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俺と姉と謎の薬  作者: らいか
19/21

俺の選ぶ道は…

部屋で俺は考えていた

(あと三日で俺は…)

女になって約三ヶ月…

女になった直後は早く男に戻りたいと即答できていただろう

でも今は…

もし男に戻ると、もう井上さんや朝霧とはもう遊べない

それどころか会えないかもしれない

女として生きていくなら全く新しい人生を歩んでいくことになる

「くそ!選べないよ…」

完全に心の中に迷いができてしまっていた

「…外に出て気分転換するか」

このまま考えていたってらちが明かない

俺は一回外の風にあたりに行った


外に出ると夕日が沈みかけていた

(風が気持ちいい)

俺の行き詰った心を癒してくれているようだ


「…あれ?大里さん?」

「あ!井上さん」

家の近くを軽く散歩していたら偶然井上さんと会った

「大里さんは宿題大丈夫?私はあと主張文を終わらせれば全部終わるけど…」

「お…私はまだ数学のワークが10ページくらい残ってる」

「大丈夫?大里さん元気ないみたいだけど…」

「だ…大丈夫よ!全っ然平気ですもの?」

おっと…井上さんに心配かけたくないし、ここは誤魔化し―

「…なんか変。井上さんってそんな口調だったっけ?」

(しまったぁぁ)

変に緊張して変なしゃべり方してもうた

「何か悩んでることあるの?もし良かったら私が―」

「だから別に何も悩んでないってば!!」

俺はつい強く言ってしまった

「言いたくないことなら無理に私に話さなくてもいいよ?」

…え?

「ごめんね?変に言い詰めて」

井上さんはそういって歩いていった…

(俺は何やってるんだ!)

心配掛けさせないどころか彼女を突き放してしまった

はやく引き止めて謝らないと…!

今の俺にはできなかった…

なぜなら俺にはとても大きな隠し事があるから

上っ面だけ謝っても、彼女は見透かしてくるだろう

そしてまた嘘をついていると彼女にまた気を遣われる

…俺はどうすればいいんだ



「どう?おいしい?」

「うん…おいしいよ」

今日はカレーライスだった

姉さんの料理はとてもおいしい

「…優、何かあったの?」

「っ!?べ、別に何もないよ??」

「やっぱり優って嘘がへたねぇ。ねぇ何があったの?」

多分誤魔化そうとしても追求してくるだろうな

観念して言うか

「姉さん…実は―」



「…そう。」

俺は思っていたことを姉に話した

「なら今からでも電話して話せばいいんじゃない?」

まあ確かにそれが一番いいよな

でも…

「井上さん怒ってるよな多分…」

「そんなに怒ってないと思うよ?それより優のことを心配してると思う」

「え?」

「ほら!さっさと電話してきなさい?」

「う、うん」


飯を食べ終わり俺はそそくさと部屋にもどった

(…よし電話するぞ)

俺は緊張で震える指で井上さんの電話番号を打った

プルルルル プルルルルル ガチャ

「もしもし?」

「あ、井上さん!」

良かった…出てくれた

「井上さん…!今日はごめん」

「ううん、大里さんは悪くないよ」

そうだ…今なら聞ける

俺はどうしても聞きたかったことを聞くことにした

「井上さん…もしさ、もし私が事情があっていなくなったらどう思う?」

「え??」

ちょっといきなりすぎたか…!?

「いきなり変なこと聞いてごめんね?やっぱりなんでも―」

「いなくなったら寂しいよ!…でも、どうしてもいなくならないといけないなら、

とっても寂しいけど私は止めない」

井上さん…やっぱりやさしいな

「ありがとう、井上さん」

「良かった、私役に立って」

「じゃあね、おやすみ井上さん」

「うん、おやすみ、大里さん」

ガチャ

ふう、電話してよかったな

気持ちが晴れた


朝霧にも聞こう


「優がいなくなったらめちゃ寂しいよ。でもどうしてもっていうなら

私は止めないよ。だって私の私情を優にぶつける訳にも

いかないからね」

「ありがとう、朝霧。おやすみ」

「おやすみ~優!」

ガチャ


…これで俺の答えは決まった

この答えに後悔はない

「俺は…!」


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