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僕と彼女の距離について  作者: 夜は当然寝ます
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帰り道の回想

帰りの電車の中は、ぽつぽつと人が座っているだけだった。

手持ち無沙汰からか、ポケットに入れていたドアに挟まっていた手紙を開いて読み直してみた。


相変わらず無機質な文字からは感情を伺えない。


「美織さんってノートとか取らないんですか?」

テストを控えたある日、あの部屋で僕はそんな質問をした。

「授業用のノートパソコンの内容をコピーしてあげる。」

ケーキを口に運ぶ合間に、答える。

「えっ全部データ化してるんですか?」

部屋はこんなにしてるのに几帳面なんだなと少し驚く。

「どちらかというと、紙とか信用してない。バックアップも取れないし。」

つまり、ペンも紙も使わないのかと心にメモしていると、

「それと、字が汚い。」

当然の様に言う彼女だが、こういう時急に人間味を帯びる気がしてそこを可愛く思っている僕だった。


だからか僕はこの手紙が好きだった。


これからのやり取りを思っていると、知らぬ間に最寄り駅だった程だ。


明日は、便箋でも用意して行こう。柄にもなくそんな考えを小さな声で披露した。


そして僕の住む街は騒がしいなと、思った。

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