表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を好きって本当ですか? ~自己肯定感の低い私が結婚したら幸せすぎでした~  作者: 吉沢月見


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/126

32

 嬉しかったのはカトが見つからないからとアンナの弟が特別な杖を作ってくれたこと。


 町医者の見習いらしい。

「いいですか、王妃。この二本の杖をそれぞれ脇に挟みます。そしてここを持って、前進する。体重をかけてしまって大丈夫です。はい、どうぞ」


 幾度か調整して、試作を使い始めたところ。心配そうにコットがにらみを利かせているし、アンナはいつもの不愛想な顔が更に顔が青白くなっている。


「ええと。あ、歩ける」

 人の肩を借りるよりもスムースだ。


「そうです。右足は問題ないとのことなので。怖いでしょうがこれを支えにしてなるべく左足にも力を入れてみる。歩く練習、つまりリハビリです」

 毎日したら一人で歩けるようになるのかしら。


「わかったわ、やってみる」

 コットが頷くとアンナはようやくほっとした顔を見せた。


 その杖のおかげでトイレも一人で行けるし、エンカにもいつでも会いに行ける。ぬかるみは滑るから晴れの日限定ね。


「すごいわ。ありがとう、アンナ。弟さんにもそう伝えてね」

 カトよりも邪魔じゃないし、人手もいらない。これ、すごく便利。


「ありがとうございます。この度のことで王様からお金をいただいて、医者の勉強が続けられると喜んでいました」

 アンナのお給金だけではそれはむつかしいのだろうか。


 私があげたいけど、お金は持っていないのよね。

「医者もいいけど発明家になったら? これ、売れるわよ。ここを調節したら長さも自由にできそうじゃない?」

「ハイエツに伝えます」


 うちのお山にも足を悪くしたおじい様がいたから設計図のようなものを描いてくれないかしら。私がこんなに重宝しているんだもの。


 おかげで私は時間があれば歩く練習をした。嫁ぐまで紅山のことはよく知らなかった。お城の人たちは従者だから当然私に優しい。コットに媚びへつらう人たちが私にすり寄ってくることはなかった。そんなことしたらコットの逆鱗に触れるってわかっているようだ。怒りっぽいのにコットは私にだけ優しい。


 蒼山にいたときも暇だった。紅山には写真を束ねた画集という本がある。雨の日はそれを見て時間を過ごす。晴れの日はリハビリを続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ