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僕のイマジナリーフレンドがおかしい
思いもよらぬ腹部への一撃に身悶えるリクは苦痛に顔を歪ませながら。
「はっ! ふっぅーッ〜! なにするのさ!」
「あ、あなたそんなことしか言えないわけ!?」
「……これは妄想の中だから好き勝手言ってるの!」
「まーた! さっきから妄想妄想うるさい! 今は私と話してるんでしょう!?」
「だから妄想の中でアーテナと……」
妄想のはずなんだけど何かが引っかった。
手元の本を見て一つの疑問が浮かぶ。
「……ちょっと何黙ってるの?」
「なんで本に触れたの?」
「へ?」
「なんで本を投げれたの?」
「なんでってそんなの投げたかったから……」
妄想の彼女が本を投げられるはずがないのに。
はずなのに……この投げられた本は間違いなく実在する。はず。
もしかして遂に現実と区別がつかなくなっちゃったの!?
「もしー? もしもーし?」
何か確かめなきゃ。
「ねえ窓開けてくれない?」
もし窓が開くなら、アーテナは。
「窓なんて開けてどうするのよ」
ぶつくさ言いながらも部屋の窓を気だるそうに開けていく。