運命ノ出会イナノ
俺が8歳の頃、友達と初めて人間の血というもの思い知った。目の前で何かに吊るされる男。
友達はその場で泣き叫び、吊るされる何かに怯えていた。しかし、俺にはその吊るされる姿が妙に美しく感じてしまった。
さび付いた鉄の匂い、鮮やかな血色、何かに集る無数の蠅。
今考えれば、俺の人生はそこから狂い始めた。
(もう一度、あの何かを見てみたい、、)
そんな感情を抱きながら、8年の歳月が過ぎ去った。
~8年後~
期待と希望という綺麗事を胸に、都立の有名F高校に入学。
入学早々、クラスメイト達は群れを作りはじめた。
その波に乗り遅れた俺は、いわばスクールカーストの底辺にいる。
学校のカーストは四段階になっていて、「スポーツ万能イケメン型」・「アニメ大好きオタク型」・
「クラスの端っこ担当型」・「いじめられ型」。
当然俺は端っこ担当。誰にも相手にされない陰キャ。
そんなバカげたものだと考えていると、初顔合わせの女に声をかけられた。
「藤峰君だよね!あの端っこにいる!」
(非常に失礼な女だ。間違いではないが。)
「そうですが、僕に何か。」
無礼な女に、半警戒態勢で身構える。
「君にね、私が美術部のお誘いをしてあげようかなーって。」
「いえ、興味ありませんので入れませんね。」
丁重にお断りをして、彼女の誘いを軽くかわす。
「えーでも、今人が足りないから君がいれば部活成り立つんだよね。」
「僕、メリットのないことしませんので。」
「まぁ、難しい事はいいからさ来なよ!放課後美術室ね!」
俺は言われるがまま、名前も知らないJK(?)から誘われた美術室に足を運んだ。
しかしこの時、この女との出会いが世界を変えるとは知るよしもなかった。