パターン2:主人公パーティーと交流してしまった先輩モブパーティーの末路(前編)
***
「恵みの森」と言われる広大な森林、豊富な木の実と野生の獣やモンスターたちを求め、狩人や冒険者たちが日夜行き来するその森の一角で、一組のパーティーが戦闘を繰り広げている。
晴れわたる空、きらめく木漏れ日の下で、赤毛の女格闘家、アキナの華麗な回し蹴りが、銀色の一角熊の巨体にめり込んだ。
その力強い踵は的確に急所である後頭部に叩き込まれ、まだ余力があったかに見えた熊は、どうと音を立てて倒れてしまう。最早、勝敗は明らかだ。
「ふうっ」
戦闘を終えて一つ息をついたものの、汗一つかいていないアキナに、ケッジがキラキラと輝く尊敬の眼差しを送っている。
「すごいや、弱点を一発で仕留めちゃうなんて。お姉さん強すぎぃ!大型獣人並みだねえ!!」
アキナの表情が微妙に曇った。ケッジにこれ以上は喋らせてはいけないと、慌ててウィルが遮る。
「スミマセン、こいつなりに誉めたつもりなんです!」
「別にいいわよ……」
「アキナさんみたいに素手でモンスター倒しまくる人なんて、男でも見たことないですからね」
せっかくアキナが気にしていない素振りを見せるのに、ウィルは悪気なく追い打ちをかけてくる。
「人間のパワーじゃないって、つい言葉に出しちゃったんですよ!!」
「ウィル、それも決して誉め言葉じゃありませんよ」
人を癒すべき杖で、セリーナが容赦なく頭を殴る。
制裁されたウィルが痛みに堪えかねてうずくまると、代わりにセリーナは深々と頭を下げた。
「すみません、礼儀がなっていなくて……」
「いやあ、いいんですよ。本当のことですから」
答えたノブが、今度は制裁を受けた。
暴れ牛も気絶させるアキナの拳にどつかれて、ノブは倒れ伏す。
そのやり取りを見ていたセルビーは、やれやれと肩を竦めた。
「なぁんか、同レベルだな。うちのリーダーもノブさんも」
隣で聞いていたテリーがくすくす笑う。
「ああ。アキナとセリーナさんも、雰囲気はぜんぜん違うのに、いい勝負みたいだなあ」
いい勝負、か。確かにな。
一連の楽しげなやり取りを見つめるグウェンだけは、心中穏やかとは言えなかった。
年下のメンバーが言う通り、ノブのパーティーの実力は大したものだ。
それぞれの能力は平均的なものの、豊富な戦闘経験とチームワークでお互いの長所を伸ばし、短所はカバーし合って、平均を大幅に上回る強力なチームを作り上げている。
そんなパーティーと協力関係にあることは、とても頼もしい。
だがそれも、味方であれば、という前提での話だ。
ひとたび立場が入れ替われば、強い味方は厄介な敵にもなり得る…
「心配か?」
低い声が足元から響いてきた。はっと目を下ろすと、コアラ型の獣人・ヴェンガルがそこにいた。
警戒を解いていたとはいえ、まるで気配を感じなかったことに驚く。
「まあ、無理もねえやな」
歴戦の老剣士は目を細めて厳しい表情を作った。
「実力がありながら、富や権力なんて詰まらねえモノに目が眩んで、魔王のもとへ走ったバカは大勢いる。
そういう連中が、どんな姿になって何をしたか…さんざん見てきたろうよ、お前さんは」
この不思議な剣士は、心が読めるのかもしれない。
グウェンの脳裏には、過去に見た陰惨な光景がよぎった。
昨日まで普通の人間であった者が、異形と化し、罪のない人々を狩りたて、奴隷として使役し、愉しみのためにいたぶって殺してしまう。
そんな世界だからこそグウェンは、自分だけは最期まで人間であろうと心に決めている。
その想いは、共に闘っている仲間たちも同じであると感じられる。
だが、ノブたちを信用できるかと言われれば、答えはまだ否だ。
彼らのことを知っているとは言い切れないこの状態で、判断はできない。
押し黙るグウェンに、ヴェンガルはニッと笑って見せる。
「疑うことは悪い事じゃねえが、まあ心配すんな。
ウチの連中ときたら、バカがつくほどお人好しだからよ」
年齢を重ねている分、グウェンよりも過酷な経験をしてきたであろうこの剣士に、ここまで言わせるノブとは何者だろうか。
ウィルやノブたちがいるほうを見ると、白魔道士の少女が治療を始めていた。確かミアという名前だ。
先ほどの熊との戦闘で、少し腫れていた女格闘家の手に杖をかざし、癒しの呪文を詠唱する。
格闘家の手から、すぐに腫れが引いていき、無傷の状態に戻った。
今度はセリーナのスミレ色の瞳が、尊敬の念に輝いた。
「すごいですね、こんな短い時間の詠唱で治してしまうなんて。
私だったら、倍くらい続けないと完治させられないですよ」
誉められるのが苦手なのか、ミアは慌てて首を横に振る。
「こんなの、慣れですよ。ちょっとしたコツを覚えれば効率よく治せます。
田舎の教会で修業した私と違って、セリーナさんはちゃんとした修道院で教えを受けた方だし、潜在魔力も高いんですから、きっと私なんか足下にも及ばない治療師になれます」
「そんな……私は環境に恵まれただけで…ミアさんは素晴らしい魔道士だと思います」
ミアの言い分にセリーナは納得がいかないらしく、珍しく反論に出た。ケッジもその後に続く。
「そうだよ、ミアちゃんは凄いよ。誰も治せないって言ったセリーナの病気を、治しちゃったんだもん!!」
ケッジの言う通り、ミアはセリーナの命の恩人だ。思えば、ノブのパーティーと縁づいたのも、ミアのおかげなのだ。
旅の途中、出会った者すべて死に追いやる毒蝶が棲むという伝説がある岩山に入った一行は、その伝説の通り厄介な蝶型の魔物と熾烈な戦いを繰り広げた。
あと一歩というところで瀕死の蝶が放った五人分の死の呪いを、セリーナは機転を効かせて呪いに耐性のある自分一人が受けたのだ。
しかしいくら耐性があるとはいえ五人を殺せる呪いは強力で、セリーナは手の施しようがない状態だと素人でもわかるような危険な状態に陥った。
やっと近くの村に運んだもののそこは山奥のことであり、医者も祈祷師も呪いを解き治療するほどの腕のある者はいなかった。
息も絶え絶えに、高熱にうなされるセリーナを前に、何もできず絶望していたウィルたちの前に現れたのが、ノブのパーティーだった。
彼らも冒険の途中で偶然に村に寄っただけだったのだが、藁にもすがる思いでセリーナをミアに診せると、彼女はすぐにありったけの聖具を使って呪いを解除してくれた。
更には眠らず一晩、ずっとセリーナの隣について回復技をかけ続けた。
セリーナが危篤状態を脱し、命に別状がないまでに持ち直すと、ミアのほうが倒れてしまったほどに、真剣に治療してくれたのだ。
「ケッジの言う通りです。あの時、ミアさんがいなかったら、私は……」
セリーナが呪いで受けた痛みと苦しみは測り知れない。
だからこそ、彼女のミアへの感謝は生半可なものじゃないだろう。
「私は、ミアさんこそエーヤン一の白魔道士だと思ってます!!」
きっぱりと言われて、ミアは戸惑っているようだが、セリーナのまっすぐな視線を受け止めて、自分も語り出した。
「私は、昔、師である教会のシスターが教えてくれた通りに、困っている人がいたから助けただけ。当たり前のことをしただけなんです。
でも……それでも、感謝してもらえるって、とっても嬉しいことですね」
にっこり笑った彼女の笑顔には、胸が温かくなる不思議な力があった。その場に居る誰もが、グウェンすらも微笑んでいる。
確かに、大したお人好しだ。
と、奇妙な音が鳴り響いた。
セルビーの腕に嵌めている謎の機械、本人は「スーパーお宝発見機6号」と呼んでいるものが反応し、音を立てたのだ。
「むむぅ!?」
セルビーは機械を覗きこみ、丸い画面に映っている波形を確認すると、嬉しそうな声をあげた。
「6号がお宝発見!ここから2キロ先に、レアメタル・アップルが生ってるみたいだよ!!」
それを聞いて大きく反応したのはケッジだった。三角形の耳をぷるぷる震わせ、灰色の毛が逆立つ。
「レアメタル・アップル……野生のリンゴの木に実をつける、小さな銀色のリンゴだね。
名前の通りに果肉はレアメタルで出来ていて、確か売り値は底値でも……5万ダリ―だぁ!!」
不本意な身の上とはいえ、盗賊のサガというやつか。ケッジのお宝への知識と執着は凄まじいものがある。
こうなっては誰もこの狼を止められない。
「誰かに取られちゃう前にゲットしないと‼急がなきゃ!!」
走り出したケッジは、なぜかこちらへ向かってきた。
「僕じゃ木登りできない!!コアラさん手伝ってね!」
なるほど狙いはヴェンガルということか。
老剣士は子供嫌いではないようで、ケッジに対してもけっこう気さくだ。
「ん?いいけどよ。俺はお前みたいに早くは走れな……」
最後まで言わせず、ヴェンガルの襟足をパクッと咥えて、ケッジは走り去る。
「おいおい、くわえるなくわえるな」
グウェンが止める間もなく、老剣士のゆっくりとした声が遠ざかってゆく。
すぐにセルビーがバギーで後を追った。
「ちょっと待ってよ、売らないからね!?カスタムアップに使うんだから!!
コアラよりボクの『自動フルーツもぎマシン3号』のほうが絶対、木登りも上手いし!!」
プンプン怒っている彼女の横の席には、やけにでかいハサミがついた、妙な機械が乗っている。
あんなもので木登り競争でもさせられては、ヴェンガルは無事では済まないかもしれない。
「おいお前ら!!ヴェンガルさんに失礼なことすんじゃねえよ!!」
どんどん行ってしまう年少組に危機感を覚え、グウェンは彼らしくもなく取り乱し、全速力で追いかける。
この顛末を眺めながらノブがくすくす笑っているのを見て、ウィルは恥ずかしさで顔が赤くなるのを感じながら、そろそろと頭を下げた。
「すみません、うちの盗賊が懐いちゃいまして……」
ノブは笑顔のまま、首を横に振ってくれた。
「いいんだよ、ヴェンガル先輩も楽しそうだし」
こちらに気をつかっているのではなく、本心からそう言ってくれているのは、ノブの目を見ればわかった。
この人をグウェンがどう見ているのか勘付いているウィルは、どうしようもなく申し訳ない気分になってしまう。
「あの……グウェン、なんですが」
「ああ、疑っているみたいだな。俺たちのこと」
あっさりと言うので、心底驚いた。
看破していたことも驚きだが、それ以上に、まるで怒っていない様子なのが不思議だ。
やはりノブ、只者ではない。
「すみません、こんなに良くしてもらっているのに」
「謝ることはないさ。こんな時代だ、親切にしておいて見返りを求めてこない奴なんて、何か企んでいるか大馬鹿だ」
ノブはウィルに目をやると、悪戯っぽく笑ってみせる。
「ちなみに俺は、企んでるほう」
「えっ」
予想外の言葉だったが、続けて語られたのは実にノブらしい理由だった。
「こんな時代だからこそ俺は、人に優しくしたい。
自分のしたことが自分に返ってくるっていうのは、何も因果応報とか自業自得とか、そういう悪いことばっかりじゃないはずだ。
誰かに優しくすれば、自分にも優しくしてもらえる。相手を信頼すれば、こちらも信じてもらえる。
それぞれの心の繋がりこそが、魔族にはない、人間のもってる強さだっていうことを、君たちと協力することで証明したい。それが…俺の魂胆ってところかな」
ああ、やっぱりこの人は凄い。ウィルの心は打ち震えた。
ノブの言ってることは、綺麗ごとに過ぎないのかもしれない。
それでも、その綺麗ごとを実現しようとしている人がいる。
その事実は、ノブと同じく人間の善なる部分を信じたいウィルの胸を熱くさせた。
「ノブさん、俺の剣の師匠は爺ちゃんだけど、冒険者の師匠はノブさんです!!」
抑えきれずに、そんなことを宣言してしまう。
「これからは弟子を名乗らせてください!!師匠!!」
興奮しているウィルに目を丸くしながら、ノブはやりづらそうに頬をぽりぽりと掻いた。
「いやあ~、師匠って、ガラじゃないしなあ」
「またまた。ちょっと嬉しいくせに」
横で聞いていたテリーが、ニヤニヤしながら肘でノブを小突く。彼の言う通り、満更でもなさそうだ。
少し離れて様子を見ているアキナが、やれやれと首を振った。
「仕方ないわね、男どもは」
「でもリーダー、楽しそう」
微笑みあうアキナとミア。
傍らにいるセリーナにも、このパーティーが深く、心が通じ合っているのがわかる。
この人たちとなら、きっと平和を取り戻せる。セリーナがそう確信した時だった。
突如、黒い影が頭上を横切った。
辺りに満ちる、不穏な空気。その場にいる全員が素早く武器を構える中、それは悠然と目の前に現れた。
艶やかな黒い長髪を背中に垂らし、蝋のように白い肌をした、長身の男である。
袖や裾に鴉の羽をあしらった、毒々しい深紅の分厚い魔術師のローブを着こんでいるものの、手には杖でなく細身の剣を持っている。
「これはこれは、我が分身が騒ぐので来てみれば」
涼やかで、品のある、しかしゾッと背筋が凍りつくような声。端整な顔に酷薄な笑みが浮かぶ。
「贄と成り得る獲物がこんなにも……」
間違える余地も無い、魔族だ。
「何なの、コイツ」
震え出しそうになる拳をどうにか抑え、アキナが呟く。
持っている剣をまるで指揮棒のように振り上げた魔族の腕を見て、ミアが鋭く叫んだ。
「腕輪に魔王の名前が…この人、幹部です!!」
上級魔族のなかでも、ヘルフェレスの名を刻んだ装身具を着けることが許されているのは、魔王直属の精鋭のみ。
ここに居る六人で戦ったところで、勝算はあるか?
ウィルにはわからなかったが、こうなった以上は、戦うしかない。
剣を握る手に力を込めるも、ノブの決断は違った。
「ミア、頼む!!」
「はい!!」
ミアが杖を振り、ウィルとセリーナの足下が白く光り出した。地面に光の紋章が丸く浮き上がる。
転送魔法だ。
「ノブさん!!俺も戦います」
溜まらず叫んだウィルだが、ノブは頷かない。
「ひとまずグウェンたちの所へ飛ばすから、万全に準備したら合流してくれ!それまで俺たちで時間を稼ぐ」
ノブの言う通り、ウィルとセリーナが居ては、かえってチームプレイを乱してしまう。
ここはノブたちに任せて二人はいったん退くべきだ。
しかし、それは本当に最善の策だろうか?
今まで戦ってきたモンスターや下級魔族とはまるで違う、禍々しい魔族の男を目の辺りにして、セリーナの胸は不安で押し潰されそうだった。
自分の強さに対する絶対の自信からくる余裕の表情。
手に入れた獲物をいたぶる愉悦への期待が、残虐な光となって、その目に宿っている。
「ミアさん……」
弱弱しい声で名を呼んだセリーナを安心させようと、ミアは優しく微笑みかけてくる。
その向こうで、やはり穏やかな表情のテリーが親指をぐっと立てた。
「大丈夫、先輩に任せときな!!」
ミアの杖が大きく振られ、一陣の風がウィルとセリーナに吹きつけた。
転送魔法が効果を放ったのだ。
「すぐに戻ります!!それまで…」
ウィルが絞り出した叫びは最後まで続けられず、ひときわ強い閃光が迸り、二人の姿は消えた。
残った四人はすぐさま思考を戦闘へ切り替え、完璧なフォーメーションで魔族を囲む。
「二匹、逃げましたか。まあいい」
四対一の構図になりながら、魔族はまるで意に介していない様子で、悠々と剣を構える。
「四匹もいれば、今日の贄には十分ですよ」
赤い唇が、笑みの形に歪む。ノブは攻撃の型に構えた。
「やってみろよ」
一人足りないとはいえ、今まで幾度となく死線を乗り越えてきたチームだ。
後から来るであろうウィルたちのためにも負けるわけにはいかない、誰一人、死なせはしない。
全員が同じ覚悟のもと、闘いの火蓋は切られた。
***
転送魔法がかけられた時に感じる、一瞬の浮遊感の後、ウィルとセリーナは柔らかい草むらに着地した。
目を丸くしたケッジがバランスを崩して転び、尻もちをついたのがまず目に入る。
「わああ、ビックリしたぁ」
白い光が走ったかと思ったら、いきなりウィルとセリーナが目の前に現れたのだから驚くのも無理もない。
その場に居たのはケッジとグウェンとセルビーの三人だけでヴェンガルの姿がないことに気づき、嫌な予感がウィルを襲う。
「ヴェンガルさんは……?」
「それが、何だか嫌な気配がするって、怖い顔してノブさん達のほうへ戻っちゃったんだよ。
ついて来るなって言われたけど、僕たちも追いかけようかって話をしてたんだけど」
おろおろと答えるケッジの向こうで、セルビーも不安そうにしている。
グウェンは落ち着いて見えるが、やはり経験が上な分、尋常でない雰囲気を感じ取っているようで、その顔には厳しい表情が浮かんでいる。
「何かあったの!?」
セルビーの問いに答えたのはセリーナだった。
「すごく強そうな敵が……魔王の幹部が現れたんです!!バギーを乗用に変えてもらえますか!?」
言われた通り、急いでバギーの切り替えスイッチを押そうとするセルビーだが、
「だめだ!!」
緊迫したウィルの声が制止した。ハッと手を止めるセルビーと驚いて振り返るセリーナに、ウィルは軽く首を横に振る。
「セルビー、確かバギーは乗用にすると、積めるアイテムの数が制限されるんだったな?」
「そうだよ。みんなが乗れるスペースを確保するには、アイテムボックスを車体から外さないといけないから、今の半分くらいになっちゃう」
「なら、バギーは運搬用のままで走らせてくれ!」
ノブは準備を万全にしろと言っていた。アイテム一つとして、無駄にするわけにはいかない。
メンバーの体調も、現場まで崩さず保たなくては。
「ケッジ、これから走るけど、早く行き過ぎたらダメだ。俺たちに合わせてくれ」
「う……うん、わかった」
「セルビーも、今回は斥候はやらなくていい。俺たち全員で到着して援護しなきゃ意味がないからな。
くれぐれも単身突っ込むような真似はするな」
「了解!!」
暴走しがちな年少組に釘を差し、ウィルは改めて全員に向き直る。
「みんな、急ぐけどバテないように呼吸を整えろ!!
今回の敵は今までとまったく違う……出来る限り、ノブさんたちをサポートできるように、俺達も力を合わせよう!!」
「はい!!」「わかった、がんばる!!」「了解だよ!!」「おっしゃ、行くか!!」
四種類の返事は、ウィルの胸に心強く響いた。
「行こう!!」
先頭切って駆け出したウィルの姿もまた、続く四人にこの上ない勇気を与えてくれた。