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神道戦記  作者: 前野圭祐
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悪しきシャーマン



タケルは仲間たちとともに旅を続けていた。彼らが次に向かったのは、古びた村だった。この村には、人々を不幸に陥れるという「呪い」の噂が広がっていた。村の長老から聞いた話によると、村の周辺で頻繁に不審な出来事が起こり、誰もが恐れおののいていたという。


「どうしてこんな村が?」タケルは疑問を口にした。


「どうやら、ここには悪しきシャーマンが住んでいるようだ。」カグヤが答えた。「シャーマンの中には、神の力を乱用して他人に呪いをかける者もいるからね。」


タケルはその言葉を聞いて、眉をひそめた。「呪いをかけるシャーマンがいるなんて、そんなことが許されるわけがない。」


その夜、村で起きた事件の真相が明らかになった。村の若者が突然狂ったように暴れ出し、その後、姿を消したのだ。村の人々はその原因として、「呪い」がかけられたと信じていた。


「タケル、行こう。」烈が真剣な顔で言った。「このまま放っておけない。」


タケルは仲間たちと共に、そのシャーマンが住むと言われる山の中腹に向かった。山道を進み、ようやく古びた神社にたどり着く。そこに立っていたのは、黒い衣を纏い、冷徹な目をした男だった。彼の背後には、目に見えない何かが渦巻いているように感じた。


「お前が、この村に呪いをかけているシャーマンか?」タケルが声を荒げて言った。


そのシャーマンは、冷笑を浮かべながら応えた。「そうだ。だが、俺の目的はただひとつだ。力を得て、もっと強くなること。それが神の意志だと思ってな。」


「神の意志?!」タケルはその言葉に激怒し、炎の剣を構えた。「お前が神の力を乱用して、無辜の人々を苦しめることなど絶対に許せない!」


シャーマンは手をひらひらと振ると、周囲の空気が一変した。黒い霧が湧き上がり、周囲の植物や岩が不気味に動き始める。「お前のような奴に、俺の力が理解できるか?!」


突然、シャーマンの放った呪いがタケルに向かって飛んできた。その呪いは、炎や神気をも無効化し、身体を冷たく引き裂くような感覚を与えるものだった。


「まずい…!」タケルは一瞬身をよじってかわしたが、呪いが彼の肩をかすめ、冷たさが広がった。すぐにフリィが身を乗り出し、妖気でタケルを守るように立ちはだかる。


「もう一歩でお前も呪いにかかるところだったぞ。」フリィが言った。


「お前がやっていることは、ただの欲だ。人々の命を弄んで、強さを求めても、それは真の力にはならない!」タケルは振り絞るように叫んだ。


その言葉に、シャーマンは一瞬揺らぐような表情を見せたが、すぐに冷徹な目でタケルを睨みつける。「お前にはわからない。俺の苦しみ、力を求める渇望を。」


「俺にはわかる!力を求めることが、どれほどの孤独を生むかも!」タケルは叫び、体内の神気を全て解放する。炎の剣が燃え上がり、その熱を放ち続ける。


シャーマンは再度呪いを放とうとしたが、タケルは全身でそれを受け止め、炎の剣で呪いを断ち切る。そして、力を込めて一撃を放つ。炎の剣がシャーマンの体を貫くと、彼は地面に膝をついて倒れた。


「これで終わりだ。」タケルは静かに言った。


シャーマンはしばらく沈黙した後、弱々しく言った。「俺は…まだ、強くなりたかったんだ。」


その言葉を最後に、シャーマンは力尽きて倒れ、周囲の黒い霧も徐々に晴れていった。


タケルは剣を納め、深く息をついた。「もう、力を欲しがっているだけじゃだめだ。心を持たなければ、どんな力も本物にならない。」


カグヤが近寄り、タケルの肩に手を置く。「良くやった、タケル。でも、これで終わりじゃない。まだ、旅は続く。」


タケルはしばらく静かに考えてから、頷いた。「ああ、まだまだやらなければならないことがたくさんある。」


仲間たちと共に、タケルは再び歩みを進めるのだった。


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