表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を好きって本当ですか? ~自己肯定感の低い私が結婚したら幸せすぎでした~  作者: 吉沢月見


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/126

51

 人の心配をしている場合じゃなかった。


 紅山は蒼山よりも暑い。日差しが強い気がする。


「暑い。エリー姉様が手紙に書いていたかき氷ってどんなものかしら? 夏なのに氷って? 甘いらしいけど」

 シロップがどうとか書いてあった。果物を乗せて食するとか。

 氷を貯蔵しているのかしら。


「甘い汁ならそなたのでいい」

「コット、それどういう意味?」

 と私が聞いてもコットは答えてくれなかった。


「では、仕事に行ってくる」

「いってらっしゃい」

 王妃っぽく見送りたいのにコットがぎゅっとして離してくれない。髪を撫でてくれるのは嬉しいけれど、そろそろごわごわ。切り時ね。


 そんなわけで、街へ出てみました。


 コットがいないからバーリーさんに許可を取って、トルル元大尉ともう一人護衛、更にアンナまでついてきた。


「馬車なら安心ね」

 紅山の街へ出向くのは初めて。


 お城は立派でも城下はまだ小屋の店が並んでいる。中には木や石の清潔そうな店もある。


 キャンディ屋さんもある。あっちは果物屋さんに桶屋さん。


 アンナが美容室を探しておいてくれた。


 アンナもだけれどこちらの女性は外出時、髪を帽子の中にまとめてしまう人が多い。髪の色はオレンジかオリーブ。私はオレンジでコットも暗めのオレンジ。私たちの子どももきっと同じような色になるでしょう。霧山は黒が多く桃山は茶色が多いと聞いたことがある。蒼山は紫や黄色、赤茶と様々な人が混在していた。


「失礼します」

 こういうところに不慣れなのは私だけではなかった。アンナも護衛の二人もしゃれた店内を見回すばかり。


 城勤めの真面目な人は盛り場へ遊びに行かないのかしら。カフェにも行ってみたい。


「いらっしゃい」

 店主なのだろうか。彼女の谷間に私の目が釘付けになる。お城に巨乳はいないもの。姉妹の中ではエリー姉様が一番だった。それをはるかに上回るボリュームだ。


「髪を切りたいのですが」

 私は言った。


「どうぞ。どんな感じに?」

 促されて私は椅子に座った。


「あまり切りたくはないのですけど潤いもないので」

 店主が私の髪を雑に触る。


「そうね。温泉好きでしょう?」

 そんなことまでわかるのね。

「はい」


「痛んでるところだけ切って、重たい部分を透きましょう」

 お任せにした。

 私たち以外に客はいない。店には鏡があって、通りをゆく人々が見える。暑いとノースリーブにレースを羽織るのがこちらの流儀なのかしら。それとも流行りなのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ