自覚を持って」
そういう常識だけ欠けている。
「ああ、わかったよ」
「ベルダ姉様の結婚式はどうでしたか?」
私は尋ねた。
「長いベールでお顔はよく見えなかったが、他のお山の人もたくさん集まっていた。エリー姉様夫妻も来ていたぞ。うちに寄るように伝えたのだが霧山は遠いからな。リンネット宛に手紙を預かった」
と机に置いてくれた。
「ありがとう」
「読むのは明日にして今日は寝なさい」
「はい」
私はあまり出かけないし、ベルダ姉様の結婚式ということで緊張もしていたのだろう。
せっかくコットと初めての公務だったのに。他の姉様たちの結婚式には出られなかったから楽しみにしていたの。エリー姉様とフレディとの再会も。
蒼山の父様が私をあまり外に出さなかったのはみっともないと思っていたからではないだろうか。大事にしていたのは表向き。
だってコットは、私を抱えて出かけたがるもの。
「湖を見に行こう」「花がきれいだよ」「プラムだ、取ろうか?」
そんな理由で出かけてくれる。
ベルダ姉様にお詫びの手紙を書かなくては。




