学園祭 雑用係
「んじゃ、それ倉庫に持っていっといてくれるかい」
「わかりました」
そう答えて段ボールを抱え、倉庫に向かう。
僕達幸せ部は、みんなバラバラにいろんな所の手伝いをしてる。
生徒会から他の生徒には、臨時の物好きな雑用係としての派遣だ。
幸せ部の知名度を上げたくない事への対処といった所だ。
なぜ上げたくないかといえば、面白半分でお金欲しい等の無駄な依頼がこないようにかな。
僕達は裏の理念に少なからず考えを持っているから、そういう依頼が増えると腹が立つ。
ちょっとだけね。
だから臨時の雑用係と言う訳だね。
もちろん活動は放課後だ。
自分達のクラス用意もあるからね。
そんな意味でも、生徒会のという肩書きは助かる。放課後クラスを離れるのには。
ちなみに僕のクラスの出し物は無難なクレープ屋さんだ。
メイド喫茶なんて男子の定番な案もでたが、女子勢力によるブーイングの嵐の前に吹き飛ばされた。
秋夜達も喫茶店や食べもの屋さんとかの当日まであまり忙しくないものだった。
雑用係も楽じゃないから、劇とかに決まっていたらと思うと……まぁ、違うんだし考えないでおこう。
倉庫に荷物を起き、外に出た所で会長さんとばったり会った。
どうも。と挨拶して行こうとすると、
「あなたは何故あの部に入ったの?叶えたい事でもあるの?」
と、唐突に聞かれた。
この質問からして、どうやら会長さんは部の理念をしってるのか…
さて、どう答えたものか…
そう思案していると
「ああ、別に答えにくいならかまいません。ただ、それは部の理念だけにとどめておきなさい。
自分の世界に掲げてはいけないですよ」
そう言って、会長さんは行ってしまった。
…どういう意味なんだ。…まぁ、いっか。考えてもしょうがなさそうだし。
と、考えを断ち切り戻っていくのだった。
でも、会長の言葉はしばらく頭から離れなかった。