一人目。
思わず笑ってしまった。
僕へのいじめの主犯格が、不慮の事故で死んだ
という情報が、緊急の全校集会で発表されたのだ。
ここで初めてそいつの名前を知った。
やっといじめから抜け出せる…
これで僕をいじめる人は消えた。
安堵してしまい、ついつい笑みがこぼれる。
その時は、怪しまれる事を気にせず、
ざまぁみろ…
そんな気持ちで笑っていたのだろう。
僕がこんなにひねくれた考え方を持つようになったのも、あいつが原因だ。
僕は悪くない。
その言葉で済ませた。
あいつが死んだ事を、少しでも喜んだ人は僕だけじゃないはずだ。
というのも、あいつはいじめに乗り気じゃない人にまで暴力を振り、強制的にいじめに参加させていた。
酷い話である。
これで、昔に戻る…まではいかなくとも、いじめを受ける事無く生活できるだろう。
安心感に包まれながら、体育館を出た。
「よ…良かったな…」
そんな言葉を数人に言われた。
いままでいじめられている現場を見て見ぬフリをしていた奴等なんかに、何がわかるんだ。
いや。
もしかしたら、あいつが脅していたのかもしれない。
「ああなりたいのか」
って。
今回はそう思う事にした。
いじめに強制的に参加させられていた人にも声を掛けられた。
「その…今まで…」
「すみませんでした」
土下座していた。
「いや…もう大丈夫だよ。お願いだから顔を上げて」
本当はそんな事思っていなかった。
このまま殺してしまいたい。
そう思っていた。
しかし、ここは自分を抑えた。
「お前、いい奴なんだな」
ハグまでされた。
久し振りに人に触れられる。正直びっくりした。
そこまでの誠意があるのなら、許してあげようと思った。
その後も謝られ続けた。
「もういいのに…」
そういっても、彼らは謝ることを止めないようだった。
僕はもう一人じゃないのかもしれない。
何故かそんなことまで思っていた。
これでまた、普通の学校生活ができるんだ…
しかし、そんな安心も、長くは続かなかった。
サブタイトル考えるのに10分かかります。
サブタイトルってなんだ('_' )