表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

第7話 罠と吸い込まれた3人

2年2組は次々と出てくるモンスターを倒しながら先に進んで行く。


「この先は随分とモンスターの数は少ないね?」

「たしかにね」


弓矢を持つ金髪の少女はホーミングのスキルを持つ原野栞はらのしおりと、その親友で少しふくよかな少女で同じくホーミングスキルの本宮順子もとみやじゅんこ


「だが、油断はするな。また何か仕掛けがあるかもしれないからな」


ジドフが警戒は怠らないようにと周りに注意する。しかし池原達は聞く気にはなれなかった。


「たく…騎士団長だが知らねぇが、うぜぇおっさんだな?」

「全くだな。偉そうにして」

「ほんとほんと」


などと少し悪口を吐いたりする。それでも進み続けると、少し広い空間に出てきた。


「なんだか広場みたいなところに出たな」

「いやいや、こういう場所に…はっ!?」


すると地面からムカデのモンスターとモグラのモンスターが10匹出てきて襲い掛かった。


「まだ出たぞ!」

「よっしゃ!また暴れるぞ」

「待て!ここは獅子谷を中心にタイミングを見て一斉攻撃だ。」

「分かりました!」


ジドフの指示で遠距離攻撃が得意なメンバーはさっそく横に並ぶと


「エレメンタル・ウィンド&ウォーター!」


さっそく誠司の攻撃から始まって、後から横森の疾風や原野と本宮のホーミングで強化された矢など遠距離攻撃が続けられ、さらに池原もモンスターの足元を爆破したりする。

それでもモンスターは次々と湧いてくるのでキリがない様子。


「クソ…まだこんなにも」

「マズイな。ここはひとまず」


次の瞬間、まるでなんか破ったかのような大きな音が鳴り響くと、モンスター達は音に驚いて一斉に逃げたす。しかし今度は目の前に次元が切り開いた穴が出現した。しかも穴は凄い吸引力で辺りの物を吸い込み始める。


「なっ、なんだ!?」

「まさか罠か!」

「吸い込まれる…早く逃げないと!」


危険だと感じて全員は逃げ出そうとした。真汰も


[これは罰だ。ちょっと、かかってやるか]


などと池原は真汰の足元を少し爆発させた。


「うわっ!」


突然の爆発に真汰は驚いてコケてしまった。だが、それと同時に穴の吸引力が上がる。


「マズイ!」


なんとか起き上がろうとするが足に痛みを感じてしまい、なんとか踏ん張ったりするが吸い込まれそうになる。


「真汰くん!?」

「2人共!?」


危険を顧みず由里は手を伸ばして真汰を助けようと駆け寄ると、それに続いて誠司も2人を救出しようと走って近づく。


「ダメだ!由里、獅子たっ!?」


このままじゃあ2人が巻き込まれると思って、引き返してと言おうとした真汰。


「「「うわああああああ!?」」」


だが、間に合わず真汰と由里と誠司の3人は、そのまま穴に吸い込まれて消滅した。


「真汰!由里!」

「誠司!」


芹香と大岳は吸い込まれた3人を叫んだが、洞窟が崩れ始めてきた。


「マズイ、さっきの衝撃でダンジョンが崩れるぞ!?」

「団長、このままでは?!」

「…分かっている。斎藤頼んだぞ」

「はい!」


そこに転移のスキルを持つ茶髪の少年の斎藤修太郎(さいとうしゅうたろう)の周りにみんな集まった。


「では、行きますよ!」


さっそく斎藤は転移を発動。

クラスメイト全員とジドフ達は無事にダンジョン入り口に転移が成功。それから攻略に来ていた冒険者達も、崩れていくダンジョンから慌てて抜け出して、ついに完全に崩れて洞窟は塞がってしまう。しかし真汰と由里と浩司は穴に吸い込まれ、行方不明のまま。


「そんな…なんで…」

「くっ…俺としたことが…」


芹香はショックで座り込んで、ジドフも騎士団長として3人を助けられなかった事で悔しそうになる。当然、クラス全員も重い空気に包まれた。


「おいおい…マジかよ」


これには池原も呆然となるしかない。本のイタズラでこんな事態を生んでしまったから。


「なんで…なんでよぉぉぉぉぉぉぉ!」


大きくこだまするかのように芹香は泣き叫んだ。しかしこの光景を面白がっている人物がいた事に、全員は未だに気づいてない。








その頃、日本家屋のような大きな屋敷に背中に黒い悪魔のような羽を生やした10人が、水晶玉を覗き込んでいた。


「ついに我らの戦力アップ計画が成功したな」

「だが、あくまでも第一段階に過ぎないって事を忘れるな」

「それになんか余計なのも付いてきたみたいだがな…」


などと話し合っていたその時、隣の部屋にゴトっと音がしたので1人が立ち上がって襖を開けた。そこには異形の姿で冷たい紫の目を輝かした昆虫の怪人が立っている。しかも全身から強い殺気が漂って、口から瘴気と邪気を吐き出す。


「よくぞ来たね?我ら魔道隊の同士よ♪」


その悪魔らしき男は歪んだ笑みを見せて怪人を大歓迎した。

一方、ある森で【神】の字が書かれた羽織を纏った侍の少女が馬に乗って進む。


「さてと、早く屋敷に帰らないと」


すると馬は何かに反応して立ち止まった。


「ん?どうしたのモモスケ?」


少女は馬のモモスケにいきなり止まった理由をつい尋ねてみる。けれども、しばらく考えると


「もしかしてあっちで何か事件かな?良し、神道組として見事解決してみますか!」


などと解釈しながらもモモスケを走らせる少女。

これが2つの異世界を揺るがす出会いが起きるのであった。

五ヶ月ぶりの投稿です。吸い込まれた真汰と由里と浩司が、辿り着くのは本来の舞台となる世界です。そこでの出会いと戦いを楽しみにしてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ