表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イトウ・スチール・カムパニー  作者: あくまでもフィクションです。石を投げないで。
7/7

異世界みたいなアメリカのナイツ・オブ・ザ・キュー その2

 午後十二時四十五分。


 マホガニーのテーブルを囲んでいた十二名の男たちは、もはや「敵対する交渉人」ではなく、巨大な利権を分かち合う「新たな同盟者」の(かたち)になっていた。


 午前中の激論は、イチタロウが提示した「ブランド帝国」のビジョンにより、唯一棚上げにされていた、一体型中型包丁などのエントリー商品の販売方法において、供給量と価格設定の劇的な妥協点を見出したことで、一つの終着駅に辿り着いたからだ。



「では、書類の最終確認はランチョンの後にしましょう」


 ボストンが告げると、各々が安堵の表情を浮かべ、手元に置かれていた契約書やメモ、計算尺を鞄やブリーフケースへと丁寧に仕舞い込み始めると、グリーンウッドも冷や汗で濡れた額をハンカチで拭いながら、乾いた笑みを漏らす。


 その静かな片付けの音に合わせるように、壁の隠し扉 (ジブ・ドア)が開き、給仕 (ウェイター)たちが音もなく入室してきた。


 彼らは、書類が取り払われた広大なマホガニーの赤褐色の木肌の上に、完璧な動作でアイリッシュ・リネンの白いプレースマットを敷いていく。


 タングステンの放つ鋭い光に染まった白さは、これから署名される契約書の黄金色の未来を予感させた。




 午後一時ちょうど。


 給仕長 (メートル・ド・テル)が静かに一礼し、メインの扉が再び開かれると、一列に並んだウェイターたちが銀のワゴンを滑らせてきた。


 室内が食卓の準備を整えた静寂に包まれると、イチタロウは静かに立ち上がり、グラスに注がれたシャブリ(フランス産白ワイン)の淡い黄金色をシャンデリアの眩い輝きに透かし、十人の代表団を一人ずつ見渡した。


「紳士の皆様。午前中の有意義な議論に心から感謝いたします。契約の細部については、この後のデザートとコーヒーの時間に、グリーンウッド弁護士が最終的な書面を整えます。それまでの間、ひとまずは事務的な浮き世を忘れ、アレクサンドリア・ホテルが誇る西海岸の恵みを楽しんでいただければ幸いです。

 ……皆様の健康と、これから始まる良き協力関係に」


「乾杯 (Cheers)」


 その控えめながら自信に満ちた挨拶は、代表団の警戒心を解くのに十分なものだった。十二個のクリスタルグラスが、三基のシャンデリアの下で清らかな音を奏でた。




 午後一時十五分。


 最初の一皿、「オリンピア産生牡蠣の冷製」が、砕氷の山の上に盛り付けられて運ばれてくる。


 レモンを絞り、エシャロット(香味野菜)のヴィネグレットを数滴垂らす。その酸味を帯びた(しずく)が、タングステンの光を弾いた。


 代表団たちは、ホテルの紋章が入った重厚なスターリングシルバー (純銀)のオイスター・フォークを手に取った。



「……美味い」


 ボストンが、牡蠣の磯の香りとシャブリの酸味の調和に満足げに頷いた。メニューカードの『Chablis 1904, Vaudésir』は期待通りだった。


 牡蠣が食卓を彩るニューヨークにおいても、ワシントン州オリンピアの入り江から届く小ぶりな一粒は別格だ。その独特な銅の含みを持つ繊細な風味は、当時、気品ある最高級ブランドとして食通たちを虜にしていた。


 刻みエシャロットとレモンを添えたそれを、シャブリ最良の地、ヴォーデジールが生んだ伝説の1904年産で流し込む。


 これこそが、ニューヨークで到達しうる贅沢の極みだった。



「イトウさん、このホテルのサービスは、ウォルドーフ・アストリアにも引けを取らない。……そして、この重厚な銀器の感触だ。これもまた、文明の証左と言える。これに代わるものを世に送り出そうという君の野心は、この食事を終える頃には、我々の共通の目的となっていることだろう」


 ボストンは、慣れ親しんだ「磨かれた銀」の感触を楽しみながら、あえてそう口にした。それは、イチタロウの「ルナ・スチール」を認めつつも、自分たちがこれまで信じてきた「富と伝統」への痛烈な自負でもあった。


 そして、十年の独占契約が終わる頃には、ルナ・スチールはイチタロウの手を離れ、我々が飲み込んでいるだろう――ボストンは、成功の絶頂にいる若き東洋人を、密かに哀れんでもいた。


 グリーンウッドは、この時ばかりは緊張から解放され、冷えたシャブリを一口含んで、ようやく自身の呼吸が深くなるのを感じていた。




 午後一時四十分。


 二皿目の「コンソメ・ルネッサンス」を運ぶスプーンの重みを感じながら、レイモンドは自身の知識を総動員していた。


 琥珀色の澄み切ったスープの底で、緻密に切り揃えられた春野菜とロワイヤルが、まるでルネッサンスの寄木細工のように静かに輝いている。


 それをスプーンですくえば、雑味を削ぎ落とした肉の旨味と、野菜の淡い甘みが喉を優しく撫でていくはずだった。



 特許弁護士であり、冶金学の学位を持つ専門家として、物理法則を嘲笑うかのような『ルナ・スチール』の性質は、レイモンドにはペテンとしか思えない。


(バネと包丁が、同じ「錆びにくい特殊合金」だと? あり得ん。包丁に必要な「硬度」と、バネに必要な「弾性」……この相反する性質を同一素材で両立させるなど、未知の熱処理を想定してもなお、計算が合わない)


 レイモンドの耳には、先ほど聞いたコインホルダーの「キィン」という澄んだ硬質な音がこびりついていた。音色だけでわかる。それが内部欠陥の一切ない、理想的な結晶構造を持つ鋼鉄であることを。



 現在、アメリカは世界最大の鉄鋼生産国となったが、その内実は「粗製濫造」の極みだ。ベッセマー法による酸性転炉鋼は、量産性と引き換えに窒素やリンを孕み、海水中では急速に劣化する。そして、極寒の海でガラスのように砕ける「低温脆性」という欠陥を抱えていた。


 対して、英ヴィッカースや独クルップが誇る平炉鋼 (オープンハース鋼)は、クロムやニッケルを添加し、時間をかけて不純物を削ぎ落とした「合金鋼」だ。だが、それとて浸炭処理で表面を焼き固めなければ、ただの粘り強い合金に過ぎない。


 しかし、この『ルナ・スチール』は、既存の「合金鋼」の定義すら置き去りにしていた。


 クロム17%、ニッケル7%という異常な高配合。それだけの添加物がありながら、鋼を硬くする主役であるはずの炭素が「ほぼゼロ」なのだ。


(アルミニウム1%など、目眩しに過ぎん。結晶を脆くさせるゴミが、硬化に寄与するはずがない。……それでは、なぜアルミニウムを?)



 さらに彼を混乱させていたのは、イチタロウの身辺調査の結果だった。大陸横断鉄道の停車駅で受け取った電報によれば、奴は地元の町工場のプレス機を使い、自分自身で「軟鉄の包丁」を製造していたという。


(あり得ない。軟鉄に何をすれば、この配合比が導き出せる? どこまで行っても軟鉄は軟鉄だ。いや……やはり、クロムとニッケルのメッキによる欺瞞か?)


 レイモンドはふと、右翼最上席に座るフランスの代理人、ジャン・ピエール・ルグランに目をやった。フランスには、世界最高の冶金エリート集団「シュネデール (Schneider-Creusot)」がある。


 すでに五丁の包丁がカタログ販売大手へと送られた。各国が誇る高速客船に載せられたサンプルが大西洋を五日で駆け抜け、現物がシュネデールの研究所に届くのも時間の問題だ。


 もし、USスチールより先に、彼らがこの「矛盾」の正体を解明してしまえば――。


(あの若者は、一体何を考えている。製造特許を捨て、商標権 (トレードマーク)という『名前の独占』だけで戦うつもりか。これでは、特許紛争の泥沼に引きずり込むことすらできん……)


 本来なら、製造プロセスを公開させ、その不備を突いて法廷闘争へ持ち込むのが彼の勝ち筋だった。だが、イチタロウは中身を秘匿したまま「ブランド」という名の城壁を築こうとしている。


 レイモンドは、得体の知れない敗北感と共に、冷めかけたスープを飲み下した。




 午後二時五分。


 アレクサンドリア・ホテル「グリーン・バンケット・ルーム」の空気は、ナッツのような力強い香りのムルソー (フランス産白ワイン)と、地元名物「カレイのムニエル (Sand Dabs a la Alexandria)」の焦がしバターの匂いに満たされ、表向きにはこの日一番の和やかな「社交のピーク」を迎えていた。


 しかし、その饒舌な笑い声の層の下で、アーミー&ネイビーの全権代理人パーシー・フォークナーは、斜め前の席でまだ一人もそもそとムニエルを口に運んでいるレイモンドを、冷ややかな同情を込めて一瞥した。


(あのUSスチールの特許弁護士は、まだ「バネ」と「包丁」の理論的矛盾に囚われているのだろうな。それとも製造特許権と商標権か? ……その両方かもしれんな)


 だが、1900年まで英国海軍の機関将校として(すす)にまみれていたフォークナーにとって、ルナ・スチールの脅威はもっと巨大で、質量を伴った物理的な恐怖だった。


(ああ、お可哀想なレイモンドさん。これは特許やバネのような小さな話ではない。これは、海と世界を統べる(ことわり)の転換なんです)



 フォークナーは、かつて自分が格下の「技術専門官 (Civil Branch)」として扱われた海軍時代の階級制度を思い出した。1903年のセルボーン・フィッシャー改革でようやく軍人としての地位を確立しつつあった機関将校たちは、誰よりも「鉄と塩」の過酷な戦いを知っている。


 1900年に肺を患い英国海軍を退役するまで、機関将校 (エンジニア)として煤にまみれていたフォークナーにとって、ルナ・スチールの脅威はもっと巨大で、質量を伴った物理的な恐怖だった。


 当時の機関将校は、艦を指揮する「兵科将校」からは、煤にまみれた格下の技術専門官と見なされてきた。退役後にアーミー&ネイビーへ入社し、ここアメリカで政府の裏仕事もこなしてきたが、このロサンゼルスで「軍事機密」そのものと向き合うことになるとは予想もしていなかった。


 フォークナー自身、ロンドン発の電報にあった『錆びにくい特殊合金」の話は、海上で錆びやすい双眼鏡や測距儀などの光学機器に使えるか、といった程度の認識だった。


 ところが、ここで手に取った『ルナ・スチール』は、わずか四年前に就役した革新的な戦艦ドレッドノート (HMS Dreadnought)を過去のものにしようとしている。



 ドレッドノートは、副砲を廃止し、当時最大級の12インチ(約30センチ)連装砲十門を搭載した『単一巨砲艦 (All-Big-Gun ship)』だ。


 複雑な艦隊の相対運動を解く機械式射撃計算機 (デュマレスク)や最新の測距儀を導入し、電気信号によって各砲塔へ射撃諸元を伝達する集中火制システムを備えている。


 そして、21ノット(時速約40キロ)を発揮する石炭・重油混焼方式の蒸気タービンを世界で初めて採用することで、従来の戦艦という概念を一夜にして瓦解させた。


 往復動蒸気機関 (レシプロ)による18ノット(時速約33キロ)程度の旧式艦を、文字通り海上の歴史の彼方へと置き去りにしていったのだ。



 だが、『ルナ・スチール』の真の恐ろしさは、大砲や装甲、あるいは蒸気タービンといった目に見える革新だけに留まらない。


 従来の船舶は、半年も海に浸かれば船底にフジツボや海藻が付着して摩擦抵抗を増大させ、数ノットの速度低下を招く。そのため、年に一度の船底掃除と再塗装、そして機関整備のためのドック入りは避けて通れぬ宿命だった。


(もし、このルナ・スチールによってドック入りの周期が劇的に延長されれば……)


 稼働率が二倍、三倍に跳ね上がるということは、一隻の戦艦が物理的に二隻、三隻分の戦略的価値を持つことに他ならない。


 ルナ・スチールを独占できれば、熾烈を極めるドイツとの建艦競争において、世界第二位と第三位の海軍力を合わせた以上の戦力を保持するという『二国標準主義 (Two-Power Standard)』を、コストの壁を越えて永遠に固定できるということだ。



 そして、その衝撃は軍艦の範疇すら超えていく。


 イギリス本国と植民地を合わせた100トン以上の商船群は、いまや世界保有量の46%にまでそのシェアを落としている。


 かつての圧倒的独占が揺らぎ始めた今、1パーセントの効率、1ノットの差が帝国の命運を左右するのだ。


 一般的な商船は、ロイド・レジスター (船級協会)の規定を遵守しつつも、速度低下による石炭代の増加分と、ドック費用の天秤を常に睨みながら、限界まで稼働を続けていた。


 商船の使命は『荷を運び、富を稼ぐ』ことにある。ドック入りによる運休は、そのまま帝国の血流を止めるに等しい。


 もし、商船隊の稼働率が革命的に向上すれば、その経済的波及効果は計り知れない。


 一隻の船が二隻、三隻分として稼働する未来において、この『ルナ・スチール』を独占する側に回るか、あるいは独占される側に甘んじるかは、国家の興亡を分かつ天と地の差となるだろう。



 結局のところ、ロンドンのシティを支える株式市場の繁栄とて、大英帝国が誇る海軍と商船隊が七つの海を滞りなく行き交っているという、剥き出しの事実の上に浮かんでいるに過ぎないのだから。


 ここにいる十二人の中で、一体何人がこの『ルナ・スチール』の真の価値――海と世界を支配する力――の深淵を理解しているのだろうか。


 フォークナーは、理論の迷宮で喘ぐ遠くのレイモンドから、微笑を湛えたイチタロウへと視線を移した。




 午後二時四十五分。


 ル・ボン・マルシェの全権代理人ジョン・スミス・ジュニアは、デザートプレートに盛られた濃厚かつ軽やかなアイスクリームを平らげると、微かな苛立ちとともにスプーンを置いた。


 彼が憤っているのは、アイスの味に対してではない。


 メニューカードに記された『サントス・コーヒーのパルフェ、真のモカ・シロップを添えて (Parfait au Café de Santos avec son Sirop de Moka Véritable)』という文字を肴に、同席したイチタロウと交わすはずだった雑談が、期待外れに終わろうとしていたからだ。



 かつて世界最古のブレンドとしてその名を馳せた「モカ・ジャバ」。


 しかし、ジャワ島を襲ったコーヒー錆病 (さび病)の蔓延は、アラビカ種のコーヒーノキを絶滅の淵へと追いやり、市場を根底から覆した。チコリや穀物を混ぜた粗悪な「偽物」が横行する中、1906年に施行された『真正食品薬物法』は、実態のない「モカ・ジャバ」の呼称を厳格に禁じたのである。


 それ以来、高級ホテルや名門店は、供給の不安定なモカ・ジャバを諦め、ブラジル産の高品質な「サントスNo.2」を用いたブレンドへと切り替えていった。


 だが、「サントス」という名に染み付いた安価な大衆品のイメージを嫌い、多くの店はそれを『ハウスブレンド』といった無難な名に隠して提供するのが常識となっていた。


 ところが、このランチョンのメニューカードはあえて『サントス・コーヒー』の名を冠し、あろうことか『真のモカ』によるシロップを添えるという、皮肉めいた対比を強調していた。


 スミスはこの挑発的なディッシュ名 (Dish Name)に、イチタロウと語り合う知的な愉しみを見出していたのだ。



 それだというのに、右隣のルグランは「製造特許の買い取り」や「ライセンス生産」といった世俗的な話題をイチタロウに捲し立てていた。正面に座るハンス・シュトゥーケンブロックに至っては、その一言一句を聞き漏らすまいと、テーブルに身を乗り出す始末だ。


 一方、左隣のフォークナーは、今すぐにでもイチタロウをイギリスへ連れ去らんばかりの優雅な微笑みを浮かべている。


 その姿に、スミスはかつてのフランスの謀略を思い出さずにはいられなかった。


 ヴェルサイユ宮殿を飾る鏡の製法のため、イタリアから命がけでガラス職人を引き抜いたフランスの執念を。


(さて……フランスに寝返ったヴェネツィアの職人たちは、最後には毒殺されたというが、この男はどうなることか)


 左右の第四席にはボストンとレイモンドが控え、その後ろにはJ.P.モルガンとUSスチールが見え隠れしている。彼らにとっての『ルナ・スチール』は、喉から手が出るほど欲しい果実だ。


 他国へ渡すくらいなら、その製造法もろともイチタロウをこの世から抹消しかねない。



 そんな中、給仕たちがデザートプレートを下げ、デミタスカップを配り始めた。その瞬間に立ち上った香りに、スミスは意識を奪われた。


 オールド・ジャワ特有の湿った土を思わせる重厚な香りの上に、熟したベリーやジャスミンに近い、モカの突き抜けるような芳香が重なっている。


(……デザートの『サントスのパルフェ』に鼻がやられたか? いや、そんなはずはない)


 このデミタスは、アレクサンドリア・ホテルのモカ・ジャバ風ブレンド――すなわち選りすぐられたサントス豆から淹れられているはずだった。


 メニューカードの末尾には、食後のコーヒーとしてただ『Café Noir』とだけ記されていた。



 スミスは内心首を傾げながら、その一口を口に含んだ。



 掌に隠れるほど小さなカップの中に閉じ込められていたのは、かつて失われたはずの「本物のモカ・ジャバ」だった。


 舌にねっとりと纏わりつく、シロップのような質感。雨上がりの森を抜ける風に乗って、発酵した果実酒の芳醇な香りが鼻腔を吹き抜けていく。



「……本物の、モカ・ジャバだ」


 絡み合ったスパイスとワインの残香が、胃の奥で熱い塊となり、今にも喉から噴き出しそうなほどの生命力を放っている。


 デミタスという形式が、モカ・ジャバの野生的な特徴を限界まで煮詰めていた。



 デミタスを口にして絶句するルグランと、彼とイチタロウの会話に強引に割って入るシュトゥーケンブロック。


 その光景を眺めながら、スミスはひとつの冷徹な疑問に突き当たった。


(イトウは、なぜベルリンの覇者である『ヴェルトハイム』や『ヘルマン・ティーツ』といった百貨店勢を退け、アインベックの地方都市に拠点を置く、自転車やミシンを商う『シュトゥーケンブロック』をこの五社に選んだのか?)


 ブランド帝国を築くための華やかな「看板」を求めるなら、名門百貨店こそがふさわしい。スミスは、喉に残るモカ・ジャバの重厚な余韻とともに、その不可解な違和感を飲み干した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ