第三十三話 宣伝活動
「しかし宣伝活動といったって、具体的には何をすればいいんだ?というかこのかつらと化粧、どうにかしてくれ」
清水の理性が崩壊する直前に辛くも脱出を果たした俺たちは、周囲の人から奇異の視線を受けながら廊下を移動していた。これなんて羞恥プレイ?このまま俺に女装癖があるという噂が立ったらどうしてくれる。
「大丈夫ー。そこら辺はまず、僕たち二人が見本を見せるからー」
「わかった。で、かつらと化粧はどうすれば……」
「イッシー、一組から始めるぞ」
話聞け。
「三井はそこで待っててねー」
「だから恥ずかしいって言ってるだろうが!」
「「失礼しまーす」」
マイペースって便利だなあ、おい!
「ハアイ、ジェシー!最近疲れがたまって困ってるんだよ!」
「ブライアン、そんなあなたにとっておきの商品をお薦めするわ!」
なにこれ!?アメリカ風通販!?
「私がお薦めするのはこれ!特製栄養ドゥリィンク!」
無駄に発音いいな!
「なんておいしそうなドリンクなんだ!いったいどんな効果があるんだい!?」
「疲労回復に素晴らしい効果があるのよ!早速飲んでみて!」
「では喜んで頂くよ!GOKUGOKU」
擬音まで!?
「プハア!なんてエキサイティングでスリリングな味なんだ!」
それ栄養ドリンクにとって、高評価ではないだろ!
「疲れの方はどう!?ブラァーイゥワァーン!」
鬱陶しい!必要以上に鬱陶しい!
「なんてことだ!さっきまでの疲れがまるでない!」
嘘だ!
「今なら二十四時間テレビをマラソンしながら全部ぶっ通しで見ることだってできるよ!」
効果ありすぎだろ!胡散臭すぎて疑うことが馬鹿馬鹿しくなってくるわ!
「それはよかったわ!勧めた甲斐があったというものよ!」
「ところでこのドリンクは、どこで手に入れることができるんだい!?」
そうか。この商品を執事喫茶で出すと宣伝するわけだな。宣伝になっているとはとても思えんが。
「通販よ!お申込みは○○○−△△△−□■□!いまならもう一本おまけでついてくるのよ!」
執事喫茶で出せよ!
「それはいい!早速申し込むことにするよ!それじゃ!」
今までの茶番は何だったんだ!?
「ちなみに原料は中国産だから!気をつけて!」
なら勧めるなよ!
「ふう、いい宣伝になった」
「どこがだよ!」
生徒のほとんどが呆気に取られてるじゃねえか!反応に困るようなことするな!松ちゃんだけ大爆笑してたけど!
「こんな感じで次は三井も一緒にやるよー」
やりたくねえ!
「さあついてこい、旦那」
ついて来いって強制的にじゃん!拒否権はないのか!?
「ないよー」
ひでえ!
「……はあい、ジェシー……」
「どうしたの、鳳明琳!」
俺中国人の設定!?
「旦那、台湾人の設定だ」
どうでもいいよそんなの!
ええじゃないか(そのにではない方)の累計アクセス数が十万件突破!ひとえに読者様のおかげです。そこで、特別編のリクエストを受け付けたいと思います。三井のトラウマ話からなぜ保護者が三井になついているかの過去話まで、リクエストがあれば書きたいと思います(ただし一日一話投稿なのでその間本編の流れは止まります)。そんなリクエストとかどうでもいいから続き書けと仰るなら、その意見を尊重します。
これからも頑張って書きますので、この駄文を読んでやってください。