表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

実験台。

その日から僕は本当なのか気になっていた。


実験として誰かを殺さないといけないのか

でも恨んでいる人なら死んでしまったって構わないのかな……


「ふふ…」


不敵な笑みを浮かべた。


ここに誰かがいたら本当に気持ち悪がられるだろうな…






これから僕の復讐劇が始まるんだ…







次の日、弥栄に呼ばれ、人目につかなそうな校舎裏に来た。


自分が実験台だとは知らない弥栄を見て、ついつい笑ってしまいそうになる。


それをギリギリで抑えた。


「お前がやったんだろ。そろそろ白状したらどうなんだ?」「…」


「お前、森田の事相当恨んでたんだろ?動機はあるよなあ?」


「だからって、僕が殺したっていう確証は無いじゃん」


「口答えすんのか」



左手で髪を引っ張られ、右手で顔を思いっきり殴られた。


口答えじゃない。ただの意見だ。


死んだ父親と一緒だ。何が口答えだよ。


自分が論破されるのから逃げたいだけのクセに。





都合がいい奴だ。





“でも”っていう言葉を聞いただけで口答えになるなんて。意味が分からない。


ちゃんと最後まで聞いてあげろよ。


大人だろ。


なにかと自分より偉い面する。


そのくせ不都合な事があるとその事実から逃げたがる。


本当に、都合がいい。



言ってみたらスッキリしそうだな。



言う前に死んでしまったけど。




いや、この実験が成功したら…




“僕が殺した”




となるのか。


間接的にでも。





ずっと髪を引っ張られていた事にようやく気付いた。





あ、そうだ。







死ねよ。






「なんだコイツ。ビクともしねえ…」



弥栄が髪を引っ張るのをやめた。気持ち悪く思ったのだろうか。



本当に死ぬのだろうか。そう思うと少し怖く思えてくる。








一週間後の事だった。


効いていなかったのか不安になりつつ学校に向かった。





途中、ふと、嫌な気を察知し、周りを見渡した。



「え…………?」


見てしまったのだ。





そこには、弥栄が横に倒れていた。


髪は全て抜け、口から血を吐いていた。


耐えられなかった。


吐き気が止まらない。


力を振り絞って警察に電話した。












自分が更に嫌になった瞬間だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ