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終わりの後に

後処理をロベルトを任せ、メイは部屋のベッドに腰掛けていた。

ジッと見つめた窓には今だってルーカスの優しい笑顔が見えてくる。

目をつぶったって、張り付いている。


恋の終わりは中々綺麗にいかないのね。


一仕事終えたロベルトが一声かけて部屋に入いると、メイの隣座った。


「今だけルーカス様と思えばいい。」


ロベルトが穏やかな表情で手を広げた。

甘え過ぎなのも分かっている。

それでもメイはロベルトの胸に飛び込んだ。

メイはロベルトの髪を撫で、指で輪郭をなぞる。

ロベルト程は整ってなくとも目尻にシワを作って笑うところも、いつも上がっていた口角も、ツンとした鼻も好きだった。

ロベルトよりも線が細くて、少し頼りなさげな体格も、同じように優し過ぎて頼りない性格も全てが愛おしかった。

どんなにルーカスより魅力的な人が目の前に現れても、ルーカスのあの困ったように笑う顔が何よりも恋しかった。

来年からはそれも手が届かないものになってしまう。


「来年には…ルーカス様の結婚式には笑えているのかしら。」

「多分大丈夫。」

「長年片想いだったのよ?」

「これからは一人で背負っていくものではなくなるだろ。」

「そうね。」


気持ちを伝えて、お互いに答えを出した。

ルーカスはそのまま婚約者と結婚し、メイはそれを見送ると。


「たくさんの人に迷惑かけてしまったわ。謝りに行かなきゃ。」


ロベルトに寄り添い心臓の音を聴いてると心が穏やかになっていく。


「まぁ、私も付き添うさ。」

「ごめんなさい…」

「メイは忙しいね。無気力になったり、ヤル気を出したと思ったら全部放り出そうとしたり。」

「私には恋愛事は無理みたいね。今回みたいに混乱してしまうもの。」

「見合いも嫌、恋愛も無理か。」


呆れたように笑っているロベルトにメイは不思議な感じがした。


「勉学に励むから許して。きっとオリエッタ家の役に立つから。」

「嫁に行っても行かなくても、役に立っても立たなくてもオリエッタ家の可愛い娘だよ。」


ロベルトは他の人たちとは違う安心感がある。

それは彼がそういう雰囲気を出してくれているからだ。


「ロベルト様も私を甘やかすのね。」

「今はね。さあ、寝かしつけてやるから寝るぞ。」


ロベルトがメイを抱きかかえると乱暴にベッドに落とした。


「キャ!」

「はいはい、寝ましょうねー。」


まるで幼い頃からそうでもしていたように。

メイはまたルーカスを思い出してしまうようで眠れなかったが、ロベルトを早く解放できるように寝たふりをしていた。


「メイ…おやすみ。」


ロベルトがメイの頰に触れた。


「…好きだよ。」


彼もまたメイの為に気持ちを押し殺してくれていたのだ。


私がロベルトを好きになれればいいのに。


優しくて私のことを一番に考えてくれる人、私のたくさんのわがままを叶えてくれた人。

恩返しをしたいのに…まだルーカスが心の中にいる。

あと少しがどうしてもうまく行かない。

メイは今日もまたルーカスと幸せな家庭を築く夢を見た。

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