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僕のイマジナリーフレンドがおかしい
「では少々家を空けますのでお気をつけて」
「うん大丈夫だよ」
「お食事は冷蔵庫に作っておきましたのでお食べ下さい」
「ありがとう、うん、うんわかってるじゃあね」
よし! お見送りも終わった。
僕、津島 陸は今からあることする。
今は誰もいない家…試すなら今だろう。
何か書かれたノートをめくる少年津島 陸はベッドの上であぐらをかいている。
僕の集めた資料によるとイマジナリーフレンド、いわゆる人工精霊はそれに関する設定を作ると成功し易いらしい。
そのため僕はこのノートで設定を作った。
「成功、するかな」
いや成功させるんだ、うん。
何か思いつめた表情をしたリクはノートをベッドに置き目をつむる。
頭の中で設定を反復すること数分。具体的な姿を思い浮かべる。
「アーテナ!」
まるで呼びかけるように、強い思いを乗せた言葉は部屋に溶けていく。
「ッ!?」
突然として激しい痛みがリクを襲う。
薄れゆく視界の中、赤い髪が揺れるを僕は見逃さなかった。