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首の域  作者: しめさば
8/9

7

「君が招き入れたのか?」

部長が桜木に尋ねる。

血走った目に、桜木は怯んでしまった。

「い、え」

自分も殴り殺される。

その恐怖で、脚が震えた。

横柄な態度の警察官が臆することなく部長に近づき、落ち着いた発声で話しているのを見て、やっと身体の硬直が溶け、ベンチに腰を落とすことができた。

『純粋な人間では無かったようですね』

蒼月が言った。

『見誤るとは』

不覚、といった様子だった。


黄色い水溜りに半身の潰れた人間が寝転がっている。

破れた水袋のような人体。

体内には、機械仕掛けの部品らしきものが見えている。

波型の歯車が微かに動いている。

一方向にしか回らない、かえしがついた形状で、突起を越えるたび、ギリコギリコと耳障りな音が鳴った。


「署でお話を伺います。よろしいですね」

顔を上げると、先ほどの警察官が黒い目を桜木に向けて立っていた。

「はい」

立ち上がると、気分が悪かったことを思い出した。

その場で勢いよく、床に吐瀉物をぶちまけた。

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