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Elatic Library(静電図書館)  作者: わとし
探査記録簿
3/12

探査記録VOL.3「接触」

記録者:クラスC調査員(C−4432)

    装備:脳内装着型音声記録装置


注意点:この記録は通話ログを文字に起こしたものと思われる

──通話ログ開始──


SAIM(司令部):

聞こえるか?応答しろ。


調査員:

はい、こちらC-4432。音声、届いてます。


SAIM:

よし。例の山道、そこを進んで図書館への侵入を試みろ。


調査員:

了解。これより山に入ります。


(ザザ……ザザザッ)


【数分のノイズと不明瞭な音。周囲の風音と環境音が一変】


調査員:

あれ……ここは……?


SAIM:

……侵入に成功したか?


調査員:

はい。恐らく……


SAIM:

よし、そのまま本棚の通路を進め。指示があるまで記録を継続。


調査員:

了解。


【──約2時間後──】


調査員:

……到着しました。

記録にあった、「テーブルのある空間」です。

周囲には書棚と椅子、光源不明の柔らかい照明。


???:

あら、誰に話しかけているの?


調査員:

……!


【数秒の沈黙】


調査員:

あなたが……リリア、ですか?


リリア:

えぇ、そうよ。よく来てくれたわね。


調査員:

少し、質問してもよろしいでしょうか。


リリア:

いいわよ。おしゃべりは好きなの。


調査員:

最近……私たちの仲間が、ここを訪れませんでしたか?


【短い沈黙】


リリア:

…………


リリア:

もしかして……■■■さん、B-1089のこと?


調査員:

……その通りです。


リリア:

そうね、彼は――


(ザザザザザザ……)


【謎のノイズが入った直後、プツッと接続が切れてしまう】


──通話ログ終了──

補足:

調査員は6時間後、自力で帰還。

しかし、対象空間に侵入した記憶を完全に喪失。

脳内に埋め込まれていた音声記録装置も消失していた。

この事例により、

「空間自体が直接接触した者の記憶や記録を消去する能力を持つ」

可能性が極めて高いと判断された。

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