プロローグ(上)
私の名前は那月琉亜。19歳だ。
平凡なちょい厨二な女子。今まで人生を順風満帆とは言え無いが、特に大きな不自由なく過ごしてきた。
「来年でもう20かぁ〜」
そんなことをつぶやきながら大学へと足を運ぶ。
私が通う大学は頭がいいとも言えないし、悪くもない。だが珍しく情報学が学べるな大学だ。
友達も何人かいて、影が濃くも、薄くもないただの平凡な女子大生………それが私。
「今日も学校かぁ。だるいなぁ。」
信号が青になったのを確認し、横断歩道を歩いていた。その時だった───
っえ?
私の体は気がついたら空中に浮いていた。
最初こそ何が起こったのか理解できなかったが、理解するのにそう時間はかからなかった。
車か何かに跳ねられたのだ。
全てがスローモーション。だが確実に私の体はコンクリートに向かって落下している。
周りを見渡すと焦ってスマートフォンを耳に当てている人、子供の目を隠しながら走る女性。
...スマートフォンをこちらに向け、私の周りを囲っている。おそらく写真や動画を撮っているのだろう。
そう考えていたら私の頭に衝撃が走った。
痛い。痛い。痛い。
ただひたすらに痛みに悶えた。
痛みに耐えていたら、眼に赤い液体が写った。
(血…?)
はぁ
はぁ
はぁ
ウゥッ、
声にならない声が響く。
なんで?どうして?誰も助けに来ないんだ?なんで私がこんな痛い目に遭わなきゃいけないんだ?なんで私はこんな世界に生まれたんだろう。
もうすぐ死んでしまうかもしれないのに、妙に頭が冴え切っている。
今までの記憶が次々と浮かび上がってくる。
小学生の頃の遊園地の記憶。
中学生の頃の友人たちとのカラオケ。
あぁ。私はここで...死ぬのか。 どうせなら、次は超能力とかがある世界に行きたいな。
薄れゆく意識の中、救急車のサイレンの音がかすかに聞こえた。
そこで、私は意識を失った。
ここまで呼んでくださりありがとうございます。
短くてすみません。
面白くなくても、次話だけでも見てって下さい。