学園祭 雑用係2
「おーい、次はこっちたのむわ」
「了解しました。すぐ行きます......ハァ」
なんなんだこの忙しさ。
みんな雑用係だからって、これみよがしに使いすぎだろ…まったく、少しは自分達でがんばる事をしろよまったく、そこに休んでる奴いるだろまったく、働けよまったく、…
と心の中で無駄にまったくを連呼しながら愚痴りつつも手を動かす奴がいた…
というか、僕だ。
去年はクラスの出し物の準備をなーなーでやっていただけだったから楽だったのに…
「おーい、早くこーい」
「ハァ」
文化祭の雑用の主な仕事は、荷物運びと備品の製作だ。
出し物の種類は大きく分けて4種類ある。食べ物系と遊び系と演劇系と展示系。
僕の担当は演劇系。手先が器用なのと美術の成績がそこそこいいからだ。
演劇をやるのは、演劇部とオペラサークルの二つが主なところで、クラスの出し物としてするところは用意が少ないから部とサークルだけを手伝うことになった。
だけ、と言ったが二つとも本気度がすごくて機材が重いのなんのって…
道具はもともとある物を使うらしくちょっと壊れているのを直すくらい。
なので手先器用and美術スキルはあまり発揮することなくほとんどが肉体作業で日々を過ごしていた。
「北村さん、服縫うのうまいね」
「ありがとう。家事全般が好きで縫い物も好きなの」
「へー、北村さんって何でもできるんだね」
「そんなことないわ。好きなことが多いだけよ」
あそこで楽しそうに服を縫って話の話題に上っているのはもちろん和さん。
…何なんだこの差は。
まぁ、仕方ないんだけどね。家庭科スキルはないに等しいし。
たとえあっても男子だからあの輪には入れないし……がぁーーーー、帰りたい。
「次はこっち運んでくれー」
「アイアイサー」
変なテンションにもなるさ。
ほかの部員は食べ物系・遊び系でがんばってるんだろうか?
…秋夜は手伝うというより邪魔にしかなってない気がするし、萌さんは寝てそうだし部長はそもそも手伝いしてるのか…
ハァ、がんばりますか。
その頃、秋夜は
「つぅーん」
部屋のみんなの邪魔にならない隅のほうで小さくなっていた。
「どうせ俺はじゃまにしk「ちょっとじゃまっ」うぅ」
その頃、萌さんは
「スヤスヤZzz」
「この寝顔は神か!」
「ありがたやありがたや」
「いきててよかった」
「もぇたんハァハァ」
…ボコボコドカドカゴスゴス「ブヒーー」
一人の男子に天誅が下る中静かに天使の寝顔を晒していた。
そして部長は
「今日もせかいは平和だな」
と部室でサボっていた