学園編第三話 相手の能力は何?
読めば分かります。つか相手が言っちゃいます。
主人公は、戦うたびに進化していく・・・
脳内イメージソング FF6より『戦闘〜Battle Theme〜』→FF7より『更に戦う者達』
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「・・・やっと見つけたぜェ・・・さあ、本をよこしな」
「あ・・・あの人だ・・・登校中に見かけた人だ・・・」
DOAGの前に現れた不良・・・彼は「本をよこせ」と言ってきた。
「本って何でしょうか? 多分持ってないと思うのですが?」
白川孝が不良にそういうが、不良は首を振ってから、
「しらばっくれる気ならいくぜェ?」
と言うと突然不良の手に本が現れる。しかもその本を開くと中から真っ赤に染まった剣が出てくる。
(ってあの本かよ、な!?)
圭は不良の手にある本を見て、夢の中で見つけた本の事を思い出した。
そして不良は出てきた剣を横に薙ぎ払うように振ると、衝撃波のようなものが飛んできた。
「って危ねぇ!? 何てもん飛ばしてんだぜ!?」
何とかほぼ全員しゃがんでよける事ができた・・・
「おらああああああああああッスよ!!」
一人だけ飛んで回避した時原成。彼の能力名『飛翔少年≪フェザーヒューマン≫』とは垂直に助走無しで50Mは飛べる所からである。
そのまま何処から持ち出したのか、どっかの竜騎士のように槍を不良の上から落とそうとしたが・・・
「へっ、残念。オレさまバリアくらいあるんだよォ」
血のような色のバリアに阻まれダメージを与えられなかった。
「ってそんなの有りッスか!?」
「ならばっ、私が!!」
不良から離れた成に代わり波畑柊がつっこんでいく。
柊の『絶対氷結≪フリーズアウト≫』、それと勝生沙羅の『氷河到来≪カモンコールド≫』はどちらも氷系の能力から来ているのだが、柊の方が断然強い。
「ぶっ凍れえええええええええ!!」
そのまま不良をバリアごと氷付けにする柊。
だが、危険を予知する『危険回避≪セーフライン≫』の能力を持つ孝が突然柊を押し倒す。
その直後氷の中から衝撃波が飛び、柊が居た所を通っていった・・・
「先生・・・すみません・・・」
「いいから速く戻れ!!」
「もう息切れかァ? そんなら速く本渡せよォ?」
「本を受け取ってどうするつもりなんだよ、な!?」
それからも攻撃を加えてくる不良に対し、攻撃を与える事のできないDOAGは少しずつ疲れがたまっていく。
そこで圭は不良に「本を受け取ってどうする気だ」と聞くと不良は答えた。
「へっ、どうせ後でその命貰う気でいるから色々教えてやるよォ。この本はなァ、全て集めると神を越せるんだよォ」
「・・・は? 神を越す・・・?」
「そんなのも知らんのかァ・・・? そしてなァ、この本は『他人の魂を力にする』本なんだよォ」
「・・・まさか・・・みんなが倒れたのって・・・」
「ご名答だぜェ。まァ、神の力になれるんだから本望だろうよォ」
なんと、不良はこの中等部の学生・教師のうちDOAGを除く全員の命を力に変換していたのだ。
だから28人もいるのにDOAGが勝てなかったわけだが・・・
「・・・ふざけるな・・・な」
「あァ?」
話の直後から西京圭の雰囲気が変わっていた。
「そりゃ、神とか俺でもなれるもんだったらなりたい・・・だが、な?」
「人に迷惑をかけてまでそんなもんには絶対なりたくねぇんだよ、な!!」
と、圭は思いっきり叫び眼帯を取った。
「ああそうだよ、な。俺が本を持っている」
「そうかよォ、じゃあ渡し「断る」て・・・ってなんでだァ?」
「言った理由は本を渡すためじゃない。
お前のような奴を、ぶっ倒し、みんなの魂を返してもらう為だ!!」
―そして主人公の一人は覚醒する・・・―
「ああ、そうだよ。俺だって自己中な所はある」
―右目の文字が光る・・・―
「宿題をやりたくなかったり、な」
―右目から光が漏れ落ちる・・・―
「だけど、そんな自己中でもこれだけは心がけているんだ、な・・・それは・・・」
―漏れ落ちた光を握り締める・・・―
「他人にだけは、迷惑をかけねぇことだ、な!!」
―光が手から溢れだす・・・!!―
「さあ・・・地の底に落とされたい奴から前に出ろ、な!!」
その直後、銀色に光るボールのようなものを胸の前に浮かばせている圭が現れた。
「へっ、そんなボールで何が出来るんだよォ?」
「こういうことだよ、な・・・」
圭はそういうとボールに手を添える。するとボールは変形して大剣になり、圭はそれを掴んで・・・
「どりゃあああああああああ!!」
思いっきり体育館の床に突き刺すと、床が見事に裂ける。不良は避けるがその顔には汗が浮かんでいた。
そう、圭の能力名、『地殻変動≪アースクエイク≫』とは・・・
「さて、飛べないお前は何処までよけられるのか、な?」
地震だけではない。地割れ、噴火など『地面』に関する現象を起こすのである。
「・・・っはは、どうせそれしか出来ないんだろォ?」
と、笑い飛ばそうとする不良だったが・・・
「いや、他もできるが? 柊、借りるぞ!!」
「うん、了解!!」
というと大剣が杖に変わり、その先からビームが放出された。
そのビームは壁に当たるとそのまま壁を凍らせる・・・
「はァ!? 何で使えるんだよォ!?」
「それがこの本の能力だ、な!!」
そう、この本は味方の能力を数分だけ借りる事ができるのだ。
「さらにっと、竜、行けるか!?」
「まだ・・・きたっ!! 鈍器系に弱いよ!!」
そして神音竜に問いかける理由とは・・・マジックアイテムやらそういうのを鑑定したりサーチしたり出来る竜の能力『秘宝発掘≪オーパーツトレジャー≫』。
これは応用すると時間はかかるが相手の情報とかもわかってしまうという・・・竜は戦いになるとこれをやる癖があるのだ。
「よっしゃ! それじゃ絵里、借りるぜ、な!!」
「頼むで!! 外したら承知せんかいな!!」
そして借りる能力は加藤絵里の『怪力投球≪ストロングシューター≫』。自動販売機を普通に投げる怪力からこの名になったのだが・・・
「おらあああああああああ!!」
「おい、ちょっとまってk」
逃げ場のなくなっていた不良に杖から変形した自動販売機を思いっきりぶつけた。
バリアは少しは耐えるもののすぐに割れ、そのまま不良を押し潰した・・・
―・・・グラッ・・・―
「うおっ?」
不良を殺してはいなかった圭。そのまま本を取ろうとすると、突然地面が揺れた。
「は、速く外に!!」
何かを感じた孝は全員を外に避難させる。
―グララララララララ・・・―
「やっぱ地震かよ、な!?」
圭は自分の武器だった本と不良の本を持って、ほかは何も持たずに外に出た。
だが、そうして外に出たみんなが見たものとは・・・あり得ない現象であった。
「って、なんじゃありゃあ!?」
「空間が・・・ひび割れている・・・ェ」