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巫女少女の暴走



 お久しぶりですね、二週間ぶりにフェイクを更新した滝峰つづりです。


 サブタイトルがなんかちょっとアレですが大した事ではないですよ?


 それは置いておくとして、やっと中間テスト終了! やったね終わったよ~(≧∇≦)


 でもテスト返しが残ってる。ちくしょう泣けてきそう。


 てな訳で、また次話から一週間周期です。ま、私が逃げなければ、ですけどねww(苦)


じゃあ前書きはこの辺で終わらせて頂きます。また来週ノシ



 余計な力はいらない。要は呼吸とタイミング。空気を切る拳じゃなく空気に乗せる拳を……撃つ!!


 ひょろひょろ~~。


「なんでそうなるのよ! ポイントは呼吸とタイミングって教えたじゃない!」


 後ろの巫女服少女から叱咤が飛ぶ。


 いや、ちゃんとしてるんだよ? ただ無理なんですよ、ロクに喧嘩もしたことがない子供には。


「はい、ちょっとこっち来て」


 またお呼びだしですか。これで通算三二回目……。


「ちゃんと教えられた事を実行したぜ?」


 足を捕られる砂場を抜け、蒼空が腰掛けているベンチへ移動。これも三二回目。


「ちゃんと伝わってないから呼んだのよ!」


 だって蒼空の教え方が下手なんだよ! ―――とは言えない。言ったらどんな顔されるか解ったものじゃないもん。


「だから、余計な力を抜いてババッとしてバサッとやってスーッとやればドカンとできるのよ。あ、スーッ、てところがポイントよ」


 具体的に教えて頂けないかな、特にそのスーッの所をさ。


 とりあえず、絶対に蒼空は教師に向いてない。これだけは納得できた。


「じゃあもう一度だけ型を見せてくれ」


 わざと聞こえるため息を吐いた蒼空は、しぶしぶと立ち上がりある程度の広さを確保してから構えに入る。


 脱力。


 余計な力は要らない。そう教えた通り蒼空は構えらしい構えを取らず、ただ立っているだけにしか見えない。蒼空曰く……。


「よく格闘技で両手を前に出した型があるじゃない? あれって無駄だと思うのよね、だってどこにどうくるかとかある程度絞れちゃうじゃない。だから私の型は基本、構えをとらないのよ?」


 とのこと。ふ~ん。


 よろっと蒼空の身体が揺れた。


 ヒュッと風が凪ぎ近くの草木がせわしく騒ぎ立つ。土埃が舞い上がり蒼空の放った一撃を追うように宙に消えた。


 たったの一撃でこれだけの威力。毎度見るたび鳥肌がたつ。


 だが肝心の手応えは……。


「どう? スーッ、でしょ?」


「あ、ああ、スーッだな。アッハッハ」

 だからスーッてなんだよ!





 あれから二時間弱スーッを理解できないまま今日の特訓はお開きとなった。


 俺の今日の成果はひょろひょろ~。から、へなへな~。くらいまでは進歩した。


 今考えれば春休みも数えてみれば残り三日。俺、この赤い髪で高校デビューとか嫌なんだけど。


 一回は髪染めをしようとした。だが蒼空に怒られて、それっきりそういったモノに手を出していない。


 「私を否定するつもり!?」と、今にも泣きそうに怒られたらそりゃぁ………ね?


 なんでそんな顔されたのか今でも解らないけど、流石に女の子を泣かせて悦に浸れる変な性癖など持ち合わせてない俺は素直に頷くしかないじゃないか。


「あーあ、真紅って眼はいいんだけどなぁ~」


「平和ぼけした今の高校生にこれ以上何を求める」


「高い指導力と戦闘性能。そうね、一〇〇人もいれば小規模な軍をまとめられるわ」


「本当に何を求めてんだよお前……。」


 ま、聞かずとも冗談なんだろうけど意識せずにツッコんでしまう。俺ってツッコミ気質なのかな?


「そして襲撃と略奪を繰り返して軍を大きくしていき……いずれは国として……。」


「お、おい蒼空?」


「あ、は、はいこちら蒼空です!!」


「大丈夫かお前」


「大丈夫だ、問題ない」


 なんでエル○ャダイネタを知ってるかは置いておくとして、だ。


「今明らかに悪役っぽいセリフだだ漏れだったぞ」


「き、気のせい! お願い忘れて!!」


 気のせいって言って忘れてって分かり易いなお前。


「いや、地球の平和に関わりそうなヤバい野望を聞き逃していいわけないだろ」


 顔を真っ赤にした蒼空の顔面パンチ。


 なす統べなく後頭部から倒れた。


 あぁ、フローリングの床って冷たくて気持ちいい。


 しばし放心状態の俺。心配になってか顔を覗き込んできた蒼空。


「ゴメン、力入りすぎた。………おーい……。」


 空白の五秒。蒼空がこくりと頷き、


「返事がない。ただの屍のようだ」


 ドラ○エネタ要らないって! ……いや、待てよもしかしてこいつ、


「わかった、お前ゲームマニアだな?」


 鼻を押さえて上体を起こし蒼空を睨む。あ、目を逸らした。


 どうもそんな感じだった。


 多分さっきの軍だのなんだのってのはゲームに影響されたんだな。


「ち、違うし、ゲームマニアとかじゃないし……」


「どうしてド○クエを知ってるんだよ!」


 そもそも神様がゲームってなんだよ……。


「さ、最近の人間がよくやってたから……あ、ほら、人間の事を深く知るため?」


 疑問形乙です。


「で、ドップリ浸かったのか」


「か、勘違いしないでよね! ゲームは一ソフト一時間って決めてるんだから!!」


 満遍なくクリアしていくんだな。えらいえらい、って、言うわけ無いだろ!!


「救済の余地などないくらい浸かってるじゃないか」


「だって……」


 言葉を溜める蒼空。


「面白いんだもん。仕方ないわ! ああそうよ、私はゲームにハマってしまいました! RPGも好きだしシューティングも格ゲーも、そして、も、萌えゲーだって十八禁ゲームだって、とにかくゲームは全部好きですぅ~~~。悪い?」


 開き直った人は潔いって聞いたけど、神様も開き直ったら潔いんだな。いや、恐れ入ったよ。





 若干気圧され気味で引きつった顔を持ち直し、話題を逸らそうとあれこれしてみたが、結果から言えばむしろ蒼空に火をつけてしまった。


「――砂漠地帯? だったら毒消し草は五つ買って行くべきよ砂漠のサソリはすぐ毒針を向けてくるから」


「いや、一度は砂漠とか行ってみたいなって話だったよね? どうしてゲーム方面に直結してるんでしょうか?」


「なによ? 私の助言が不服なわけ」


「いや、ね? その………ごめんなさい」


 なんで謝っちゃったんだろ。蒼空、頼む、早く戻ってきてくれ。


 俺だってゲームはする。三時間は余裕で潰すくらいやってる。でもこの巫女少女は異常だって、なんとかしないと!


「そ、そうだ蒼空、パフェでも食べに行こうぜ、な? うんと甘いやつ」


「………(コクっ)」


 頭から煙が出そうなほど真っ赤に染まった蒼空が黙って頷いた。


 あ、羞恥心が戻ってきてくれた。有り難う羞恥心。


「わ、私、外で待ってるから!」


 言い切る前に猛ダッシュで玄関を抜けていった。


 蒼空の前でゲームネタ、もしくはゲームに触れるネタは禁止っと………。


 一つ、成長した俺だった。





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