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ご対面

「メイ…」

「メイ様…」


ロベルトとエルガーの手が同時に差し伸べられる。

その場の三人が目を丸くして固まってしまった。

メイはその場の雰囲気で両方の手を取って、馬車から降りる。

比較和やかな組み合わせだが、どこで何があるかわからないものである。

こういうことがまた起こるかもしれないことをメイは考えていなかった。


自業自得…なのかしら?そんなに不適切な関わり方はしていないはずなのに…


「メイ様!」


しかも運悪く、それをリオンが見ていたようだ。

リオンは子どものようにメイに飛びつき抱き締めると、ロベルトとエルガーの手が離れた。


この前はもう少し大人だったような…


「体調良くなったのですね?…もうお茶の準備はできているので、早く行きましょう!」


さらに二人から引き離すようにリオンはメイの手を引いて部屋に連れて行こうとする。


「無理強いはよくないないよ。」

「メイ様…リオンがすみません。」


ディルがリオンを諌め、シオンがメイに謝った。


チッ


小さな舌打ちがする。


「お茶の準備をしてあるのでこちらにどうぞ。」


シオンに促され、屋敷にも劣らない豪奢な庭に案内される。


「凄いですわ!あぁ、見たことないバラまで!」


メイがはしゃぐ。


「あれ?リオン様から案内はされてないの?」


ディルがリオンの方をちらりと見ながら言う。

その嫌味にリオンの天使の笑顔が剥がれて来ている。


「リオン様はお忙しい中お会いしていただいていたので、お部屋でゆっくりお茶していたのです。」


慌ててメイがフォローに回る。


「へー部屋に連れ込まれていたの?」

「部屋?」

「連れ込まれ?」

「リオン?」


ディルの言葉にロベルトとエルガーとシオンが反応する。


「意地悪な言い方ですわ!」

「それくらいメイ嬢は言ってもいいんじゃないかい?意地悪されたんだろう?」


リオンの意地悪を思い出したメイが真っ赤になってしまう。


「何をされたんですか?」

「あれはリオン様だったのですね!」


エルガーとロベルトが騒いでいる。

メイはその間に、シオンのそばに近寄り謝罪する。


「重ね重ねお騒がせしてすみません。お見舞いに来ていただいだ際はお顔を見せることもできずに…」

「気にしないでください。メイ様がお元気そうで良かったです。こんなに賑やかなのは初めてなので嬉しいんです。」


少しはしゃいだように笑うシオンは花が咲いたように美しく、可憐で流石のメイも少し赤くなってしまった。


「シオン様…って可愛すぎです!」

「…私は男性ですよ。」


シオンね困り顔は顔立ちもあってか、美しさが際立つ。

伏せた目が長い睫毛で影を作り、アンニュイな表情を演出する。

メイは男性と知りながらもそれは手を差し伸べたくなるように庇護欲を掻き立てられた。


「兄上、顔が近過ぎますよ。」


シオンとメイの間にリオンが割り込む。


「それじゃあ行きましょう。」


リオンがメイの手を引いて屋敷の中へ連れて行く。

ふわふわと揺れる髪が少し高くなったような気がする。


私はあの時強がっていても本当は心細くて、その場から消えてしまいたかった。

だから、少し強引に私を連れ出してくれた時は嬉しくてワクワクした。

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