68
数日後、様々な準備をしてベルダ姉様の結婚式のためにコットと出かけたのはいいけれど、途中で私の関節に激痛が走る。
「足痛いかも」
馬車を止めさせてしまった。
「どちらだ?」
「左」
コットがさすってくれる。
「標高が関係あるのか?」
「わからない。高い山に行ったことないもの」
同行していた医師のハイエツが診てくれたが、わからない。
「痛み止めの注射はありますが一時的なものです」
「向こうに行ってひどくなっても困る」
とコットが俯く。
少しその場にとどまってみたが症状は変わらない。だからコットだけ婚儀に出席することになった。
「俺は馬で行くからリンネットはこの馬車で戻りなさい」
王なのにいいのかしら。でも私一人では馬に乗れないし、誰かと乗ったらまたコットは死罪とか言い出すだろうし。
「悪いわね、コット」
言いなりになって帰ることにした。このままではコットが金山に着くのが遅れてしまう。
「リンネットの親族なら私の親族だ」
と私を抱き締めた。
「ありがとう」
そんなわけでハイエツが私の馬車に乗り、数名の護衛と共に城へ戻ることにした。
コットは本当に優しい。夫として満点だわ。正しいし、情勢にも詳しい。私もそれに見合うように学ばなくては。
紅山に戻って温泉に入れば元通り。
なんだったのだろう、さっきの針を差したような痛みは。高低差の問題なのだろうか。足の付け根の関節がぎゅっとされた気がした。
コットのいないベッドは広い。
今頃、宴の時間ね。コットはお酒飲みすぎてないかしら。フレディとはどんな話をするのだろう。ベルダ姉様、どんな支度なんだろうか。
夜、アンナとキュリナが交替で私を見回りに来てくれた。私は幸せな王妃だ。




