これしかないんだと思ってるくせに
上手く見られようとしている
才能があると思われようとしている
そんな自分に腹が立つ
自分にはこれしかないんだと
苦し紛れに
すがるように
ペンを取り始めてから
ずっと才能があってくれと
願ってきた
それでもあまりに続く
空白の日々に
箸にも棒にも
引っかかる気配すら
感じ取れない日々に
薄々
マズイんじゃないかって
気付き始めて
自分で言うのもなんだけど
それでも自分にはこれしかないと思っていたし
実際そうやってすがっていないと
立ってさえいられなかった
まあ その足掻きも
結果から見れば悪手で
どっちにしても
折れて壊れて
立ち上がれなくなるなら
早いほうがよかったとすら
思ったんだけど
僕をこんなにしたのは
無駄に夢なんか見たせいでって
恨んで呪ったのに
どうしてもやめられなかったんだ
だからどうにか立ち上がれたつもりになっている今でも
未だに僕にはこれしかないんだと
良くも悪くも思っている
だから余計に腹が立つんだ
この期に及んで
まだ上手く見えるように
才能を感じさせるように
どこかこすっからく狙っている自分に
こんな事をしていたら
とにかく底の浅い自分がより際立つだけ
より惨めさが増していくだけなのに
最後まで残ったのは
伝えたいと伝わってほしい
それくらいだったはずなのに
それをさらけ出せもしないで
向き合う事からも目を逸らして
これじゃ結局お前は
今も昔も
自分を誇示したかっただけなんだって
言われても仕方ないな