叶えてスイッチ。
願いをスイッチに。の別バージョンです。
男→ツッコミ、燕尾服の男→ボケ
男「寝過ごした!遅刻だ!」
男が布団から飛び起きる。ごとっと音がして見ると、スイッチがあった。
男「なんだこれ。」
スイッチのボタンをなんとなく押すと、窓が開いて燕尾服姿の男が現れた。
男「え!ドロボー!」
燕尾服の男「違うぞ。青年は、スイッチのボタンを押された!願いを叶えて進ぜよう。」
男「え!これがあの有名の魔法のランプ。」
燕尾服の男「違うのだよ!青年!これは、主人の願いを三つまで叶える摩訶不思議の三角形の魔法のスイッチボタンなのだよ!略して、おにぎりスイッチなのだよ。」
男「無駄に長いな!どこにおにぎり要素あった?!三角の所か!」
燕尾服の男「青年よ!時間は有限也!願いを言いたまえ。」
男「そうだな。俺遅刻しそうなんだよ。時間戻す事ってできる?」
燕尾服の男「過去に戻ると言う事だな。青年よ!任せろ!」
燕尾服の男が部屋に掛けてあった時計を手に取る。
燕尾服の男「ていやー!!」
窓の外へ、円盤のように飛んでいった。
男「え?」
燕尾服の男「さあ、これで問題なくなった。」
男「何すんだよ!」
燕尾服の男「時刻さえ見えなければ、ノーポログレムだ!それに、私は丸型は嫌いなのだ!I Love トライアングル!」
男「いや、問題解決して無いし!お前の三角愛は知らん!それに、英語できてないぞ!」
燕尾服の男「さぁ、次の願いはなんだ!青年よ。」
男「いやいや、叶った事にするなよ!」
男のスマホが鳴る。
男「やば!課長からだ!お前の所為で遅刻確定じゃないか!電話出たくないなぁ。」
燕尾服の男「それならば、私に願うと良いだろう。さぁ、願いたまえ!」
男「え?代わりに出てくれるの!それなら、俺が風邪引いたって事にしてくれる?」
燕尾服の男「良いだろう!あっ、もしもし、課長さんですか。彼は風邪を引いて寝込んでいます。え?私ですか。私は、主人の願いを三つまで叶える摩訶不思議の三角形の魔法のスイッチボタン、略しておにぎりスイッチ!」
男「やめろーー!!返せ!課長……。切れてる……。」
燕尾服の男「まぁ、これでノーポログレムだな!青年!さぁ、次の願いを言いたまえ!」
男「no problemだ!!ってそうじゃねえー!!なんてこと言うんだよ!明らかにやばい奴だって思われたじゃないか!」
燕尾服の男「それならば、願うと良い!課長との仲を良くしたいと!」
男「そんな事出来る訳ないだろ!どうするんだよ。俺、クビになっちまう。」
燕尾服の男「願うんだ、青年。私は今までダメダメだったが、一番得意なのは人と人を結びつける事なのだ。任せるのだ!」
男「ダメダメだった自覚あったんだな。分かった。ダメもとで願うよ。」
燕尾服の男「ありがとう青年。それでは、行ってくる!」
燕尾服の男はそれ以降帰ってこなかった。
次の日。
男「あの男帰ってこなかったなぁ。いや、あいつの事は忘れよう!」
男、仕事場に行く。
男「おはようございます。課長、昨日は申し訳ありませんでした!」
課長「良いのだよ。君も疲れていたのだろう。次から気をつけておくれ。」
男「課長、ありがとうございます!」
課長「後、その……だね。」
男「?」
課長「手紙、ありがとう。君の気持ちは嬉しいが、私にも妻や家族がいるのだよ。だから、申し訳ないが君の気持ちには応えられない。課長と部下の関係のままでいないか。」
男「あいつ!!何しやがった!!」
男はポケットに入れていた三角形のスイッチを窓からぶん投げた。スイッチは円盤のように飛んでいった。
終。
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