↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/82

第28話 裏切り者、水野祥子の末路

 鷹司はあのあと救急車に運ばれ、病院送りに。

 とんだウエディングカーだな。

 空き缶の代わりが赤色灯か、まあ賑やかで結構だ。


 残ったメンバーは日を改める、という事で解散した。

 とりあえず俺が梁島家に三日後に訪問する予定だ。


 ダラダラ引っ張る気はない。

 交渉初回で決めてやるぜ。


 さて。


 今日最後の作業が待っている。

 水野だ。 


 一応裏切ってこちらに寝返ったとはいえ、もちろん信用なんてしてない。

 またいつ裏切るかわからない、そんな不確定要素をそのままにしておくほど、俺は能天気ではいられない。


 心配性だからね。


 だから『あの動画は水野が作った』という、決定的な状況をこれから演出しなければならない。


 ぶっちゃけ鷹司と香苗の関係を黙ってたくらいだったら、そこまで徹底的にやらないが、アイツは高校時代に美沙ちゃんをいじめてたらしいからな。


 うん、破滅して貰おう。

 そもそも裏切り者なんて、最後は悲劇的な運命を迎えるのが世の常。

 だったらその通りにしてあげるべきだろう。



 という訳で深夜、水野の家に忍び込む事にする。


 テレビ局が借り上げているマンションの一室で、水野は一人暮らしをしている。


 【隠蔽】のスキルを使用しつつ、『万能鍵』でオートロックをパスし、中へ。


 部屋は⋯⋯ここだ。

 もう寝てるとは思うが、一応【索敵】で部屋の内部を観察⋯⋯うん、ベッドに横になってるな。

 再び万能鍵でドアをオープン。


 音を立てないようにそっと開くが、途中で止まった。

 さすがは女の子の一人暮らし、チェーンロックが掛かっているな。

 女子力高いっすね!

 だが、俺の前には無駄なんだよなぁ、こんなの。


 隙間から中をしっかり観察、座標を特定し、【転移】スキルでドアの内側へ。

 ベッドで寝ている水野に、【睡眠】の魔法をかけ、さらに深い眠りへと誘う。



 これでよし。


 まず、水野のPCを立ち上げる。

 マイクロソフトアカウントと同期しているらしく、パスワード入力画面が表示された。


 アカウントに対して【個人情報開示】を使用。

 個人情報開示の優れた所は、そのアカウントのパスワードが表示される事だ。


 ステータスウィンドウに表示されたパスワードを入力!


 タタタッターン!

 ログイン完了!


 くくく、やっぱり便利、ボクの個人情報開示。

 さて、次の作業だ。


 PCにUSBメモリを挿し、データを移行する。

 今日式場で流した動画と、編集前の元データなどだ。


 ふふふ、これでコイツはこのデータを持っていた、という証明になる。

 そのまま、水野のスマホをケーブルでPCに接続。

 移行したデータのうち、鷹司と香苗の行為動画の30秒簡易版をスマホにコピー!


 スマホを取り外し、ロック解除作業。

 指紋認証だな。


 祥子ちゃん、おててお借りちまちゅねー。


 ロックは無事解除され、ホーム画面にあるSNSを起動した。


 さあ、動画投稿しておきますねー。

 そのあとで、動画へのリンクと、君の詳細なプロフィールを、炎上まとめ系インフルエンサーにタレ込んでおいてあげる。



 ふふふふふふふ。

 

 



 ─────────────────────





 香苗と忠之の結婚式会場で、水野祥子はスカッとしていた。


 香苗には内心ムカついていたのだ。

 

 好き勝手不倫して、最終的にはそんな事無かったかのように、羽振りの良いイケメンと結婚。


 ズルい、という気持ちがあった。 

 だからあの動画が流れ、どうやら二人が破談になりそうだという事態に、内心ではざまぁみろ、と思っていたのだ。


 式場でも、一部の知り合いに「あれは無いよね、祥子は正しいよ」なんて言われて、「まあねー」なんて答え、優越感に浸っていた。


 なぜ、あんな動画が流れたのかも、美沙の真意も不明だが、正直そこまで気にしてない。


 忠之は謝礼をすると言ってた。

 何か美沙に聞くのは、そのあとでいいだろう。


 本来は二次会にも参加する予定だったので、明日も仕事は休みを取っている。

 予定が無くなったので、たっぷり睡眠が取れる。


 だから、とても良い気分で眠ったのだ。





 水野は電話の着信音で目が覚めた。

 時計を見ると、12時。


 思ったより眠ってしまった。

 スマホのディスプレイには、上司の名前が表示されていた。


 休みなのに何よ、もう、と思いながら電話を取った。


「はい、水野ですけどー」


「お前! 何やってんだ!」


「えっ? 何ですか?」


「お前の呟き、まとめられてるぞ! しかもお前のプロフィールまでバレてる! どうしてあんな動画をアップしたんだ!」


「えっ? えっ?」


「とにかく、もう遅いけど動画は消せっ! 俺は他の部署とこれからこの件で会議だ!」


 それだけ告げると、上司は一方的に電話を切った。


「何よ、一体⋯⋯えっ?」


 通話が終わったホーム画面にある、SNSアプリの通知数がおかしい。

 

『999,999+』


「えっ⋯⋯何、コレ」


 慌ててタップするも、通知数が多すぎる為か、なかなか起動しない。


 スマホからの起動は諦め、普段使用しないPCからのログインを試みる。


 自分のアカウントを確認すると──。


 見慣れない呟きが固定されていた。



「わかる人にはわかると思うけど(笑)今日の元データ(笑)」


 動画が添付されている。

 確認すると、30秒ほどの男女の行為動画だ。


 顔にはモザイクが掛かっているが、昨日の結婚式の参加者なら、これが何を意味するか一目瞭然だろう。


「えっ、なんで、私」


 混乱しながらリプ欄を見る。

 呟きには、大量のリプが付いていた。


「聖地巡礼」

「これは酷い」

「さすがにやり過ぎ」



 そんなリプ欄に、気になるものがあった。


「道端アソヅェリカから来ました」


 道端アソヅェリカ。

 芸能人の不倫や、痴漢事件の犯人特定、その他さまざまなゴシップを発信する、200万フォロワーを擁したインフルエンサーだ。


「ど、どうなってるの!?」


 ユーザー検索から、道端のアカウントに飛ぶ。


 そこには、水野の固定した呟きを引用したものが表示されていた。



「山口県のTV局員、友人の行為動画をSNSに投稿。

 男性のSっ気タップリのプレイにファンまで登場する事態に。

 なお、アップした人物のイニシャルはSMと、動画内容と奇妙に一致してる模様」


 血の気が引いた。


 このアカウントは、一部の友人や仕事場の人間に自分の物だと伝えてある。


「は、はや、早く、消さない、と」


 自分のアカウントへと戻り、呟きを消そうとする。


 だが、手が震え、マウスが上手く操作できない。

 何度もカーソルを合わせようとするが、その度にズレてしまう。


 やがて、水野はマウスから手を離し、両手で頭を抱え、叫んだ。



「いや、いや、いや⋯⋯イヤァアアアアアアッ!」

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
新作です!

『レンタル魔王』は本日も大好評貸出中~婚約破棄騒ぎで話題の皇家令嬢に『1日恋人』を依頼されたので、連れ戻そうと追いかけてくる婚約者や騎士を追っ払いつつデートする事になりました~

「決勝で会おうぜ!」と約束したのに1回戦で敗退した俺。いつの間にか「真の優勝者はアイツ」みたいな扱いをされてしまう~待って待たれてまた待って~

その他の連載作品もよろしくお願いします!

『俺は何度でもお前を追放する』
コミカライズ連載中! 2022/10/28第一巻発売! 下の画像から詳細ページに飛べます!
i642177

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
書籍化作品! 画像クリックでレーベル特設ページへ飛びます。
i443887 script?guid=on
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[一言] ガレソいて草
[気になる点] 美沙ちゃん普通に可哀想だからなんかいい感じに収まってくれたらいいな お義父さん達は…御愁傷さまですとしか言えねぇ…身内の不祥事だときついな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。