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愛・そして恋のシリーズ

いつまでたっても告白できない少女

作者: リィズ・ブランディシュカ



 好きな人に、告白しようと思っている。


 相手は学校の先輩だ。


 一か月経ったら、卒業してしまう人。


 だから、学校からいなくなる前に気持ちを伝えておこうと思った。


「今日こそはっ、先輩に好きだって言うっ! 絶対言うっ!」


 友人にも、そう宣言するんだけれど。


 夕方には、


「また駄目だった! 明日になったら本気出す! 今日は本気じゃなじゃっただけだもんっ!」


 となってしまう。


 応援してくれてる友人からは、毎回呆れ顔を頂戴していた。






 先輩の所に行くまではいい。


 けれど、顔を見た瞬間、言葉が出なくなってしまう。


(先輩と私とじゃ、絶対に釣り合わないだろうな)とか、


(告白した後、笑われたり、かわれたりしたら嫌だな)とか、


(きっと他の人からも何度も告白されてるはずだから、迷惑になっちゃう)とか考えてしまう。


 それを友人に言ったら、「いいわけしてるだけじゃん」と、さらに呆れられてしまった。


 そうなんだ。

 結局は、自分が傷つかなくていいようにしてるだけ。楽な方を選びたいだけ。


 やれる理由を探すより、やらないでいい理由を探して、安心しようとしてるだけ。


 なんだか、すっごくかっこ悪いな。


 でもしょうがないよ。


 私は、一回失敗してるもん。


 昔好きだった人に「お前、俺のこと好きなの? 受けるんだけど」って笑われちゃって、すごく悲しかったんだから。

  




 そんな風に、告白できないまま、何日も経過していった。


 もう残された時間は少ない。


 早く気持ちを伝えなくちゃって分かってるのに。


 なかなか一歩を踏み出せない。


 そんな私に、幸運の女神が微笑んでくれたのかもしれない。


 係の仕事で教室のゴミ出しをしていたら、その時が来た。


 ごみ捨てに行った先の、校舎裏で先輩とばったり。


 ゴミ捨て場の前なんて、ロマンのかけらもない場所だけど。


 周囲に人はいなくて、誰かに聞かれてる心配はない。


 気持ちを伝えるだけなら、きっと十分な場所。


「あっ、あのっ!」


 だから私は、精一杯の勇気を振り絞って、告白しようとしたんだけど。


「なんでも、ないです」


 結局、何も言えなかった。


 自分がすごくどうしようもない人間に思えて、思わず涙が一粒こぼれてしまう。


 先輩はそれに気づいて、心配そうに声をかけてくれる。


「大丈夫? どこか具合でも悪いの?」って。


 その優しさが、心にしみた。


 先輩は、最初に恋を自覚した時も、同じセリフをかけてくれたから。


 登校中に具合が悪くなって、道路の隅でうずくまっていた私に、ずっと付き添ってくれた。


 遅刻しちゃいますよって言っても。


 その時の気持ちを思い出した私は、自分の頬を叩いてぐっと気合を入れた。


 いいわけを探そうとする心をねじ伏せて。


 今こそ、勇気を出そう。


 先輩にまっすぐ向き合うんだ。


 私は、どうしても言えなかった一言を言葉にのせて、先輩に伝える。


「先輩、ずっと前からあなたのことが好きでしたっ!」


 叶わなくても叶っても関係ない。


 気持ちの整理をつけて、前に進むために。



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