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第三十話 脳内変換

「劇的改造!」

「ビフォーア○ター!」

「むー!むー!」

 現在の状況。……身だしなみがなっていないと難癖をつけられ、ちょっと危ない人(佐伯さん)が暴走し、色々あって椅子に括りつけられている水泳部員三人おれたち。何このアウェーな空気。甲子園球場か。あ、ようやく口にを塞いでいたタオルを取ってくれた。こんな些細なことで幸せを感じるって一体どうなんだろう。俺の将来が危ぶまれる。

「旦那、諦めは肝心だぞ」

「……わかっているが、少しも抵抗しないお前ら二人は尊敬に値する」

 悟りでも開いているのか。

「むしろこの状況を楽しむくらいでないとー」

「Мか!お前らドМなのか!」

「極端に考えるな。俺はどっちでもいける」

「みんな聞いた!?やっぱり杉田君は両刀使いよ!三井君もその手に掛かってるに違いないわ!」

「何その結論!?言葉をそうも悪意で捻じ曲げる才能はどこから来るんだ!?」

 そもそもあなた誰ですか!?菅原さんら、俺が腐女子と認識していたグループとは違う人のようだ。この学校、変人の層厚いよ。不必要なほどに。そして無意味な層が。

「……なおくん……掘られて……」

「タツミ!?なぜそこで真っ青になる!?おかしい!そのセリフはどう考えてもおかしい!」

「さて本題に入ります」

「待て!話は終わってない!誤解を解く機会を与えてくれ!」

「……わかってるよ、三井君」

「絶対理解してないだろ!間違ったままそれを事実として処理してるから!」

 タツミに至っては顔面蒼白のまま口をパクパクとさせて、小刻みに震えている。言葉を発することすらできないようだ。……どんな妄想を膨らませているのか、知りたいけど知りたくない。怖くて。

「というかあなたは誰だ!?」

「隣のクラスの者ですけど」

「なぜここにいる!?あくまで文化祭のクラス企画が本旨じゃないのか!?」

「括りつけられたまま、突っ込む旦那はシュールだな」

「冷静な目で今の俺を見るな!しまいにゃ泣くぞ!」

「まあまあ落ち着いて」

「だからあんたは出てけ――――!!!」

 しぶしぶ教室を出て行く隣のクラスの腐女子。なぜ今俺は晒し物になっているのだろうか。本気で俺の存在価値が知りたい。

「佐伯さん、抱負をどうぞ」

 なんかいろいろやってるうちに、

「この三つの原石を、磨きに磨いて<アニメ版ポケモン、ポリゴンの回>並みに光輝かせてみせます!」

 人体に有害なレベル!?

「そこでテーマを募集します!テーマに沿って、この三人をカットして着飾らせてメイクしてめっためたにしてやりましょう!」

「ノープランだったのか!?そしてめっためたって何!?」

 人を改造すると言っておいて、どうしてそうも無計画なんですか!?

「三十分相談して、テーマを決めてください」

「待て!俺たち括りつけられたままでか!?」

「仕様です」

「なんの仕様だよ!?」

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