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聖女アリス、異世界で溺愛されてるけどツッコミが追いつかない。  作者: 高瀬さくら


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57.聖女は皿の真実をしるの

55話が抜けていました。そちらを読んで頂けたら幸いです。

 まだBGMは流れているし、寝ちゃおうかな。邪魔なカッパの皿を持ち上げて首を傾げる。 

 これ、が、真実を写すなら、彼らは? 


 アリスは鏡、ではなく半身程の大きさの銀の皿を反対へと向ける。すなわち彼らの方へ、そしてすかさず上からのぞき込む。


「うわああ」

「アリス!?」


 先ほどより大きな言葉に剣を交わしたまま二人が振り向く。


「見ないで、こっち見ないで!!」


 なぜなら、あなた達がこっちを向くと全身が写るからです。全身が見えたら困るのは、全裸だからです!! 


 剣さえもない、まるでボクシングのファイティングをしているようなポーズで男二人が全裸で向き合っている。


「ナニコレ!」


 投げ出して、顔を覆う。コロコロとあいたままのドアに入っていく、そしてカランと倒れ込んだ。鏡面を上にしたままで。


「うわっ!」

「アリス!」

「ちっがいます、別にのぞき見じゃないの! ただ真実の皿が何を写すのかなーって思ったの!!」


 二人が叫んだあとに、言い訳して叫ぶ! 男性でも、やっぱり叫ぶんだね! それに下からだから余計に写っているというか。


「こんなの、ではなくて、お二人のモノが見えるとは……」

「わかった、アリス。お前に俺の体の興味を持たれたことはいいとしよう」

「よくない、その認識をまず改めてください! 見たのは謝るから」

「見たれたことも、興味を持たれたこともあやまる必要はない。大事なのは、お前が満たされたか」

「……すみません、謝ります」


 うなだれて、四つ這いになり膝をつくとレジーが肩を叩く。そこにはちゃんと衣装をまとったいつもの姿。そう、カッパの皿にだけ生まれたままの姿の二人がいたのだ。


「何でぇ……」

「アリス、顔をあげてくれ。君を責めることは全くない。ただ何が起こったんだ?」

 イヴァンが転がった皿を持ち上げて裏を見る。

「真実の皿と描かれているな、つまりそれだ。“装備をしてない姿”を写すのは当然だ」


 そうだったんだね。て、私はレオタードのままだけど。


「お前のは装備じゃないだろう」

「そうですね」


 はやく装備が欲しい……。じゃあこれなに、下着? でも、皿を見た姿にしか千切れレオタードが写ってないのは、フツーにみえるってことだよね。


「ちなみに、お前のはむらむらレオタードの意味はわかっているな」

「……」


 あえてはっきりさせるのはやめよう。


「しかし、アリス。この銀の皿の後ろに『聖女アリスの持ち物』と書かれている、つまり真実の皿は“裏(本当)の真実を証明してくれている”のではないか」


 なんかややこしい。


「これで証明書ができた。これは『“聖女””アリス“の持ち物』と書かれて、”お前“のもの。顔写真付きではないが、顔は皿に写せばいい、便利だ」

「えー、それって証明になるの?」


 二人が首を振る。ならないんじゃん。ただ顔が写るだけ皿だ。


「けれど、本来カッパの皿は、ただスシを出してくれるだけのもの。それを真実を写す皿にレベルアップさせたのだから、これこそ聖女だよ」


 その聞き逃せない言葉にアリスは顔をあげた。食いつき気味に興奮する。


「……スシ! 寿司を出す皿の方がよっぽどいいのに!!」


 なんかRPGでありがちな、武器屋に持って行って鍛えたら、昔のほうが良かった道具とか武器とかみたいな? 立ち上がり握りこぶしで地団駄踏みそう。だって寿司だよ。いつでも食べ放題だよ!


「どうしたんだ、アリス」

「本気でみんなとぼけてるの!? せめて一回ぐらい寿司を食べておこうとか思わなかった?」

「しかし、スシを一回出したらもう使えなくなってしまう。銀の皿のままなら永久不滅ポイントを与えてくれる」

「永久不滅ポイントって何?」


 レジーにまで喧嘩を売ってしまいそうだ、そう私は今、猛烈にお腹が空いている。教会に入ってシャボン玉に、セックス問題に、戦闘に、もう見るもの聞くものお腹いっぱいで、現実のお腹も空いています!


「きっとこれは、真実を見抜いた時にだけ、ポイントが貯まるんだ」

「貯まったらどうするのお。寿司でもでてくるの?」

「わからない、でも街の加盟店でポイントを使えるかもしれない」


 ……レジーさん、あなた金に糸目はつけないから加盟店でのサービスはいらないよね。しかも用途不明な道具って……そういうのRPGに多かったね。その時になってはじめて使えるもの。もしくは永遠にわからないもの。


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