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ビギナーズラック・オンライン  作者: 門閥貴族
咎人たちと狼の王
12/28

世界樹の迷宮

1.世界樹の迷宮一階



 幅がどこまで広がっているか確認できないほど大きな樹――世界樹。

 その幹の中央には大きな穴がぽっかりと空いており、ここからはその中に入って進んでいくようだ。


 スイちゃんが言うにはこの世界樹のどこかに【ムチスライム】がいて、そいつが薬の素材を落とすとのこと。

 

 いざ進んでみると、世界樹の中は以外にも明るかった。昼間はどこからか差し込んだ木漏れ日が空間を照らす……なんとも不思議な場所だ。しかし非常にじめじめしていて足が悪い。


 特定の場所に垂れているツタを登って上のエリアへ進む形式で、ここに住み着くモンスターのほとんどが【ゾンビキノコ】に【ゾンビスライム】と不気味めいている。


 ゾンビは怖いもの知らずだから獣除けの鈴も効かず、強力な彼らに若干苦戦しながら進むしかない。


 やっとツタを見つけて一階層進んだ直後、スイちゃんがぬかるんだ泥に足を取られて転んでしまった。


「大丈夫か? スイちゃん」


「うー……。べとべと……きもちわるい、です」


 アーチャーは素早く狩りを行うため軽装になりがちだが、今回はそれが災いしたか。


 ともかくスイちゃんの服は泥だらけになり、露出していた肌の部分にもだいぶ泥が掛かってしまったようだ。

 身体を起こすのを手伝った後、持っていた布でついた泥を払う。


「ありがと、です」


「いいんだ。……しかし不思議だな、この泥は」


 簡単に拭き取れるかと思われた泥は微妙な粘性を含んでおり、スイちゃんの言う通りベトベトしている。まるで彼女の身体に纏わり付くように――


 なんて考え事をしていたせいか、ふにっ……と。僅かだが、恐らく触れたらまずい感触を手に覚える。


「……どこ触ってるですか。えっち」


「す、すまない!!」


 つい誤って彼女の胸に触れてしまった!!

 反射的にそこから飛び退き頭を下げる。泥の上だが土下座もするべきか……!?


「まったく。とんだへんたいさん、です」


 視線が痛い。どう詫びればいいのか、とりあえず鞄にあるありったけの資金を確認しなくては……しかし同時に「ひゃっ」と小さな悲鳴。


 視線を戻すとそこにあったのは……大きな泥の塊。ソレからニュッと触手の様に伸びた泥がスイちゃんの身体を掴み上げているではないか!


「スイちゃん!」


 背丈の倍はあろう泥の塊は、意思を持ってるかのように巨大な獣の形を成す。これはモンスターだ! すぐさま私は斬りかかった。


 すんなりと攻撃が通り胴体に命中する。しかしすぐに、ダメージを受けた個所を新たな泥で修復されてしまった。

 周りに泥がある以上コイツは回復し続けるようだ。……ならば、連続で攻撃を続ければいい。


 私は出来る限りの力と体力を使い剣を振り回す。


 レベルが上がった事で新たに習得した【剣の舞】。対象を連続で引き裂くこの技をまともに受けて無事でいられるはずがない。

 

「ぐぎゅ」


 攻撃を続けているとそんな音を出し突然、モンスターを覆っていた泥が弾き飛ぶ。


「わ」


「危ない!」


 それと同時に空中に投げ出されたスイちゃん――それを何とか受け止め、モンスターとの距離を取る。

 泥が解けたソイツの身体は苔むした緑で、触手だと思っていたものは身体から延びるツル……。


「まさか」


「……コレがムチスライムです。やるですか」


 そうか。まさか泥を纏って自らの防御力を上げる性質を持っているとは……。


 戦闘態勢に入ったスイちゃんと協力し、強力なバフを得た私は再び斬りかかる。



 泥が弾けた時点で相当弱っていたのかそこからはあっさりだった。モンスターが消滅し、あとに残された【ムチスライムのツル】を手に入れる。


「よし! まずは一つ目だな……」


 目的を達成した私たちはこれ以上世界樹に用が無かったが、スイちゃんも私も泥だらけなので少し休んで行く事に。


 少し進んだ先にある世界樹内に形成された村……ユグドラチル。そこで宿を取る事にする。


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― 新着の感想 ―
[一言] 全ての作品と更新に感謝を込めて、この話数分を既読しました、ご縁がありましたらまた会いましょう。(意訳◇更新ありがとな、また読みに来たぜ、じゃあな!)
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