●番外編 パチパチパニック! ティラミス編
拍手お礼に置いていたものです。
「紅さ~ん、今日はなんのお茶なの?」
「ああ、ティラミスさん。メープルシロップの良いのが入りましたので、紅茶に入れてみました。メープルミルクティーです」
「にゃにゃ~!」
「……(びっくり)」
「いや~ん、美味しい~! にゃわわ~ん!」
「……(にゃわわ?)」
「これ。なにを、にゃーとか、わんとか言っとるんじゃ」
「あ、おばばさま」
「おばばさま~! これ、美味しいですよう。ほんのりメープルの香り~。でもちょっとエキゾチック? な味もします」
「ほお?」
「ああ。実は、キームンにほんの少し、ラプサンスーチョンを混ぜてみたんです。それをミルクティーに……」
「にょほほ~!」
「……(びっくり)」
「大人っぽくも、少女の思い出をほうふつとさせる、ロマンな風味の茶じゃにゃ、はほへは~」
「……(ほへは)?」
「ああ、わかるぅ! セピアな思い出っぽい感じで、にゃにゃ~! ですよね!」
「そうそう、にょほへは~! で、切ないかほりなのじゃ!」
「…………(わからないのは、私だけか!?)」
「美味し~、うれし~。もう、ごろごろ言っちゃう」
「うむ。紅どの、もう一杯所望じゃ!」
「ああ、はい。しばらくお待ちください……」
「これに合うのは、どんなお菓子かなあ?」
「サクサク系ではないかの」
「クッキーとか?」
「スコーンもなかなかじゃ。おお、二杯目が来たぞえ」
「お待たせしました……あ、これをどうぞ」
「金平糖! カワイイ」
「小さな星みたいでしょう? お茶請けにどうぞ」
「おお、これも良いのう。ちょこっとつまんで、まったりお茶じゃ」
「少しの時間でも、くつろいで下さいね」
「お、そうじゃ。これをやろう!」
「? なんですか?」
「あ、パチパチくん! わー、なんか懐かし~」
「パチパチくん?」
「食べると口の中で、パチパチするの。小さい子が喜ぶんだよね~」
「これ……、パニックって書いてありますけど……」
「パチパチパニックじゃ! けど大したことはないぞ。ちいっとパチパチするぐらいじゃ」
「そうですか……」
「……(ワクワクした目で、紅さんを見つめるティラミス)」
「……(にやにやしながら、紅さんを見つめるおばば)」
「いただいて、よろしいでしょうか(重圧を感じ、受け取る)」
「ヒヒヒ。ぱちぱちじゃ!」
「あたしも食べようっと!」
パチパチ。
「あ、これこれ!」
パチパチ。
「うむ、弾けるわい」
パチパチ。
「面白いですね」
パチパチ。パチパチ。パチパチパチ。
パチッ!
「一度に食べてはいかんぞ!」
「そう言いつつ、ごっそり口の中に入れているのはどなたですか」
「ひょひょひょ! こういう事は、やってみたくなるものじゃろう!」
「あたしも~」
パチパチパチパチ、
バチィッッッッ!!!
「あたた、い、いま。すごい弾けた」
「涙目になってますよ、二人とも……って、まだパチパチいってる?
どれだけほおばったんですか、おばばさま!?」
「ひょひょ~ひへ(パチパチ)、ひたた(バチバチ)!
ひ、ひたひ(バチッ)、ひへ、はわ(パチパチ)、
うひゃひゃひゃひゃ~い(バチバチバチバチッ)!」
刺激の強いお菓子は、適量を食べましょう。