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月の名所からの眺望

作者: 檸檬

小侍は身を潜めて水を飲む


滑稽に映る水面に浮かぶ自分の姿


時代の速さに驚愕する


小侍だって恋をしたみたい


心を燃やして恋をした


恋の前では小人みたいに無力で


この小刀も錆びてしまった


自業自得だからと意を決する


そんな時代はもう終ったはずなのに


終ったはずなのに


星屑たちの審判


道半ばでシリウスを見失い


倒れた大罪人


最後の夢かな


キラキラはチクチクに


私の心に刺さりゆく


ピラミッドの階段を昇る


自業自得だと 星屑たちの審判


そうだなと こくりと頷き


頭を垂れた


最後の夢に落ちていく


ピラミッドの砂は風に舞い崩れ去った


でもやっぱり、


チクチクはキラキラに見えた


ありがとう最後の大きな夢


私には大きすぎたか果てしない


ここは月の名所 桂浜


何年振りかに来てみた浜辺


小侍が最後に見た希の姿


太平洋は何もないような


果ての果て


龍馬像が夕日に照らされ 


金色を纏っていた


まるで あの人だ


もう一度 見られた


希の光


あの人に映った光


ここは月の名所 桂浜


何年振りかに来てみた浜辺


あの人を思って歩いた 踏みしめて


もう一度 洗濯して


あの人の中には何も無い

何かが残るはずもない そんな


太平洋が果てしなく


果てしなく 


浜辺で憩う人々の笑顔を


なおも儚く輝かせ


私は何故か泣きたくなった


風よ 許して


浜辺で走るにはもう


足が重くて追い付けないよ


風よ 運んで


言の葉は軽く舞うだけだから












 









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