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第6話 進め、ダンジョンへ

ダンジョンに突入した2年2組の生徒全員は、ジドフと部下の騎士を先頭に進んでいた。洞窟の中は予想通り真っ暗で、松明や魔法で出した火を使わなきゃ辺りが良く見えない程に。

当然、全員はその暗い洞窟を警戒しながら歩き続ける。


「でも…本当に私達が魔物退治なんて大丈夫なのですか?」


怖がって心配するのは、ツインテールにメガネをかけた地味そうな少女は星本有紀子(ほしもとゆきこ)。内気で臆病で心配性だけど、由里と同じぐらい心優しい性格。


「まぁ、ジドフさん達がいるから…」


そんな彼女を安心させるツンツンヘアーが特徴の少年は、芹香と同じ剣道部の杉本敬一(すぎもとけいいち)

とにかくクラス全員は全身から緊張が漂いながらも先に進んで行く。だが、その中で真汰が一番緊張しているようで、かなり冷や汗を出しながら装備した剣の柄を握り続けていた。


「真汰くん、あんまり無理しないでね」

「あ…」


心配したのか由里は緊張しまくる真汰に声をかけた。


「本当に心配いらないよ。それに由里も回復師だから、怪我しないようにね」

「分かってるよ」


お互い周りに気づかれないようにこっそりと言いながらも進み続ける。


「待った」

「「「「「え?」」」」


ジドフが立ち止まりながら全員に呼びかける。クラスはもっと緊張と恐怖に見舞われながらも辺りを、警戒すると足音が聞こえてだんだん近づいてきた。


「どうやら来たみたいだぞ」


いつの間にかトカゲやヘビや猛毒系の昆虫型魔物がぞろぞろと近づいてきた。


「いきなり来た!」

「ど、どうしよう!」


慌てて怯えてしまう生徒達。だが、すぐにジドフは全員に向かって言った。


「落ち着け!数は多いが低レベルのモンスターだ。冷静になりながら、特訓の成果を見せてみろ!」

「もちろん、そのつもりです!」


先陣切って出てきたのは誠司で聖剣を構える。


「行くぞ!エレメンタル・フレイム&サンダー!!」


誠司は聖剣に自身のスキルの1つ、全魔法属性で火と雷を加えて大きく振り下ろした。すると火と雷の斬撃波で一気に複数のモンスターを蹴散らした。これにはクラスだけでなく、ジドフ達もその威力に思わず呆然となる。


「誠司だけに良いカッコさせてたまるかよ!」

「僕だって、ウィンドアタック!」


さらにその後ろで大岳も肉体強化で襲い掛かって来るモンスターを殴り倒していき、横森も疾風でモンスターを吹き飛ばし壁に激突させる。


「……はっ!」


芹香も特別に作らせてもらった日本刀で、普段からやっている剣道と高速移動を屈して次々とモンスターを斬り倒していく。


「おらおら、モンスター共!」

「俺達を舐めてんじゃねぇぞ!」

「そうだそうだ!」


池原は爆裂のスキルを、岸山は雷撃で安森は水流のスキルで次々と蹴散らしながら進んで行く。しかし少し子供の遊び半分のようにモンスターをイジメている様子だが、倒しているのには変わりない。


「芹香には悪いけど、俺も行くぞ!」


さらに杉本も剣を構えるとスキルの分身で、4人になるとモンスターを翻弄しながら倒した。


「格闘系の部活をしている俺達だって!」

「もちろん、行けるぜ!」


スポーツ刈りの大岳と同じぐらいの体格のボクシング部で硬化スキルを持つ山崎左近やまざきさこんと、短髪でこれもまた大柄な柔道部の佐藤武さとうたけしは鋼糸スキルを使い。モンスターを硬化した腕で殴り倒したり、鋼糸で縛って巴投げして倒していく。


「じゃあ、私もさっそく」


新体操部のボブカットでクールそうな少女の湊川卯月みなとがわうつきも透明化のスキルで、透明になると新体操のテクニックを屈してモンスターを倒す。

他の生徒もそれぞれのスキルでモンスターを倒していくと、後ろに隠れていたトカゲ型のモンスターが誠司と芹香に襲い掛かろうとする。


「危ない!」

「「はっ!?」」


すると有紀子は手をかざすとモンスターが襲わなくなって、さらにはフラフラと歩きまわるようになった。

じつは有紀子のスキルは音波。特殊な音波でバリアを張ったり、または混乱させたりできる。


「大丈夫でしたか?」

「ああ、ありがとう星本」

「助かったわ」


2人はお礼を言うと、そこにジドフが近づく。


「コラ、2人共!訓練の時にも言っているだろ?何事も、油断してはならないと」

「「すみません、ジドフさん」」


少し油断した2人を叱りつけるのですぐに謝罪した。


[みんながんばっているね。私もがんばらないと!]

「秋華さん!みんなの魔力と体力を!」

「分かってます!」


由里も少し衰えているが、同じ回復のスキルを持つウェーブヘアーをした少女の遠藤那美えんどうなみと一緒に生徒たちの体力や魔力の回復をした。

だが、地面からムカデのモンスターが現れる。


「「きゃあ!?」」

「しまった?!」


そのまま由里と遠藤を襲い掛かろうとしたので、すぐに助けようとした誠司と芹香だが間に合わない。


「はぁぁぁぁ!」


するとそこに真汰が前に来ると剣を抜くとムカデモンスターを斬りつけた。


「真汰くん!」

「俺だって、やればできるんだ!」


真汰は今までジドフからの稽古のおかげで剣術の腕が上がっていた。初めは斬られて痛がってたムカデモンスターは、すぐに真汰にターゲットを変えて襲い掛かる。


「うおぉぉぉぉ!」


しかし勇気を持ってムカデモンスターの眉間を突き刺して倒す事に成功。


「やった…俺でも倒せた」


少し息を切らせて汗を大量に流しながらも、スキルが無くてもモンスターを倒せて喜んだりする。


「やったね、真汰くん!」

「やれば出来るじゃん♪」

「よくやったぞ!特訓の成果だな」


すぐさま由里は真汰に抱き着きながら喜んで、さらに芹香もジドフも近づいて褒めた。そして周りの生徒も、役立たずだと思われてた真汰がここまで成長したことに驚いたり感心したりする。


「アイツ…調子乗りやがって」


だが、池原達は面白くなさそうな目で真汰を睨んだりする、そしてまた何かを企む者の不気味な企みも息づいていた。

新キャラのスキルと活躍は勿論、真汰もかなり成長しています。次回も他の生徒を登場させるかもしれませんが、この物語が本当の始まりが起きるので期待してください。

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