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第十七話 小テ

「はーいはいはい、楽しい古典の授業が始まりますよー」

 三限目、健三さんが妙なテンションで教室に入ってきた。いつもながらこの人の習性がわからん。いや別に機嫌がいいのはいいことなんだが。

「早速ですが、今日は小テストをします」

 抜き打ちテストか。日ごろの勉強量が試されるな。……義人が真っ白に燃え尽きている様子が窺えるが、無視。国語系の大半を苦手とする奴にとって、抜き打ちテストで結果がどう転ぶかなど火を見るよりも明らかなのだろう。ドンマイ。同情はしないけど。

「では配るので、一番前の席の人、取りに来てください」

 動こうよ、健三さん。どれだけ面倒くさがりなんですか、あんたは。

「配り終わりましたか?では始めてください。私は寝るので、三十分後に起こしてください。頼みましたよ、夏目」

 教師失格だと思うのは俺だけだろうか。むしろ人としても失格かもしれん。




 ……なんというか、カオスなテストだった。っていうか、古典じゃないのかよ!アンケートだよこれ!

「今会ってみたい芸能人……<レイモンド>ですか、変わってますね。九十点」

 誰だレイモンド書いたの!?ちくしょう!無茶苦茶会いたくなったじゃねえか!ちなみに知らない人のために解説すると、レイモンドとは昔のおはスタで山ちゃんと一緒に司会をしていた人物である。今何してるんだ!?それと健三さん、よく知ってるな!点数も高いよ!

「今やりたいこと……<おはうがい>?ああ、朝起きて勝手にやってください。十点」

 だから誰だこの答案提出したの!?点数厳しすぎ!レイモンドとどう違うんだ!?採点基準、謎すぎるだろ!あと健三さん、おはスタに詳しすぎ!

「好きな本……<ワンピース>ですか。古典の授業のテストに漫画の名前を書くとはいい度胸です。八十点」

 点数高い!いい度胸って本当にいい意味で言っていたのかよ!

「まあここまでの問題は、私が楽しむためだけのものなのでどうでもいいんですけどね」

 どうでもいいのかよ!俺たちの三十分間を返せ!

「文化祭で出したいもの……やけにメイド喫茶が多いですね」

 どうなってるんだこのクラスは!?義人も石井も「当然じゃね?」みたいな顔してんじゃねえよ!

「しかしありきたりで多いものはやりたくないので、却下します。もっと頭をひねって珍しいものを考えてください。私が楽しめることが前提ですが」

 自己中もここに極まったよ!メイド喫茶反対は納得だけど!

「もちろん私は口だけ出して手伝いませんので。頑張ってください。ファイト」

 最低だ!もちろん言うな!

「残りの時間は自由に相談して構いません。私は寝ます」

 今、古典の授業ですよね!?寝るなよ担当教員!

ストックしてあった話がなぜか消えてしまった……。理由がわからないだけに不安です。

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