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フレディに助けを求めるべきだろうか。
それも大事になるに決まってる。
私の足さえ普通なら、ひょいっと会いに行けるのに。でも、この動かない足が私の普通で、だからコットに見初めてもらえた。
返事に困っていたらサイカ姉様からまた便りが届いた。
『リンネット、元気?
あなたに弱気な手紙を送ってしまったことを後悔しています。
元気じゃないけど、慣れました。
というのも、先に妻だった二人が気さくな人たちで、一緒になって夫の悪口ばかり言っています。
夫は顔はいいのですが、家のことにもお山のこともほったらかしの無能です』
この間の手紙よりもほんの少し文字が大きくて読みやすい。楽しいが伝わる。そうだわ、姉様は悪口が大好物なのだ。きっと自分の不幸も楽しく語らっていることだろう。
『サイカ姉様が元気そうでなによりです。
こちらで採れた笹茶を送ります。従者のアンナが言うには便秘に効くらしいですよ』
蒼山にいたとき手紙は糊で封をした。紅山は蝋のようなもので閉じる。
笹茶のお返しは黄色い実がぎっしりのものだった。
「コット、これなにかしら?」
初めて見る。コットが慣れた手つきで皮を剥く。
「野菜の一種だよ。焼いてもいいし、茹でてもいいんだ。このヒゲはお茶にもなるし」
「あなたって博識ね」
知らないことがないのではないだろうか。
「妻のことはわからないがね」
「わかってるでしょ?」
「わからんよ。教えておくれ」
そう言って長いキスをした。
確かに、私もあなたのことわからないかも。でも不安はないの。
「コット、苦しい。髭も痛い」
「ごめん」
「王様のあなたに謝られるなんてきっと私だけね」
「あはははっ」
あなたの豪快な笑い方、好きよ。




