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私を好きって本当ですか? ~自己肯定感の低い私が結婚したら幸せすぎでした~  作者: 吉沢月見


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 私がいないとコットは王様なのに自ら城中を探すらしい。


「リンネット、こんなところで何を?」

 コットが来ると私以外は手を止めて跪礼しようとする。


「遠征に持ってゆくパンを作っていたの。会えなくてもあなたが私の作ったパンを食べてくれたら嬉しいなって。試作よ。はい」

 あーんしてあげる。


「おいしい」

「やだコット、ついてる。見て、ジャムも作ったのよ。あったかいジャムは作りたてじゃないと食べられないから、どうぞ」

「うん、うまい」

 コットは私を怒らないであとで周囲に不満を漏らす困ったちゃん。


 普通の王妃と違ってあなたの出迎えができないんだもの、パンくらい作らせてよ。

「文句があるなら私に直接言ってください」

 夕飯のとき、コットに言ってみた。


「リンネットは男と仲が良すぎでは?」

「触ってませんよ」

 法律は守っている。


「そういう問題じゃない」

「あなたしか好きじゃないの、わかってるでしょ?」

 そうは言っても、紅山はいろいろ男女の差が蒼山よりも厳しい。しかしやはり体が悪ければ人を頼らざるを得ないことは承知したようで、状況によっては死罪ではなくなった。まだまだ説得の余地ありだわ。


 私を怒れない代わりに隙を見てはキスをする。苛ついているのか、愛されているのかよくわからない私にラティウス料理長が嬉しいことを言ってくれた。

「食に興味がなく、いつも怖い顔して食べていた王とは別人のようですよ」

 と。


 ねえコット、次はいつ出かけるの? 長い? 怪我しない? 


 聞きたいけど、聞いてしまったら私がうっかり漏らしてあなたの命を危険にさらすかもしれない。だから、

「コット、抱いて」

 とまだご飯の途中なのに言ってしまった。


「君は髪まで柔らかいんだな」

「すいません。私から求めてしまって。はしたないですね」

「いや、嬉しいよ」

 私が嬉しいのはね、あなたが健康で、こうして私の近くにいることよ。痛いくらい強く抱きしめていてほしい。キスをやめないで。


 真夜中、ふと目が覚めたらコットが手を握っていた。大きな手があったかい。サイカ姉様、私は幸せです。いかがお過ごしですか? 

 幸せ自慢をしたくなくてこのところ手紙を送っていない。姉様がこうして私と同じように夜空を見上げていないことを祈ります。


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