表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビギナーズラック・オンライン  作者: 門閥貴族
咎人たちと狼の王
21/28

スカイブルーの腕輪

1.ヒンメル/広場



「わあ、よく似合ってますよ! フィンちゃん!」


「ふむり。わたしに似てかわいらしいですね」


 すっかり陽が落ち切った頃、私たちは久しぶりにスイちゃんミカンさんと合流した。二人ともフィンの衣装を気に入ったようだ。


「それに比べてチキンはなんです、それ」


「あはは……個性的ですね」


 ふむ。どうやら二人は私の衣装に思うところがあるらしい。そんなに変だろうか? この【アイラヴ♡MMO】Tシャツは。


「フィンはよく似合ってるとおもいますっ」


 すかさずフィンがフォローしてくれた。しかしスイちゃんは「すっかり懐柔してるですね」と不満げだ。


 するとミカンさんがこそっと耳打ちする。


「……スイさんはきっと、フィンちゃんだけプレゼントを貰ったのが気に入らないんだと思います」


 そう、なのか? いやそもそも、これはフィンが自分で買ったのでプレゼントでは無いんだが……。


 だがそういうことなら話は早い。


「皆に渡したいものがあるのだ」


 そう言って鞄から用意していた包みを出す。それぞれに配ると、皆は不思議そうな顔を浮かべながらそれを開けた。


 そして――口々にリアクションをする。


「わぁ……!」


「ほえ」


「これは……【スカイブルーの腕輪】?」


 彼女たちが手にしたアイテムはそう、【スカイブルーの腕輪】。これは先ほどの服屋に並んでいたアクセサリーであり、自分の服と一緒にこっそり買ったものだ。


 もちろん、皆へのプレゼントのつもりで。


「嬉しいです! でも、どうしてこれを?」


「なんとなく欲しかったのだ。パーティの……仲間としての証が」


 ここまで世界樹を登りボムと戦い、海を渡って共にクエストをこなしてきたが……その冒険ももうすぐ終わってしまうだろう。

 それを寂しく思い、なにか物として残る共通の記念品を用意したのだ。


「……ありがとう、です」


「えへへ、たからものにしますっ」


 気に入ってくれるか不安だったが好評なようで良かった。

 私も自らに用意したそれを付け、四人で合わせるように腕を突き出す。


「そろそろ終わる、ですか」


「クエストはやれるだけやりました。明日にはきっと戻れます」


「ああ。残りはフィンのお兄さんへ贈る【綺麗な花】だけか」


「もう、すこし……」


 私だけじゃない。皆寂しげだ……しかし物事には必ず終わりが来る。それにこれはフィンの病気回復を助けることができるのだ。


 きっとお兄さんも心配している。そう、終わりの時は近いのだ。


「それじゃあ、今日のところはいったん落ちますね!」


「ん。わたしもねる、です」


「ああ。みんなおやすみ」


 そんな訳でいったん解散となる。こうなると私も落ちようかと思ったが……フィンはどうするのだろう?

 そう思っていると、ふいと服の裾を掴まれた。フィンだ。


「……おにいさん、わがまま言ってもいいですか」


 そう言う彼女の表情は暗い。……いや、紅い。まさか病状が悪化したのか!?

 心配する私に対し首を横に振り、彼女は続ける。


「その、ひとりで寝るのはこわくて。

 だからあの、わたしが寝るまで傍にいてもらえませんか……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ