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第七十三話 戦意

 タツミがつぶれた後、年上二人(精神年齢は不明)から集中砲火を受けた翌日。体育祭の前日ということで、クラス全員が出場する長縄の練習にわざわざ北高のグラウンドに来ていた。

「……頭痛い……」

「どうした旦那、寿命か?」

「俺の人生短っ!?違うわ、二日酔いだ!」

「そっちの方が問題だと思うんだけどー、どうなのその辺ー」

 しまった、墓穴を掘ったか。

「まあ今の時代、酒くらい飲むことはあるよな。それで、飲み過ぎたのか?」

「ああ。飲まされた」

「やっぱりー、例の三井の姉さんに誘われてー?」

「誘われたのではなく、強引に飲まされたんだよ、二人に」

「二人?」

「……そうか、言ってなかったか。昨日は四人で飲んでたんだ」

「あと二人はー?」

「タツミとその姉さん。幼なじみ四人で飲んだんだよ」

「それなら別によくないか?」

 それだけならな。

「色々と尋問されたんだよ、酔っぱらい二人に」

「あれー?石川さんもいたんだよねー?その時石川さんはどうしたのー?」

「同じように質問の返答を強要されて、服毒自殺を図った」

「どういうこと!?」

「酒を一気飲みして潰れた」

「なんだ、つまらん」

「事実を話してなぜ失望されんといかん」

 話せと言ったのは貴様だろうが。

「もっと詳しく話してもらうよー?」

「なぜに」

「だってー、石川さんが明らかに挙動不審なんだもんー」

 確かに。こっちを見たかと思えば、目が合った瞬間逸らされるし。昨日のあの質問が尾を引いているのだろうか?だとしたら、姉ちゃんはまた余計な事をしたことになる。

「明日は二人三脚一緒に出るんだろ?清水の怪我が直らなければ」

「無理だろ」

 ただでさえ酷かった清水の怪我は、昨日調子に乗りすぎたせいで悪化したらしい。驚異的な速さで回復していたそうなのに、馬鹿な事をしたもんだ。それが清水と言えばそれまでだが。

「出るつもりはねえよ。体調が悪いことにでもしとけば休めるだろ」

「それで済めば一番なんだろうけどねー」

 体育祭か……めんどい。

「体育祭に意味ってあるのかね?学生の本分は勉強だろ」

「うわー、旦那が駄目人間の発言してるー」

「駄目人間言うな」

「腐敗人間の臭いがするー」

 腐敗人間!?

「旦那は運動ができないわけじゃないんだから、しっかりやれよ」

「この高校では平均以下だけど」

 球技ならまだしも、ただの陸上競技で太刀打ちはできん。

「ならー、二人三脚はいけるじゃんー」

「女子とやって恥ずかしい思いをするなら、成績くらい捨ててやる」

 胸を張っていってやる。

「やっぱり腐敗人間だねー」

「日本の政治並みに腐ってるな」

 もはや修正不可能なほどに!?

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