探査記録VOL.6「実態調査」
記録者:A-02(主任モニター担当)
B-17(分析官)
Cクラス調査員(C-20132)
装備:脳内装着型音声・映像記録装置
注意点:特になし
A-02:
接続確認。
映像・音声共に安定している。
調査員:
了解。
先程、入りました。
両側に本棚のある通路のような空間ですね。
調査員:
ん……何か聞こえる。
A-02:
こちらにも記録されている。
「ザ……ザ……」という断続的なノイズ。
(数十分経過)
調査員:
……おかしい、さっきもこの棚通った気がする。
A-02:
映像比較中……
構造は類似していますが、
微妙に異なります。
調査員:
前に何か見える。
……テーブル?
誰かいる……?
A-02:
映像からこちらも確認済み、接近せよ。
調査員:了解
(※映像に強い歪み発生)
調査員:
……っ、いない……。
いや、さっきまで——
(※映像が真っ赤に染まる)
A-02:
映像異常、復旧できるか?
調査員:
……見られてる。
(通信が途絶える)
A-02:
……通信、完全に断絶しました。
信号も追跡不可。
B-17:
これは……強制遮断か、
――後日談――
A-02:
結局、C-20132も
帰ってこなくなってしまったな。
B-17:
見せるべき範囲だけ見せて、
本質には絶対に触れさせてくれない。
A-02:
いや、もしかすると……今回は、
見ようとしたという意志自体が試されたのかもしれない。
あの手紙にあったリリアの仕業か?
B-17:
いや、これはリリアじゃない。
空間そのものの意志だ。
静かに、でも確実に、我々を――