学園編第一話 DOAGって何?
物語は、数年前から始まる・・・
「・・・ん?」
「あれ、なにこの音?」
「何だ一体?」
某県某所にある遊園地があった。
ある日、そこに来ていた少年少女達の一部・・・大半が小学生・・・は妙な音を聞いた。しかもその音を聞いたのは20人以上。だが、大人たちには全く聞こえていなかったようだ。
だが、これが始まりだと気付くのは数年先の事であった・・・
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ここは、宮風学園。
中等部と高等部がある規模の大きい県立の学園だ。
そして、この学園は公認のあるグループがある。
その名は、『DOAG≪ドロップアウトアビリティグループ≫』。
「おっ、みんな集まったか?」
「「「はいっ、先生」」」
「あ、一人来ていません」
この日はそのグループの集会があるようだ・・・
「・・・それにしても今年になってドーグ(DOAGのこと)一気に増えたな・・・」
数学の教師で顧問、白川≪しらかわ≫ 孝≪たかし≫。
彼・・・否、彼を含むDOAG全員が数年前の遊園地で謎の音を聞いている。
そして偶然か必然か。この学園に集まってきて“ある理由”によりDOAGに加入しているのだ。
―・・・ドガッ!!―
「やっべ、遅れたぁ! 失礼します!!」
「「「・・・って、体当たりでドア破壊しやがった!?」」」
その理由というのは・・・
「えっと、ドーグの加入者?」
「はいっ! 本日より俺もです!!」
「「「あ、なら体当たりでドア粉々にしても大丈夫か」」」
それは、メンバー全員が『超能力』や『異能力』と呼ばれるものを持っていることである。
数年前の遊園地で謎の音が聞こえて以来、聞こえた全員に発芽したのだ。その内容はさまざま・・・
現メンバーだけでも以下のように多数いる。これから増える可能性も大幅にあるという・・・
なお、クラスと名前の間にあるのは能力名である。ついでに一部、AIロボとかも居たりする。
中等部二年二組女子 『絶対氷結≪フリーズアウト≫』 波畑≪なみはた≫ 柊≪ひいらぎ≫
中等部二年二組男子 『永遠天使≪エターナルエンジェル≫』 本田≪ほんだ≫ 克己≪かつみ≫
中等部二年四組男子 『機械創造≪マシンクリエイト≫』 折原≪おりはら≫ 和≪かず≫
中等部二年四組男子 『貫通影弓≪シャドウアーチャー≫』 黒石≪くろいし≫ 謎≪はてな≫
中等部二年四組女子 『疾風怒号≪サイクロンバースト≫』 本田≪ほんだ≫ 風香≪ふうか≫
中等部二年二組女子 『入魂剣技≪サムライハート≫』 吉田≪よしだ≫ 梨奈≪りな≫
中等部二年四組男子 『竜巻戦争≪ドラゴニックウインドウォー≫』 高坂≪こうさか≫ 流≪ながれ≫
中等部二年四組男子 『火炎付加≪エンチャントファイアー≫』 藤原≪ふじわら≫ 翔≪しょう≫
中等部二年二組男子 『水圧斬撃≪ウォーターカッター≫』 銃王≪じゅうおう≫ 海≪かい≫
中等部二年二組男子 『電極設置≪セットエレクトロ≫』 水樹≪みずき≫ 友≪とも≫
中等部二年二組男子 『特攻蹴球≪サッカーアタッカー≫』 倉野≪くらの≫ 映≪えい≫
中等部二年二組女子 『笛ノ奏者≪フルートマスター≫』 福島≪ふくしま≫ 澪≪みお≫
中等部二年二組女子 『怪力投球≪ストロングシューター≫』 加藤≪かとう≫ 絵里≪えり≫
中等部二年二組女子 『一撃必殺≪クリティカルヒット≫』 西京≪さいけい≫ 弘≪ひろ≫
中等部二年二組男子 『飛翔少年≪フェザーヒューマン≫』 時原≪ときはら≫ 成≪なる≫
中等部二年四組女子 『人形作成≪ドールメイカー≫』 鳴海≪なるみ≫ 輪≪りん≫
中等部二年四組女子 『炎龍魂力≪ファイアードラゴン≫』 竜雅≪りゅうが≫ 悠≪はるか≫
中等部二年四組男子 『機械人間≪ヒューマノイドロボット≫』 天川≪あまかわ≫ 拓海≪たくみ≫
中等部二年四組男子 『格闘王者≪キングファイター≫』 雲中≪くもなか≫ 新≪しん≫
中等部二年四組男子 『秘宝発掘≪オーパーツトレジャー≫』 神音≪かみおと≫ 竜≪りゅう≫
中等部二年四組男子 『急流水撃≪ウォータースライダー≫』 音武≪おとたけ≫ 守≪まもる≫
中等部二年二組女子 『氷河到来≪カモンコールド≫』 勝生≪かつじょう≫ 沙羅≪さら≫
中等部二年三組男子 『突撃破壊≪ダッシュアタック≫』 半田≪はんた≫ 諒≪りょう≫
中等部二年三組男子 『排球代表≪バレーマスター≫』 相馬≪そうま≫ 順一≪じゅんいち≫
中等部二年二組教師 『危険回避≪セーフライン≫』 白川≪しらかわ≫ 孝≪たかし≫
そして、この物語の主人公となる・・・
中等部二年二組男子 『地殻変動≪アースクエイク≫』 西京≪さいきょう≫ 圭≪けい≫
中等部二年二組男子 『完全命中≪パーフェクトガンナー≫』 本田≪ほんだ≫ 直也≪なおや≫
中等部一年一組女子 『武器倉庫≪ウェポンハウス≫』 折原≪おりはら≫ 空≪そら≫
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「くそっ・・・ここ何処なんだよ、な・・・」
集会後・・・夜。西京圭、本田直也、折原空の三人は夢の中を走っていた。
「夢なのは分かってんだぜ・・・なのになんで目覚めないんだぜ・・・?」
「そうですね・・・本当にここ、何処なのでしょうか・・?」
三人は普通に寝ただけのはずが、気付くと半崩壊した都市にいた。
周りを見渡すと同じように戸惑っている人は居たが、突然現れた怪物に襲われちりぢりになってしまった。
「・・・お? 圭、空、あそこに洞窟があるんだぜ」
「は? ・・・何で街中に洞窟があるんだよ!?」
「先輩、夢なのですから突っ込んでは駄目かと思います」
そんな時、直也が洞窟を見つけ、三人は隠れられると思い洞窟内に入っていった・・・
「・・・なんだこれ?」
入っていって最初に発された言葉が圭のこれである。
少し奥に開けた空間があり、そこに三冊の辞書並みの本が浮いていたのだ。
黒いカバーがついており、それぞれ『IV』『VII』『XI』の文字が書かれている。
「・・・なんだこれ、な・・・?」
興味本位で圭が『IV』の本に触れると、ヒュンという音と共にその本と圭が消えてしまう。
「せ、先輩!?」「圭っ!?」
焦った直也と空はつんのめってしまい、本に触れてしまう。
すると二人も圭と同じようにして消えてしまった・・・
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「で、その夢をみてからこれが現れ始めた・・・ってことでいいんだよね?」
「はい、そうです」
次の日。圭は左目に、直也は右手の甲に、空は左足の膝に『E』という文字が小さくアザとなって現れていた。
特に生活に支障は無いが、圭は目の中に現れているため隠す事ができないようだ。
(ってか、朝これを見て叫んでしまったなんて言える訳が無い、な・・・)
三人、否。三人を含むDOAGは知らなかった。
これから、戦争ともいえる戦いに巻き込まれることなど・・・
『DOAGと禁断の書』始まります。